大規模データを用いた運動器疾患・呼吸器疾患・がん・脳卒中等の臨床疫学・経済分析

文献情報

文献番号
201603001A
報告書区分
総括
研究課題名
大規模データを用いた運動器疾患・呼吸器疾患・がん・脳卒中等の臨床疫学・経済分析
課題番号
H27-政策-戦略-011
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
康永 秀生(東京大学 大学院医学系研究科 公共健康医学専攻臨床疫学・経済学)
研究分担者(所属機関)
  • 國土 典宏(東京大学医学部附属病院 肝胆膵外科学)
  • 田中 栄(東京大学医学部附属病院 整形外科学)
  • 長瀬 隆英(東京大学医学部附属病院 呼吸器内科学)
  • 芳賀 信彦(東京大学医学部附属病院 リハビリテーション医学)
  • 本間 之夫(東京大学医学部附属病院 泌尿器外科学)
  • 山田 芳嗣(東京大学医学部附属病院 麻酔学)
  • 大江 和彦(東京大学大学院医学系研究科 医療情報経済学)
  • 橋本 英樹(東京大学大学院医学系研究科 保健社会行動学)
  • 松山 裕(東京大学大学院医学系研究科 生物統計学)
  • 小池 創一(自治医科大学 地域医療学)
  • 飯塚 敏晃(東京大学大学院経済学研究科)
  • 後藤 励(慶應義塾大学経営管理研究科)
  • 堀口 裕正(国立病院機構本部総合研究センター診療情報分析部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(臨床研究等ICT基盤構築研究)
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
23,479,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、大規模保健医療データベースを用いて、以下の網羅的・包括的な分析を行うことを目的とする:
(I) 個々の医療技術の効果と費用の分析
(II) 医療サービス提供の量・質および効率性に関する分析
研究方法
Diagnosis Procedure Combination (DPC)データ、医療施設調査データ、JMDCデータ等を利用した。研究組織のコア・メンバーは臨床疫学、医療経済学、医療情報学、生物統計学などの専門家と、臨床各領域の専門家で構成される。若手研究者を多数招き、総勢約200名の研究者による研究体制を敷いた。
結果と考察
複数の領域(運動器、呼吸器、がん、脳卒中など)における下記のリサーチクエスチョン(RQ)を設定した。
<RQ1>診療ガイドライン遵守とアウトカムの関連
<RQ2> ロコモティブ・シンドロームによる入院とADL
<RQ3> 高齢者骨折による入院、ADL・短期予後、入院医療費
<RQ4> 関節リウマチの治療選択や副作用・入院頻度に影響する要因
<RQ5> COPD・喘息・肺炎等の再入院リスク・死亡リスク・超過医療費
<RQ6>がん診療のプロセスおよびアウトカム評価
<RQ7> 脳卒中急性期管理の最適な組み合わせ、施設要因と予後の関連
<RQ8> 敗血症治療の費用効果
<RQ9>院内感染症・術後感染症の疫学
<RQ10>帝王切開手術と麻酔法
<RQ11>手術支援ロボットがもたらす臨床構造の変化
<RQ12>医師以外の職種の働きと患者アウトカムの関連
<RQ13> 救急・ICUにおける治療の効果
<RQ14> 小児疾患のプロセス・アウトカム評価
<RQ15>内分泌疾患のプロセス・アウトカム評価
<RQ16>消化器疾患のプロセス・アウトカム評価
<RQ17>稀少疾患の疫学と診療実態
<RQ18>看護研究
<RQ19>大規模データを用いた医療経済研究
<RQ20> 診療報酬請求データの高度分析
上記に加えて、(i)大規模データを用いた臨床疫学・経済分析におけるデータベース・マネジメント、(ii)国内外の大規模保健医療データベースの運営と利活用の状況、について検討を行った。28年度中に40編の英文原著論文が採択された。
結論
本研究を通じて、医療現場に向けて、エビデンスに基づく医療の推進に寄与する重要な知見を提供できる。さらに医療政策意志決定者に向けて、様々な疾病による社会経済的負担の状況および有効な治療選択による負担軽減の程度を把握し、今後必要となる医療資源投入量を推計し、医療の質の改善や医療費の適正化に向けた政策を立案することに資する重要な資料を提供できる。

公開日・更新日

公開日
2017-06-29
更新日
2018-06-06

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201603001B
報告書区分
総合
研究課題名
大規模データを用いた運動器疾患・呼吸器疾患・がん・脳卒中等の臨床疫学・経済分析
課題番号
H27-政策-戦略-011
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
康永 秀生(東京大学 大学院医学系研究科 公共健康医学専攻臨床疫学・経済学)
研究分担者(所属機関)
  • 國土 典宏(東京大学医学部附属病院 肝胆膵外科学)
  • 田中 栄(東京大学医学部附属病院 整形外科学)
  • 長瀬 隆英(東京大学医学部附属病院 呼吸器内科学)
  • 芳賀 信彦(東京大学医学部附属病院 リハビリテーション医学)
  • 本間 之夫(東京大学医学部附属病院 泌尿器外科学)
  • 山田 芳嗣(東京大学医学部附属病院 麻酔学)
  • 大江 和彦(東京大学大学院医学系研究科 医療情報学)
  • 橋本 英樹(東京大学大学院医学系研究科 保健社会行動学)
  • 松山 裕(東京大学大学院医学系研究科 生物統計学)
  • 小池 創一(自治医科大学 地域医療学)
  • 飯塚 敏晃(東京大学大学院経済学研究科)
  • 後藤 励(慶應義塾大学経営管理研究科)
  • 堀口 裕正(国立病院機構本部総合研究センター診療情報分析部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(臨床研究等ICT基盤構築研究)
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、大規模保健医療データベースを用いて、以下の網羅的・包括的な分析を行うことを目的とする:
(I) 個々の医療技術の効果と費用の分析
(II) 医療サービス提供の量・質および効率性に関する分析
研究方法
Diagnosis Procedure Combination (DPC)データ、医療施設調査データ、JMDCデータ等を利用した。研究組織のコア・メンバーは臨床疫学、医療経済学、医療情報学、生物統計学などの専門家と、臨床各領域の専門家で構成される。若手研究者を多数招き、総勢約200名の研究者による研究体制を敷いた。
結果と考察
複数の領域(運動器、呼吸器、がん、脳卒中など)における下記のリサーチクエスチョン(RQ)を設定した。
<RQ1>診療ガイドライン遵守とアウトカムの関連
<RQ2> ロコモティブ・シンドロームによる入院とADL
<RQ3> 高齢者骨折による入院、ADL・短期予後、入院医療費
<RQ4> 関節リウマチの治療選択や副作用・入院頻度に影響する要因
<RQ5> COPD・喘息・肺炎等の再入院リスク・死亡リスク・超過医療費
<RQ6>がん診療のプロセスおよびアウトカム評価
<RQ7> 脳卒中急性期管理の最適な組み合わせ、施設要因と予後の関連
<RQ8> 敗血症治療の費用効果
<RQ9>院内感染症・術後感染症の疫学
<RQ10>帝王切開手術と麻酔法
<RQ11>手術支援ロボットがもたらす臨床構造の変化
<RQ12>医師以外の職種の働きと患者アウトカムの関連
<RQ13> 救急・ICUにおける治療の効果
<RQ14> 小児疾患のプロセス・アウトカム評価
<RQ15>内分泌疾患のプロセス・アウトカム評価
<RQ16>消化器疾患のプロセス・アウトカム評価
<RQ17>稀少疾患の疫学と診療実態
<RQ18>看護研究
<RQ19>大規模データを用いた医療経済研究
<RQ20> 診療報酬請求データの高度分析

上記に加えて、(i)大規模データを用いた臨床疫学・経済分析におけるデータベース・マネジメント、(ii)国内外の大規模保健医療データベースの運営と利活用の状況、について検討を行った。2年間の研究期間中に約80編の英文原著論文が採択された。
結論
本研究を通じて、医療現場に向けて、エビデンスに基づく医療の推進に寄与する重要な知見を提供できる。さらに医療政策意志決定者に向けて、様々な疾病による社会経済的負担の状況および有効な治療選択による負担軽減の程度を把握し、今後必要となる医療資源投入量を推計し、医療の質の改善や医療費の適正化に向けた政策を立案することに資する重要な資料を提供できる。

公開日・更新日

公開日
2017-06-29
更新日
2018-06-06

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201603001C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本研究は、大規模保健医療データベースを用いて、臨床疫学に関する網羅的・包括的な分析を行った。
臨床疫学、医療経済学、医療情報学、生物統計学と、臨床各領域の専門家で構成される学際的研究組織の基盤を形成した。若手研究者を多数招き、総勢約200名の研究者による研究体制を敷き、複数の領域(運動器、呼吸器、がん、脳卒中など)における20のリサーチクエスチョン(RQ)を設定し、エビデンスを量産した。
臨床的観点からの成果
研究期間の2年間で、臨床疫学に関する81本の英文原著論文を出版した。掲載されたジャーナルは、Stroke, Clinical Infectious Diseases, Crital Care Medicine, American Journal of Clinical Nutrition,Head & Neck, Health Services Researchといった各専門領域のリーディングジャーナルを含む。また、多数の学会発表を行った。
ガイドライン等の開発
ガイドライン等はとくに開発していない。
その他行政的観点からの成果
我々の戦略研究は、個別の研究テーマについて行政の要請に沿って研究を行うというスタイルではない。医療ビッグデータという鉱山からいかに多くの鉱石を効率的かつ大量に掘り出してくるかを考え実践するための研究を行い、実際に論文を量産した。個々の論文が行政の施策や政策に反映されるかどうかは、行政の手腕次第である。
その他のインパクト
2017年2月8日に戦略研究合同フォーラムを東京大学で開催した。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
82件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
32件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Aso S, Matsui H, Fushimi K, et al.
Resuscitative endovascular balloon occlusion of the aorta or resuscitative thoracotomy with aortic clamping for non-compressible torso hemorrhage: a retrospective nationwide study.
J Trauma Acute Care Surg  (2017)
原著論文2
Ishimaru M, Ono S, Suzuki S, et al.
Artificial nutrition dependence after cetuximab versus cisplatin combined with radiotherapy for advanced head and neck cancer: A propensity score-matched analysis.
Head Neck  (2017)
原著論文3
Isogai T, Yasunaga H, Matsui H, et al.
Factors affecting in-hospital mortality and likelihood of undergoing surgical resection in patients with primary cardiac tumors.
J Cardiol  (2017)
原著論文4
Kishimoto M, Yamana H, Inoue S, et al.
Sivelestat sodium and mortality in pneumonia patients requiring mechanical ventilation: propensity score analysis of a Japanese nationwide database.
J Anesth  (2017)
原著論文5
Isogai T, Matsui H, Tanaka H, et al.
Treatments and in-hospital mortality in acute myocardial infarction patients with rheumatoid arthritis: a nationwide retrospective cohort study in Japan.
Clin Rheumatol  (2017)
原著論文6
Maeda T, Sasabuchi Y, Matsui H, et al.
Safety of tranexamic use in pediatric cardiac surgery: a nationwide database study.
J Cardiothorac Vasc Anesth  (2017)
原著論文7
Matsui H, Jo T, Fushimi K, et al.
Outcomes after early and delayed rehabilitation for exacerbation of chronic obstructive pulmonary disease: a nationwide retrospective cohort study in Japan.
Respir Res  (2017)
原著論文8
Morita K, Matsui H, Fushimi K, et al.
Association between nurse staffing and in-hospital bone fractures: a retrospective cohort study.
Health Serv Res  (2017)
原著論文9
Odagiri H, Yasunaga H, Matsui H, et al.
Hospital volume and adverse events following esophageal endoscopic submucosal dissection in Japan.
Endoscopy  (2017)
原著論文10
Ono Y, Ono S, Yasunaga H, et al.
Clinical features and practice patterns of treatment for adrenal crisis: a nationwide cross-sectional study in Japan.
Eur J Endocrinol  (2017)
原著論文11
Ono Y, Ono S, Yasunaga H, et al.
Clinical characteristics and outcomes of myxedema coma: analysis of a national inpatient database in Japan.
J Epidemiol  (2017)
原著論文12
Tagami T, Matsui H, Moroe Y, et al.
Antithrombin use and 28-day in-hospital mortality among severe-burn patients: an observational nationwide study.
Ann Intensive Care  (2017)
原著論文13
Yagi M, Yasunaga H, Matsui H, et al.
Impact of rehabilitation on outcomes in patients with ischemic stroke: a nationwide retrospective cohort study in Japan.
Stoke  (2017)
原著論文14
Suzuki S, Yasunaga H, Matsui H, et al.
Cerebral infarction after intraarterial and intravenous chemoradiotherapy for head and neck cancer: A retrospective analysis using a Japanese inpatient database.
Head Neck  (2016)
原著論文15
Tagami T, Matsui H, Fushimi K, et al.
Prophylactic antibiotics may improve outcome in patients with severe burns requiring mechanical ventilation: propensity score analysis of a Japanese nationwide database.
Clin Infect Dis  (2016)
原著論文16
Tagami T, Matsui H, Fushimi K, et al.
Changes in therapeutic hypothermia and coronary intervention provision and in-hospital mortality of patients with out-of-hospital cardiac arrest: a nationwide database study.
Crit Care Med  (2016)
原著論文17
Tagami T, Matsui H, Ishinokami S, et al.
Amiodarone or nifekalant upon hospital arrival for refractory ventricular fibrillation after out-of-hospital cardiac arrest.
Resuscitation  (2016)
原著論文18
Wada T, Yasunaga H, Horiguchi H, et al.
Outcomes of argatroban treatment in patients with atherothrombotic stroke: observational nationwide study in Japan.
Stroke  (2016)
原著論文19
Yamana H, Horiguchi H, Fushimi K, et al.
Comparison of procedure-based and diagnosis-based identifications of severe sepsis and disseminated intravascular coagulation in administrative data.
J Epidemiol  (2016)
原著論文20
Isogai T, Yasunaga H, Matsui H, et al.
Early β-blocker use and in-hospital mortality in patients with Takotsubo cardiomyopathy.
Heart  (2016)

公開日・更新日

公開日
2021-07-14
更新日
-

収支報告書

文献番号
201603001Z