GMP,QMS,GTP及び医薬品添加剤のガイドラインの国際整合化に関する研究

文献情報

文献番号
201523025A
報告書区分
総括
研究課題名
GMP,QMS,GTP及び医薬品添加剤のガイドラインの国際整合化に関する研究
課題番号
H26-地球規模A-指定-004
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
櫻井 信豪(独立行政法人医薬品医療機器総合機構 品質管理部)
研究分担者(所属機関)
  • 檜山行雄(国立医薬品食品衛生研究所)
  • 坂本知昭(国立医薬品食品衛生研究所)
  • 木嶋敬二(日本医薬品添加剤協会)
  • 宮本裕一(埼玉医科大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
2,750,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医薬品(GMP)、医療機器(QMS)、再生医療等製品(GTP)、医薬品添加剤の各分野の製造管理や品質管理の基準は、薬事規制の中でも流通段階での使用者の安全を直接的に確保するために、それぞれの製造者にとって極めて重要なものである。これらの管理手法や技術的側面の進展は目まぐるしく、継続的な検討と行政側からの提示が求められる。このように、本研究成果は、最終的に省令改正、課長通知発出等を目指すものであり、行政として必須であり、独創性も高い研究である。
研究方法
各分野の研究方法は以下のとおり。
【GMP関連】
研究代表者の過去3年間の研究により、国際的なGMP査察協力組織(PIC/S)のGMPガイドラインの国内GMPガイドラインへの取り込みを実施してきた。今後も継続的に改訂が進行するこのPIC/SGMPガイドラインをフォローし、製造者に提示していく。その中で、わが国特有な品質確保の方法については、PIC/S側へ提案し、国際的なGMPガイドラインに包括されるよう働きかける。その過程で、製造所が抱える運用上の問題点を抽出し、管理モデル等のモック作成を検討することで製造所への国際標準の浸透を図る。
【QMS関連】
平成25年の改正薬事法において示されている国際整合度を高めたQMS規制の施行を見据え、本来のISO13485の趣旨を反映した品質管理監督システムの構築のあり方を提案し、その定着を推進することを目的とする。そのため、想定される多種多様なビジネス形態ごとの製造所の管理監督形態に対する調査を行った上で、実態に即した国際整合の考えを取り入れた品質管理監督システムの構築のあるべき姿を議論し、必要な提案を行う。
【GTP関連】
平成26年度に医薬品医療機器法及び再生新法が施行され、我が国において製造販売・使用される再生医療等製品/細胞加工物の製造管理及び品質管理に対する規制が、新たに講じられることとなった。本研究では、上記規制の運用等において、海外規制当局による関連規制及び国際基準の内容及び運用に係る知見等を提供し、さらにPIC/SGMPガイドラインをはじめとする国際基準の改訂動向を踏まえた国際整合性確保・維持に必要な知見等を提供する。
【医薬品添加剤関連】
米国や欧州では既に医薬品添加剤の品質確保に関し規定があるものの、国内には明確な基準が存在しない。これを研究し、明確な基準作成することで医薬品添加剤メーカーへの周知、及び最終的に国内流通する医薬品添加剤の品質確保を図る。
結果と考察
医療機器の制度改正と再生医療等製品の早期承認制度等を鑑みた薬事法の改正(医薬品医療機器法)や再生医療の安全性確保を主眼とした法律(再生新法)が平成26年度に施行された。本研究では、法施行後の運用を円滑に実施するために、業界団体等と共に、実態把握のためのアンケートや事例研究、モック作成を行った。また、厚労省とともに通知類を発出した。一方、GMPに関しては研究代表者が実施した平成23年度~25年度の厚労科研の成果により、国際レベルの規制を達成した。その過程において、実態把握のためのアンケートを行ったほか、PIC/SのGMPガイドラインの改定案作成に協力した。また、医薬品添加剤分野は業界の自主規制改定案及びQ&A案を厚労省に提示した。以上のように、本研究がカバーする医薬品、医療機器、再生医療等製品(及び特定細胞加工物)、医薬品添加剤の各分野において、当初計画どおり遂行することができた。
結論
医薬品、医療機器、再生医療等製品、医薬品添加剤の製造は、いずれも世界各国で行われ、グローバルな製造管理及び品質管理の基準が作成され、技術の進歩等による改訂作業も絶えず行われている。我が国の基準に最新のグローバル基準を取り込むことはもちろん重要であるが、逆に我が国から諸外国へ基準案を提案しグローバル基準作成に貢献することも必要である。この活動を継続的に実施することは、流通する製品の品質保証や品質確保に直結し、最終的に使用者の安心、安全を高めることができる。これは行政の大切な役割である。各々の製造者の状況は様々であり、十分なリソースが確保されている場合もあれば、そうで無い場合もある。本研究ではなるべく中小の企業にもグローバル基準が浸透するよう考慮し、事例等の策定にも並行して取り組んでいきたいと考える。このように業界全体の底上げを進めると共に、間接的に国内製品の海外輸出にも貢献できると考えている。

公開日・更新日

公開日
2016-07-01
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2017-01-20
更新日
-

収支報告書

文献番号
201523025Z