文献情報
文献番号
201605030A
報告書区分
総括
研究課題名
費用対効果の高い歯科保健サービスの提供方法・内容の分析
課題番号
H28-特別-指定-033
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
山下 喜久(九州大学 大学院歯学研究院 口腔保健推進学講座 口腔予防医学分野)
研究分担者(所属機関)
- 竹内 研時(九州大学 大学院歯学研究院 口腔保健推進学講座 口腔予防医学分野 )
- 古田 美智子(九州大学 大学院歯学研究院 口腔保健推進学講座 口腔予防医学分野 )
- 須磨 紫乃(九州大学 大学院歯学研究院 口腔保健推進学講座 口腔予防医学分野 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
2,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は口腔の健康状況や歯科保健管理が歯科医療費及び医療費にどのような影響を与え得るかについて,これまでの知見を総覧することを目的に,①口腔の健康状態と歯科医療費及び医療費の関係の検討,②歯科保健サービスの受給状況と歯科医療費及び医療費の関係の検討,及び③歯科医療管理等に関する先進事例の収集,を行った.
研究方法
電子検索データベースとハンドサーチによる文献検索から33編が精読の対象となった.
結果と考察
①に関しては,残存歯数が20歯以上の場合に歯科医療費は少なく,また残存歯数が多いほど医療費は少なくなる傾向を多くの文献が報告した.また,歯周病を中心とした歯科疾患の存在も歯科医療費及び医療費の増加と関連するという報告が存在した.②に関しては,予防目的の歯科通院や歯科検診に代表される歯科保健活動への参加が歯科医療費及び医療費の少なさと関連するという報告がみられた.③に関しては,既存データからの推定ではあったものの,歯科医院受診患者の約6割が歯科医院にて糖尿病等の慢性疾患のスクリーニングを受け,さらに医師への紹介を受けた場合,医療費が減少するという報告が存在した.本研究結果から,口腔の健康状態の中では特に残存歯数が,歯科保健サービスの中では特に予防目的の歯科医療機関の受診が,歯科医療費及び医療費と関連することが示唆された.
結論
これより,歯の喪失の主たる要因となるう蝕や歯周病などの歯科疾患の予防を中心とした歯科医療機関への定期受診を若年期から継続させることは,歯科医療費だけでなく医療費全般を抑制できる可能性があると考えられる.
公開日・更新日
公開日
2017-06-21
更新日
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