歯科専門職の資質向上を実現するために具有すべき条件に関する研究

文献情報

文献番号
201520010A
報告書区分
総括
研究課題名
歯科専門職の資質向上を実現するために具有すべき条件に関する研究
課題番号
H26-医療-一般-015
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
西原 達次(九州歯科大学)
研究分担者(所属機関)
  • 福泉 隆喜(九州歯科大学 )
  • 田上 順次(東京医科歯科大学)
  • 荒木 孝二(東京医科歯科大学)
  • 前田 健康(新潟大学)
  • 藤井 規孝(新潟大学)
  • 一戸 達也(東京歯科大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
1,336,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 世界的にもまれに見る高齢社会を迎えた我が国において、様々な基礎疾患等を有する高齢の患者等に対応できる歯科医療人の育成など、歯科医師に求められる資質が変化している。一方、歯学部入学定員割れや入学者の偏差値の低下などの社会的情勢の変化に伴い、歯科医師の資質向上という視点で、学部教育、歯科医師国家試験、歯科医師臨床研修、生涯研修という、歯科医師のキャリアパスに沿った継続的なスキルアップを図る必要がある。
 そこで、本研究においては、平成26年度に引き続き、今年度も、卒業前の学部教育におけるCBTなどの成績から、国試にいたるまで、それぞれのステージの現況を示す各種の指標を調査し、歯科医師養成課程並びに歯科医師の資質向上に関する課題を明らかにすることを目的とした。
研究方法
 公立歯科大学1校、国立大学歯学部11校、私立歯科大学1校、計13校を対象とし、国試の合否によって層別化した上記の学生のCBTの成績のうち、①全体正答率、②基礎分野(現コアカリC及びD領域)の正答率、③総得点に対する基礎分野(現コアカリC及びD領域)の得点の構成割合について、国試合格群と国試不合格群の差異を比較した。両群間で、平均値及び標準偏差の比較並びに有意差の検定を行った。有意差の検定には、対応のないt検定を用いた。
 また、歯科医師のキャリアパスに沿った一連の流れの中で、継続的なスキルアップを図るために必要である生涯研修について、我が国の全ての国公私立歯科大学・歯学部(29校)を対象として、郵送法による自記式アンケートによって、その実施状況を調査した。
結果と考察
 歯科医師国家試験の合否で層別化した場合、歯科医師国家試験の合格者におけるCBTの総得点及び基礎領域の得点が、不合格者のそれより有意に高いことを明らかにした。また、歯科医師国家試験の合格者におけるCBTの総得点に占める基礎領域の得点の構成割合は、不合格者のそれと比較して、有意差がないことなどが明らかとなった。
 また、歯科医師のキャリアパスに沿った一連の流れの中で、継続的なスキルアップを図るために必要である生涯研修について、歯科大学・歯学部における実施状況を調査した。その結果、歯科大学・歯学部における生涯研修は、国公立と私立とで、その実施状況に若干の相違が見られることが明らかとなった。
結論
 本研究のような視点で、歯科医師の資質の担保と維持・向上に関する現状と課題を明らかにすることは、我が国の歯科保健医療施策に対して重要な指標を提供するものであることが明らかとなった。

公開日・更新日

公開日
2018-06-18
更新日
-

研究報告書(PDF)

文献情報

文献番号
201520010B
報告書区分
総合
研究課題名
歯科専門職の資質向上を実現するために具有すべき条件に関する研究
課題番号
H26-医療-一般-015
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
西原 達次(九州歯科大学)
研究分担者(所属機関)
  • 福泉 隆喜( 九州歯科大学 )
  • 田上 順次(東京医科歯科大学)
  • 荒木 孝二(東京医科歯科大学)
  • 前田 健康(新潟大学)
  • 藤井 規孝(新潟大学)
  • 一戸 達也(東京歯科大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 歯学部入学定員割れや入学者の偏差値の低下などの社会的情勢の変化に伴い、歯科医師の資質向上という視点で、学部教育、歯科医師国家試験(以下、国試という。)、歯科医師臨床研修、生涯研修など、歯科医師のキャリアパスに沿った継続的なスキルアップを図る必要がある。
 そこで、今年度、本研究においては、卒業前の学部教育におけるCBTなどの成績から、国試にいたるまで、それぞれのステージの現況を示す各種の指標を調査し、歯科医師養成課程並びに歯科医師の資質向上に関する課題を明らかにすることを目的とした。また、あわせて歯科医師のキャリアパスに沿った一連の流れの中で、継続的なスキルアップを図るために必要である生涯研修について、その実施状況を調査することとした。
研究方法
 平成26年度は4校、平成27年度は13校の歯科大学・歯学部を対象とし、国試の合否によって層別化した学生のCBTの成績のうち、①全体正答率、②基礎分野(現コアカリC及びD領域)の正答率、③総得点に対する基礎分野(現コアカリC及びD領域)の得点の構成割合について、国試合格群と国試不合格群の差異を比較した。両群間で、平均値及び標準偏差の比較並びに有意差の検定を行った。有意差の検定には、対応のないt検定を用いた。
 また、国試出題基準(平成26年版)のうち、いわゆる「衛生」分野を除く基礎領域について、歯学教育モデル・コア・カリキュラム(平成22年度改訂版)においてフォローされているか、両者を突合して確認した。
 さらに、歯科医師が継続的なスキルアップを図るために必要である生涯研修について、我が国の全ての国公私立歯科大学・歯学部(29校)を対象として、郵送法による自記式アンケートによって、その実施状況を調査した。
結果と考察
 歯科医師国家試験の合否で層別化した場合、歯科医師国家試験の合格者におけるCBTの総得点及び基礎領域の得点が、不合格者のそれより有意に高いことを明らかにした。また、歯科医師国家試験の合格者におけるCBTの総得点に占める基礎領域の得点の構成割合は、不合格者のそれと比較して、有意差がないことなどが明らかとなった。また、CBTで基礎分野の基礎知識を確認することができれば、必ずしも国試で当該分野の知識を現在の問題数で改めて確認する必要性は高くないことが推察された。ただし、一部の項目については、CBTでフォローされていない項目も認められたため、この部分に関する早期の対応が必要と思われた。
 さらに、生涯研修の実施状況を調査した結果、歯科大学・歯学部における生涯研修は、国公立と私立とで、その実施状況に若干の相違が見られることが明らかとなった。
結論
 本研究のような視点で、歯科医師の資質の担保と維持・向上に関する現状と課題を明らかにすることは、我が国の歯科保健医療施策に対して重要な指標を提供するものであることが明らかとなった。

公開日・更新日

公開日
2018-06-18
更新日
-

研究報告書(PDF)

行政効果報告

文献番号
201520010C

収支報告書

文献番号
201520010Z