エコチル調査を活用した脳性麻痺発生率等に関する調査

文献情報

文献番号
201520045A
報告書区分
総括
研究課題名
エコチル調査を活用した脳性麻痺発生率等に関する調査
課題番号
H27-医療-指定-013
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
橋本 圭司(国立研究開発法人国立成育医療研究センター 発達評価センター、臓器・運動器病態外科部リハビリテーション科)
研究分担者(所属機関)
  • 新田 裕史(独立行政法人国立環境研究所 環境健康研究センター)
  • 目澤 秀俊(国立研究開発法人国立成育医療研究センター アレルギー科)
  • 上出 杏里(後藤 杏里)(国立障害者リハビリテーションセンター 病院第一診療部)
  • 山内 裕子(国立研究開発法人国立成育医療研究センター 発達評価センター)
  • 梅原 永能(国立研究開発法人国立成育医療研究センター 周産期母性診療センター)
  • 中山 祥嗣(独立行政法人国立環境研究所 環境健康研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
4,171,000円
研究者交替、所属機関変更
所属機関異動 研究分担者 上出 杏里(後藤 杏里) 国立研究開発法人国立成育医療研究センター(平成27年4月1日~27年12月31日)→国立障害者リハビリテーションセンター(平成28年1月1日以降)

研究報告書(概要版)

研究目的
研究の目的は、環境省の事業として実施されている「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」を活用し、在胎週数別・出生体重別脳性麻痺の発生数や発生原因の分析により当該制度の補償対象となる重度脳性麻痺児数の推計を行うことである。
研究方法
平成26年度の本研究班では、エコチル調査で収集されている質問票等のデータに基づいて、脳性麻痺、特に産科医療補償制度の対象となる重度脳性麻痺の発生率に関する検討を行った。この結果、エコチル調査が有用なデータベースであると考えられたが、推計にあたっては、エコチル調査が現在進行中の調査であり、データ固定が完了していないこと、統計学的誤差や調査方法が関わる不確実性、産科医療補償制度の対象となり得るか否かを判断するには追加的な情報が必要であることなど、種々の要因を考慮する必要があると考えられた。
 本年度は、平成23年度~27年度に出生したエコチル調査参加児について、脳性麻痺児の発生率について検討した。
 研究方法は、平成23年~27年に出生したエコチル調査参加児について、1歳児調査票及び3・4・5歳時調査票において「脳性麻痺」との回答を得た事例について、児の分娩機関及び医療機関の診療録等から分娩時のデータ及び現在の肢体不自由の程度等の情報を把握した。
結果と考察
結果、2016年1月30日現在で、エコチル調査参加者の中で、2011年出生が9.684人、2012年出生が28.218人、2013年出生が35.591人、2014年出生が26.652人で、全体が100.145人であった。上記参加者の内、質問票にて「脳性麻痺」を選択されていた人数は62人であった。昨年度の報告より38人増えている。各対象者の出生年は、2011年出生が21人、2012年出生が17人、2013年出生が16人、2014年出生が8人であった。
脳性麻痺発生率は、母数を1歳質問票回収数とすると、対象者全体で0.34、母数を3歳質問票回収数とすると、2011年、2012年出生のみとなるが、対象者全体で1.87、0.73、母数を4歳質問票回収数とすると、2011年出生のみとなるが、対象者全体で3.05であった。
 今後エコチル調査の参加者が成長するに従いより正確な人数の抽出を行い、発生率を正確に算出できていく可能性がある。ただし、コホートの性質として重症度が高い人ほど脱落しやすい傾向がある。そのため、出生時の情報での比較を今後行っていく必要がある。また、追加調査にて情報収集を行ったが既存の質問票に追加して得られる情報はわずかであった。
結論
エコチル調査の参加者年齢が徐々に高くなり、登録数が増加している。正確な人数を想定するためには、エコチル調査参加者が5歳になるまでのフォローアップが必要である。

公開日・更新日

公開日
2017-05-25
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2017-05-25
更新日
-

収支報告書

文献番号
201520045Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
4,381,000円
(2)補助金確定額
4,381,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,872,880円
人件費・謝金 93,810円
旅費 1,224,868円
その他 979,442円
間接経費 210,000円
合計 4,381,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2017-05-25
更新日
-