ポスト国連ミレニアム開発目標における保健関連及びその他目標の採択過程、実施体制と目標間の関連性の研究

文献情報

文献番号
201604004A
報告書区分
総括
研究課題名
ポスト国連ミレニアム開発目標における保健関連及びその他目標の採択過程、実施体制と目標間の関連性の研究
課題番号
H27-地球規模-一般-003
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
村上 仁(国立研究開発法人国立国際医療研究センター 国際医療協力局 運営企画部)
研究分担者(所属機関)
  • 池上清子(PSD(Partners for Sustainable Development))
  • 大橋正明(聖心女子大学文学部人間関係学科)
  • 高橋華生子(明治大学情報コミュニケーション学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 地球規模保健課題解決推進のための行政施策に関する研究
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
4,338,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
研究目的1:ポストMDGs 開発目標採択とその後の実施体制に向けた国際動向を、把握、報告する。
研究目的2:保健関連目標・ターゲット達成(2030 年) へ向けた実施体制とモニタリング・評価指標をめぐる議論を分析・報告。ゴール3「保健」の実施体制のとりまとめ。
研究目的3: 保健関連目標と、それ以外の新たな国際アジェンダを反映した目標(例:ゴール10「国内・国家間の不平等削減」、ゴール11「包摂的、安全、リジリエントで持続可能な都市・居住区」等)の関連性を、グローバルガバナンスの視点から分析・報告
研究方法
平成27年度までBeyond MDGs Japanという名称で実施してきた官民連携プラットフォームを平成28年から「みんなのSDGs」と改称し、計5回の運営委員会を実施し、情報共有に努めた。平成28年8月26日、ケニアのナイロビで、第6回TICAD(Tokyo International Conference on African Development:アフリカ開発会議)の公式サイドイベントとして、「女性の健康についてのシンポジウム」開催。平成28年12月17-25日、パレスチナにおいて紛争後の女性の健康の調査を実施した。また、インドのビハール州ならびに西ベンガル州において、公的保健制度の実態調査を実施した。SDGsにおける都市・都市化の位置づけにつき、第3回国連人間居住会議(ハビタット3)に向けたテーマセッションならびに本会議に出席し、その知見をゴール11の実現にかかる課題(主要アクターと財政)の視点からまとめた。
結果と考察
「女性の健康についてのシンポジウム」の結果、この領域での政治的なコミットメント、科学的なデータに基づく計画・立案、アドボカシー、若者の安全な性交と学校保健の充実改善の必要性が明らかとなった。パレスチナの調査の結果、女性に多い乳がん、子宮がんの早期発見が困難なこと、女性への暴力が頻発していること等が明らかとなった。インドのビハール、西ベンガル各州の実態調査の結果、10年ほど前から妊産婦の施設分娩、乳幼児への予防接種などを郡農村病院、PHC(プライマリ・ヘルス・センター)ならびにサブセンターを軸に、奨励金の支給や無償輸送の提供、地域保健ボランティア(ASHA)の配置などを通じて、大きな改善をもたらしていることが明らかになった。ハビタット3への参加の結果、都市を包摂する地方自治体の財政が地方分権の潮流の中で逼迫していること、途上国の地方レベルにおいてアカウンタブルな統治体制(ガバナンス)が整備されていないことが主要課題であることが明らかとなった。
結論
アフリカの女性の健康については、コミュニティーを単位とした保健活動の整備が待たれる。パレスチナの女性の健康については、女性看護師の役割が大きく、これらの職種の人材育成が必要である。インドを含む南アジアにおいては、UHC(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)の草の根レベルからの実現に向け、保健医療分野の人材育成を図ることが重要である。都市・居住区に関連するゴール11の関連においては、道路や公共交通機関など物理的なインフラ整備の側面から、生活環境・健康の問題に取り組めるというモデルを提示する必要がある。また、主要なアクターである地方自治体間の都市開発・環境パートナーシップを助成する制度を整えるべきである。

公開日・更新日

公開日
2017-06-28
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2017-06-15
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201604004Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
4,338,000円
(2)補助金確定額
4,338,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 451,464円
人件費・謝金 353,804円
旅費 2,757,343円
その他 775,392円
間接経費 0円
合計 4,338,003円

備考

備考
研究分担者1名の支出が配分額を3円オーバーした。

公開日・更新日

公開日
2017-06-15
更新日
-