高齢者等における薬物動態を踏まえた用法用量設定手法の検討に関する研究

文献情報

文献番号
201523019A
報告書区分
総括
研究課題名
高齢者等における薬物動態を踏まえた用法用量設定手法の検討に関する研究
課題番号
H27-医薬-指定-013
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
秋下 雅弘(東京大学 医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 斉藤 和幸(国立成育医療研究センター 開発企画部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
1,693,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
高齢者領域では、高齢者の効果的で安全な用法用量を決定するにあたり、薬物の使用開始時に一般成人量より用量を変更して使用を開始すべきかどうか、現状につき調査を行う目的で、高齢者における薬物療法ガイドラインにおける適正用量の推奨や高齢者における薬物使用に関わるランダム化比較試験での低用量での有効性や安全性のエビデンスにつき、文献的に調査を行った。小児領域においては、生体機能の特徴を踏まえ、製剤の開発段階における用法用量設定の検討、小児を対象とした医薬品の臨床評価等への応用が必要である。具体的には、製薬企業の小児開発へのモチベーションを向上させるため、用法用量設定における小児の生体機能の特徴を踏まえた検討や成人における薬物動態データの利用性の検討等、小児を対象とした医薬品の臨床評価等への応用を目的とする。
研究方法
高齢者薬物療法に関する国内外の最新ガイドラインと用量設定による効果と安全性を評価したランダム化比較試験を抽出した。小児領域では、国内外の規制当局が発出している通知等、ICHで合意されたガイダンス、あるいは小児関係学会等のガイドラインなどを中心に、小児に対する用法用量の設定に関する内容を調査し、現状の把握を行った。
結果と考察
高齢者領域のガイドラインでは、アスピリン(出血リスク)、ジゴキシン(ジゴキシン中毒のリスク)、経口鉄剤(高用量で効果増大が確認できない)に加えて、ベンゾジアゼピン系睡眠薬・抗不安薬、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬、ループ利尿薬、アルドステロン拮抗薬、H2受容体拮抗薬、チアゾリジン薬、ムスカリン受容体拮抗薬の使用を低用量にとどめるよう記載されていた。文献検索では、降圧薬の組み合わせ、リスペリドンなどの抗精神病薬、スタチン、ビタミンD製剤に関して用量の注意を促す論文が複数みられた。小児領域では、ICHガイダンス(E11)及び厚生労働省通知)、FDAガイダンス、EMAガイダンス、厚生労働科学研究費補助金事業で用量設定に関する記載がみられた。

結論
高齢者においても用量調整に関しデータに裏付けられた臨床試験を行い、用量調節の有効性・安全性に関しての情報収集が必要であることが示唆された。小児用医薬品の開発及び臨床評価に関しても、さらに小児用法・用量の設定根拠などを審査報告書から調査する必要がある。

公開日・更新日

公開日
2016-06-07
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2016-12-20
更新日
-

収支報告書

文献番号
201523019Z