文献情報
文献番号
201605027A
報告書区分
総括
研究課題名
薬局・薬剤部の機能を活用した副作用報告の推進に関する研究
課題番号
H28-特別-指定-030
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
益山 光一(東京薬科大学 薬学部医療薬物薬学科薬事関係法規研究室)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
1,532,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
近年、後発医薬品の使用促進による多様な製造販売業者による医薬品を使用している実態や、高齢化のみならず抗がん剤治療等による多剤併用療法の実施などにより、医薬品単剤のみではない複合的な副作用の発生など、医薬品の安全性を取り巻く環境は変化してきている。一方で、現在の副作用報告全体の9割は製薬企業からの報告が占めているのが実状でり、残りの1割を占める医薬関係者からの報告数は前年より減少した(http://www.pmda.go.jp/files/000212797.pdf)ことが報告されている。こうした背景において、後発品各社では実務を担うMR(医薬情報担当者)数の増員や活動には限界があり、後発品が益々普及する中、行政において副作用発生の迅速な覚知を確保するためには、企業報告だけに頼り切らない、医療機関や薬局等医薬関係者からのを推進するための有効な方策を講じることが急務である。
本研究では、日本医師会、日本薬剤師会や日本病院薬剤師会の協力のもと、副作用に関連する事例報告等を参照の上、医師等との連携なども含めた実施上の課題等を整理し、今後実現可能な制度改善提案(ガイダンス骨子案)をまとめることを目的として実施した。
本研究では、日本医師会、日本薬剤師会や日本病院薬剤師会の協力のもと、副作用に関連する事例報告等を参照の上、医師等との連携なども含めた実施上の課題等を整理し、今後実現可能な制度改善提案(ガイダンス骨子案)をまとめることを目的として実施した。
研究方法
研究班での研究の流れとしては、副作用等に関する薬局や薬剤部での先進的な取組事例や文献調査等について情報収集を行い、それらの事例を参考にしながら、医療機関及び薬局において副作用報告を実施できる体制を強化するために必要なことを検討するとともに、今後の医療機関及び薬局における副作用報告対応を推進するため、医薬関係者の副作用報告ガイダンスの骨子(案)の作成について検討を行った。
なお、本研究を進めるにあたり、日本医師会、日本薬剤師会及び日本病院薬剤師会の先生方に、研究協力者、分担研究者として本研究班に参画いただいた。さらに、日本病院薬剤師会での副作用対応についての研究を進めている、「医療機関および薬剤師における 副作用等報告制度の認識と実践の実態把握とその推進に関する研究」(研究開発 代表者:眞野 成康 国立大学法人東北大学病院 教授・薬剤部長)とも連携をとることとした。
なお、本研究を進めるにあたり、日本医師会、日本薬剤師会及び日本病院薬剤師会の先生方に、研究協力者、分担研究者として本研究班に参画いただいた。さらに、日本病院薬剤師会での副作用対応についての研究を進めている、「医療機関および薬剤師における 副作用等報告制度の認識と実践の実態把握とその推進に関する研究」(研究開発 代表者:眞野 成康 国立大学法人東北大学病院 教授・薬剤部長)とも連携をとることとした。
結果と考察
国立がん研究センター東病院において実施している抗がん剤の安全使用の取り組みと課題、残薬への先進的な取組みを実施した鹿児島県薬剤師会の取組み、千葉大学病院や和歌山ろうさい病院での検査値の活用と薬薬連携、転倒防止等のわかば薬局の取組みについて、現地調査を行うとともに、文献調査等により、参考となる取り組みについて情報収集を図るとともに、医薬関係者の副作用報告ガイダンスの骨子(案)について取り纏めを行った。今回の医療機関の取組事例については、ナショナルセンターや大学病院、市立病院等といったようないわゆる大病院に分類される取組みが多く、診療所で実施する場合の費用負担等の課題について、今後の検討が必要である。
結論
医薬品の副作用報告は現在、製造販売業者たる製薬企業報告が主体となっている。しかしながら、ジェネリック医薬品の使用量の増加、抗がん剤を多剤併用療法や高齢化に伴う多剤使用など、個別の医薬品での副作用対応のみで終わらないケースもある。
そのような変化の中、患者において副作用が発生した場合のみならず、副作用を如何に未然に防ぐかを、医療機関内及び薬局内で積極的に確認し、必要な体制等を整備しておくことは、今後、ますます重要になると考えられる。
今回の「医薬関係者の副作用報告ガイダンスの骨子(案)」をもとに、実際の現場での実態とどこまで整合し、何が足りないのか引き続き検討を進め、より具体的な業務手順書の検討を進めて行くことが必要である。
そのような変化の中、患者において副作用が発生した場合のみならず、副作用を如何に未然に防ぐかを、医療機関内及び薬局内で積極的に確認し、必要な体制等を整備しておくことは、今後、ますます重要になると考えられる。
今回の「医薬関係者の副作用報告ガイダンスの骨子(案)」をもとに、実際の現場での実態とどこまで整合し、何が足りないのか引き続き検討を進め、より具体的な業務手順書の検討を進めて行くことが必要である。
公開日・更新日
公開日
2017-05-23
更新日
-