地域医療構想等に基づく2025年の看護職員需給見通しの推計に関する研究

文献情報

文献番号
201605002A
報告書区分
総括
研究課題名
地域医療構想等に基づく2025年の看護職員需給見通しの推計に関する研究
課題番号
H28-特別-指定-002
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
小林 美亜(国立大学法人千葉大学 医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 伏見 清秀(東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科)
  • 池田 俊也(国際医療福祉大学 医学部)
  • 五十嵐 中(東京大学大学院薬学系研究科 医薬政策学)
  • 白岩 健(国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
6,488,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
地域医療構想等による医療・介護需要に基づいて、平成37年(2025年)に向けた看護職員需給見通しの策定を行うために活用することのできる推計の方法論を検討することを目的とした。
研究方法
有識者からなる専門家集団により、看護職員の需要・供給推計を行うための方法論の検討を行った。需要数については、地域医療構想等による医療・介護需要に基づいて平成37年(2025年)に向けた看護職員需給見通しを各都道府県が策定できるよう、推計区分を設定して推計区分ごとの病床や患者あたり看護職員必要数を算出し、今後の必要病床数や介護需要に基づいた看護職員の需要数を推計することとした。供給数は、新規就業者数、再就業の状況、離職率のデータをもとに、年次増減数を計算し、最新値に積み上げる推計方法とした。なお、現状値の推計を行い、既存の公表値と比較して妥当性を確認するとともに、平成37年(2025年)の供給数の将来推計についての検討も行った。
結果と考察
本研究の検討により、現状の1病床あたり、患者・利用者1人あたりの看護職員必要数に、将来の病床数、患者・利用者数の推計値を乗じることで、将来の看護職員数の必要数を推計することが可能であると考えられた。しかしながら、看護職員数は、診療報酬の改定や看護職の働き方の改革などの影響も受けることから、今後の課題として、これらの条件を踏まえた算出方法を検討することが必要である。供給については、平成27年初の看護職員の供給人数に関する現状推計値と、衛生行政報告例の看護職員数とを比較したところ、推計値は衛生行政報告例の100.8%となり、乖離は公表値の0.8%程度に留まった。供給の将来推計については、今回(Ⅰ)現状維持シナリオ(Ⅱ)再就業者数増加シナリオ(Ⅲ)退職者数減少シナリオ の3パターンで検討を行ったが、その他の施策上の影響による変動もあり得るため、より施策に連動したシナリオ、設定値の検討が必要である。
結論
本研究で検討を行った看護職員の需給を推計するための方法論は、地域医療構想等の策定に役立てることが期待される。

公開日・更新日

公開日
2018-06-06
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2018-06-06
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201605002C

収支報告書

文献番号
201605002Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
8,434,000円
(2)補助金確定額
7,160,000円
差引額 [(1)-(2)]
1,274,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 205,603円
人件費・謝金 588,633円
旅費 162,284円
その他 4,257,480円
間接経費 1,946,000円
合計 7,160,000円

備考

備考
本研究では、「医療従事者の需給に関する検討会 看護職員需給分科会」の議論の状況を踏まえながら推計方法の検討や都道府県が看護職員の需給推計ができるツールを開発するなど、平成28年3月より開催されている当分科会と連動した研究となっており、当分科会では28年12月にとりまとめを予定していた。
しかしながら、平成28年6月の同検討会医師需給分科会の中間報告で、将来、あるべき医療提供体制と医師の新しい働き方ビジョンを作成し、必要な医師数を推計することが必要とされ、平成28年10月に「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」が設置され、望ましい医療従事者の働き方等の在り方を踏まえた、看護職員需給推計を行うこととされた。そのため、当分科会はビジョン検討会のとりまとめを受けてから再開予定となっていた。しかしながら、平成29年度も当分科会は開催されなかったため、当初、予定していた需給推計ツールの開発などの着手には至らず、そのための研究費用の使用は発生しなかった。

公開日・更新日

公開日
2018-06-06
更新日
2019-05-22