文献情報
文献番号
201606008A
報告書区分
総括
研究課題名
保育所等における感染症対策に関する研究
課題番号
H28-健やか-一般-002
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
細矢 光亮(公立大学法人福島県立医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 四柳 宏(東京大学 医学部)
- 外川 正生(大阪市立総合医療センター)
- 三浦 義孝(一般社団法人日本保育保健協議会)
- 石井 則久(国立感染症研究所ハンセン病研究センター)
- 多屋 馨子(国立感染症研究所感染症疫学センター)
- 三沢 あき子(京都府立医科大学 医学部)
- 和田 紀之(一般社団法人日本保育保健協議会)
- 是松 聖悟(大分大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 成育疾患克服等次世代育成基盤研究
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
6,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
保育の実際においては、子どもたちの健康と安全を確保しつつ、保育の制限を最小にとどめることが求められる。そのような観点から「保育所における感染症対策のガイドライン」が作成されているが、近年保育所で問題にされているB型肝炎やC型肝炎、HIV感染症、疥癬等について、その対応・対策の記載がなく、保育所の現場では、感染児に対し入園や保育拒否等の誤った対応がなされたケースもある。そこで、これらの特定の感染症に対する対応策を加え、さらに日常の保育において感染拡大を出来る限り抑えるための具体的方策を盛り込み、現場での実用性の高い感染症対策ガイドラインを目指した「保育所における感染症対策ガイドライン」に改定することを目的とする。
研究方法
研究代表者の細矢と研究分担者の是松らは、日本小児科学会において「学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説」を作成している。研究分担者の四柳らは「B肝炎治療ガイドライン」と「C肝炎治療ガイドライン」を作成している。研究分担者の外川らは「抗HIV治療ガイドライン」を作成している。研究分担者の石井らは「疥癬診療ガイドライン」を作成している。研究分担者の多屋は感染症疫学のエキスパートである。研究分担者の三沢は保育保健行政に詳しい。研究分担者の三浦と和田は保育所等における保健活動を実践しており、現場での実効性の評価も可能である。感染症対策の専門家(細矢光亮、石井則久、多屋馨子、外川正生、四柳宏、是松聖悟)および保育・保健の専門家(三浦義孝、和田紀之、三沢あき子)の意見を集約し、平成28年度 1年の間に、関連学会を含め広くコンセンサスが得られる「2016年改訂版 保育所における感染症対策ガイドライン(案)」を作成する。
結果と考察
2016年6月に第1回研究班会議を開催し、ガイドラインの概要決定し、「主な感染症とその対策」の素案を検討した。2016年7月の第2回研究班会議においては、「主な感染症とその対策(案)」を確定し、「感染経路」と「感染症対策」の素案及び「衛生管理」「感染症発生時の対応と罹患後における登園時の対応」の素案を検討した。2016年9月の第3回研究班会議において、「感染経路(案)」「感染症対策(案)」を確定し、また「衛生管理」「感染症発生時の対応と罹患後における登園時の対応(案)」、「感染症対策の実施体制と子どもの健康支援(案)」を確定し、「2016年改訂版 保育所における感染症対策ガイドライン(素案)」を作成した。2017年11月に、日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会、日本小児皮膚科学会会員等より意見募集を行い、様々な意見に回答する形で修正を加えた。2017年1月の第4回研究班会議で「2017年改訂版 保育所における感染症対策ガイドライン(案)」を確定し、厚生労働科学研究費補助金 成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業 保育所等における感染症対策に関する研究 平成28年度研究報告書を作成した。
保育園や認定こども園等の保育施設において流行する気道感染症や消化管感染症に加え、近年最も問題になっているB型肝炎やC型肝炎、HIV感染症、疥癬感染に対する対策ガイドラインを提示した。また、既に存在する各種感染対策ガイドラインとの整合性を図り、齟齬をなくすことができ、関連する学会や団体からのコンセンサスが得られるガイドラインになった。保育所等における感染症対策に関する研究 平成28年度研究報告書を全国自治体へ送付し、保育所等の管轄部署に周知した。さらに、平成29年度に改訂が予定される「保育所保育指針」に組み入れることにより、保育所等の現場に直接周知することになり、誤解から生まれる感染児の差別や、誤った対応による感染リスクを解消することができる。
保育園や認定こども園等の保育施設において流行する気道感染症や消化管感染症に加え、近年最も問題になっているB型肝炎やC型肝炎、HIV感染症、疥癬感染に対する対策ガイドラインを提示した。また、既に存在する各種感染対策ガイドラインとの整合性を図り、齟齬をなくすことができ、関連する学会や団体からのコンセンサスが得られるガイドラインになった。保育所等における感染症対策に関する研究 平成28年度研究報告書を全国自治体へ送付し、保育所等の管轄部署に周知した。さらに、平成29年度に改訂が予定される「保育所保育指針」に組み入れることにより、保育所等の現場に直接周知することになり、誤解から生まれる感染児の差別や、誤った対応による感染リスクを解消することができる。
結論
近年保育所で問題にされているB型肝炎やC型肝炎、HIV感染症、疥癬等について、その対応・対策を記載し、また、日常の保育において感染拡大を出来る限り抑えるための具体的方策を盛り込んだ「2017年改訂版 保育所における感染症対策ガイドライン(案)」を作成した。この研究報告書を全国都道府県および市町村の保育所担当課に送付し、保育所等における感染症対策に関する情報提供を行った。
公開日・更新日
公開日
2017-06-27
更新日
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