ニーズに基づいた専門医の養成に係る研究

文献情報

文献番号
201605020A
報告書区分
総括
研究課題名
ニーズに基づいた専門医の養成に係る研究
課題番号
H28-特別-指定-022
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
小池 創一(自治医科大学 地域医療学センター 地域医療政策部門)
研究分担者(所属機関)
  • 松田 晋哉(産業医科大学 公衆衛生学教室)
  • 松本 正俊(広島大学 医学部 地域医療システム学講座)
  • 今中 雄一(京都大学大学院 医学系研究科 医療経済学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、現時点で利用可能なデータを用いて地域毎の専攻医(専門研修中の医師)の養成規模等の検討を行う上で必要となる基礎的な情報収集を行うとともに、専門医の養成規模の考え方について検討を行うことである。
研究方法
専門医の現状については、平成26年医師・歯科医師・薬剤調査等の統計情報や、国の検討会における資料等を収集し、専門医の地域分布とともに、都道府県別・領域別の専攻医数を推計した。また、平成26年医師・歯科医師・薬剤師調査の調査票情報の利用申請を行い、許可を得て、男女別の専門医の医籍登録後年数別人数及び複数専門医の取得状況について集計を行なった。また、ニーズに基づいた専門医の養成に向けた基礎的検討として、研究班会議を随時開催しながら、専門医の必要数に関連する要素、収集可能なデータについての検討及びニーズに基づく専門医の養成についての検討を行った。
結果と考察
都道府県別の医療機関に従事する医師について主たる診療科別・取得している広告可能専門医に関する資格名別人数及び人口10万人当たりの数を算出するとともに、主たる診療科・従業地による都道府県別専攻医数の推計を行なった。また、専門医の人口構成について医籍登録後年数別の人口ピラミッドを男女別に示し、多くの分布は年齢が高い側に裾を引く分布となっているが、二峰性を示している診療科や、女性の若年層が近年急速に増加している診療科等、専門医取得者の性・年齢構成が近年急速に変化している診療科があることを明らかにした。主たる診療科と取得している広告可能専門医別の取得状況の対応を示した。また、複数専門医の取得数、複数専門医を取得している場合の組み合わせ、複数専門医の取得状況を、内科系、外科系、その他とした上で、内科系については、総合内科専門医と、外科系については外科専門医と組み合わせた取得状況について集計する等、様々な方法を用いて既存資料から専門医の現状を明らかにした。
ニーズに基づく専門医の養成に関しては、専門医を養成するにあたっては、専門医のニーズを規定する要素について、ある程度の確度を持って推計できるものと、現時点でも一定程度のデータを得ることができるもの、今後の医療政策の動向によって大きく変わりうるものを整理した。専門医の必要数を考える上では、まず、現在の受療動向や診療行為のパターンが変わらない場合とした場合に、人口動態や疾患構造の変化による患者数の増減に対応して医師数の必要数の変化を推計した上で、現状得られるデータから必要な補正を行い、さらに、現時点ではデータが得られないものの将来の専門医の必要数に影響を与えうるもの(今後の医療技術の進歩や、医師の働き方改革等)については、データが得られ次第加えてゆくことが適切であると考えられた。

結論
本研究により、専門医に関する既存の資料に基づく基礎的な情報の整理と、ニーズに基づく専門医の養成についての考え方の整理を行うことが出来た。医師の偏在対策としては、専門医の養成数の部分はあくまでも入り口であり、医師の選択や様々なキャリアパスを尊重しつつ、地域における医師確保が可能となる仕組みについても別途考えてゆかなければいけない点にも留意が必要であり、今後とも、より精緻なデータを得て検討を続ける必要があると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2017-05-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201605020C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本研究を通じて現時点で利用可能なデータを用いて地域毎の専門医の養成規模を検討する上で必要となる基礎的な情報収集及びその養成規模の具体的な設定方法についての基礎的な検討を行うことが出来た。
臨床的観点からの成果
本研究は臨床研究ではない。
ガイドライン等の開発
今後、本研究が専門医制度の構築にあたって開発されるガイドライン等の参考資料として活用されることを期待している。
その他行政的観点からの成果
今後、本研究が専門医制度の構築にあたって、行政的観点から参考資料として利用されることを期待している。
その他のインパクト
今後、本研究が専門医制度の構築にあたって参考資料として利用されることを期待している。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2022-05-26
更新日
-

収支報告書

文献番号
201605020Z