医療安全の向上のための医療従事者を対象にした普及啓発の効果測定に関する研究

文献情報

文献番号
201520021A
報告書区分
総括
研究課題名
医療安全の向上のための医療従事者を対象にした普及啓発の効果測定に関する研究
課題番号
H27-医療-一般-007
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
長谷川 友紀(東邦大学 医学部 医学科 社会医学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 飯田 修平((公社)全日本病院協会)
  • 永井 庸次((株)日立製作所ひたちなか総合病院)
  • 嶋森 好子(東京都看護協会)
  • 藤田 茂(東邦大学 医学部 医学科 社会医学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
3,325,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、日本医療機能評価機構等の提供する医療安全に関する情報について、病院の規模や機能、または医療従事者の職種や経験年数別にその浸透・共有状況を明らかにし、それらの情報の普及啓発が十分でない対象を把握し、必要な支援策を検討する。また、それらの情報を効果的に浸透・共有させるのに有効な院内の情報の周知方法を特定し、それらの情報提供を効果的に実施することで、医療従事者の医療安全文化あるいは医療の質と安全にどのような効果を与えるかを検証する。
研究方法
病院レベルでの情報提供体制の現況を明らかにするため、平成27年8月から9月にかけて、病床規模により無作為に層化抽出した3,270病院を対象とした郵送法によるアンケート調査を実施し、病院の医療安全管理の体制、医療安全情報の提供方法・頻度・効果の有無、医療事故とヒヤリ・ハットの報告・分析・利用方法、重大な医療事故の経験、2年目の調査の協力の意向等を明らかにした。
また、医療従事者が外部機関の発信する医療安全情報を入手する頻度、情報の入手元の機関、過去に発信された情報に関する知識の有無、それらの情報の共有方法などを明らかにする調査票を開発し、平成27年11月から12月にかけて、研究代表者らが任意に選択した9病院の医療従事者664名を対象とした予備調査を実施した。
結果と考察
病院を対象とした調査では、院内で利用している医療安全情報は、1位が日本医療機能評価機構の医療安全情報(88%)、2位が厚生労働省の医薬品・医療機器等安全性情報(79%)、3位が医薬品医療機器総合機構の医薬品に関する緊急安全性情報および安全性速報(77%)であること等が明らかになった。いずれの医療安全情報も、病床規模の大きい病院ほど利用している割合が高かった。院内で利用する医療安全情報を選択するうえで重視する項目は、1位が「自院でも起こり得る事例について解説されている」(85%)、2位が「事例が具体的に記載してある」(73%)、3位が「院内の教育・研修に使用できる」(61%)であった。
医療従事者を対象とした予備調査では、各病院の調査対象者、回答者から調査票に対する意見を収集し、得られた意見に基づき、調査票の設問の追加、削除、修正をした。
結論
病院を対象とした調査では、各種の医療安全情報のうち、日本医療機能評価機構の発行する医療安全情報がもっとも病院の中で利用されていた。今後は、得られたデータの解析をさらに進める必要がある。

公開日・更新日

公開日
2017-05-25
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201520021Z