文献情報
文献番号
201605011A
報告書区分
総括
研究課題名
歯科保健医療サービス提供困難者に対する歯科保健医療サービスの実施に関する研究
課題番号
H28-特別-指定-013
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
三浦 宏子(国立保健医療科学院 国際協力研究部)
研究分担者(所属機関)
- 小坂 健(東北大学大学院 歯学研究科)
- 尾崎 哲則(日本大学 歯学部)
- 大島 克郎(日本歯科大学 東京短期大学)
- 玉置 洋(国立保健医療科学院 医療・福祉サービス研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究では、平成24年に厚労大臣告示された「歯科口腔保健の推進に関する基本的事項」において、大きな目標として掲げられている定期的な歯科検診・歯科医療を受けることが困難な者に対する歯科口腔保健サービス提供の向上を図るための施策を推進する基礎データを得ることを目的とした。
研究方法
「高齢者入所施設等における歯科保健サービスに関する調査」、「障害者入所施設等における歯科保健サービスに関する調査」、「在宅高齢者における歯科医療困難事例の把握」、「訪問歯科診療における連携体制の実態把握」について、自記式質問票を用いた郵送留め置き法による調査を行った。併せて、健康格差の縮小に関する各都道府県の取り組み状況について、歯科保健条例と歯・口腔保健計画の記述内容を分析した。
結果と考察
障害児・者入所施設ならびに老人保健施設での定期的歯科検診の実施状況については、平成23年度データと比較して、横ばい傾向であったが、入所者への日常的な口腔管理の実施状況は大きく向上していた。また、都道府県レベルでの歯・口腔保健計画における地域格差縮小への取り組みについては、既に41道府県でう蝕予防を中心に具体的な目標が設定されていた。歯科保健条例においてフッ化物応用を明記した自治体では、フッ化物洗口が有意に高率に実施されていたこともわかった。
一方、歯科専門職の個別地域ケア会議の参加は未だ不十分であり、在宅ケアにおける歯科課題が見逃されている可能性が示唆された。併せて、在宅高齢者への歯科医療サービスの提供体制の整備には、訪問歯科医療の拡充だけでなく、通院のための交通手段の確保が極めて重要な課題であり、多方面の関係者・部署との連携が必須であることが確認された。在宅療養支援歯科診療所と他機関との連携状態については、医科医療機関との連携を有していた診療所の割合と、病院歯科との連携を有していた診療所の割合がともに3割未満であり、さらなる連携推進を図る必要性が示唆された。
一方、歯科専門職の個別地域ケア会議の参加は未だ不十分であり、在宅ケアにおける歯科課題が見逃されている可能性が示唆された。併せて、在宅高齢者への歯科医療サービスの提供体制の整備には、訪問歯科医療の拡充だけでなく、通院のための交通手段の確保が極めて重要な課題であり、多方面の関係者・部署との連携が必須であることが確認された。在宅療養支援歯科診療所と他機関との連携状態については、医科医療機関との連携を有していた診療所の割合と、病院歯科との連携を有していた診療所の割合がともに3割未満であり、さらなる連携推進を図る必要性が示唆された。
結論
基本的事項における定期的な歯科検診・歯科医療を受けることが困難な者に対する目標に向けての5年間の推移を明らかにすることができた。一方、歯科専門職の個別地域ケア会議の参加は未だ不十分であり、在宅ケアにおける歯科課題が見逃されている可能性が示唆された。在宅療養支援歯科診療所と他機関との連携状態については、医科医療機関との連携を有していた診療所が3割未満であり、さらなる連携推進を図る必要性が示された。
公開日・更新日
公開日
2017-05-26
更新日
-