周産期医療と他領域との効果的な協働体制に関する研究

文献情報

文献番号
201520003A
報告書区分
総括
研究課題名
周産期医療と他領域との効果的な協働体制に関する研究
課題番号
H26-医療-一般-004
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
池田 智明(三重大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 金山 尚裕(浜松医科大学 産婦人科学)
  • 有賀 徹(昭和大学医学部付属病院)
  • 宮本 享(京都大学 医学研究科脳神経外科学)
  • 丹羽 公一郎(聖路加国際病院心血管センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
4,577,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 現在の母体安全の問題として、未だに産科出血が減少していないことが第一に挙げられる。妊産婦死亡の約30%が産科出血により起こっている。先進諸国で出血が多いのはわが国とフランスのみである。第二に、脳出血と心臓病という一般疾患の合併、すなわち間接産科的死亡が死亡全体の40%以上と徐々に増加してきた。これは妊産婦の高齢化が関連しているものと考えられるが、その重要性は今後、益々大きくなっていくものと予測される。
 このような状態で、最も重要なことは、産婦人科以外の診療科と協力していくことである。これまで産婦人科医療は自己完結的であったが、今後、他科との連携を有機的、効率的にはかることが重要である。例えば、産科出血には救急医、脳出血には脳神経外科、心臓病には循環器科を中心とした連携が必要である。本研究の目的は母体安全のために、救命救急、内科系、外科系診療科とより良い協力体制を確立することである。
研究方法
1.妊産婦死亡時の剖検と病理検査の指針作成に関する研究:妊産婦死亡に対する剖検マニュアル作成委員会にて産婦死亡の剖検例について 病理医師間で共通の知識、認識を持つ目的で、全国から病理医を招聘し病理カンファランスを昨年度に引き続き開催し、妊産婦死亡でもっとも頻度の高い疾患である羊水塞栓症につい昨年病理診断指針を作成と検証、剖検マニュアルの改訂版の素案の作成を行った。2.周産期医療体制と救急医療体制の整備に関する研究:母体救命システム普及協議会を立ち上げ、母体救急教育コースの普及を目指した。3.周産期医療と他領域との効果的な協働体制に関する研究(日本脳卒中学会による全国妊産婦脳卒中悉皆調査):平成24年1月1日から平成25年12月31日までの2年間に, 日本脳卒中学会認定研修教育病院(736施設)において診療を受けた, 妊娠中, 分娩時, 産褥期(分娩後42日以内)の脳卒中患者について調査した。4.我が国における先天性心疾患の妊娠出産の実態に関する研究:全国の産科取り扱い施設(100床以上のベッドを持つ総合病院)を対象に、全体の妊娠出産数と心疾患患者の妊娠出産数を質問票により調査した。質問は、心疾患として、先天性心疾患、不整脈、弁膜症、大動脈疾患、心筋症などに分類した。また、これらの結果を,先天性心疾患の妊娠出産に関する文献報告と比較検討した。
結果と考察
1.妊産婦死亡時の剖検と病理検査の指針作成に関する研究:妊産婦死亡に対する剖検マニュアル作成委員会にて産婦死亡の剖検例について 病理医師間で共通の知識、認識を持つ目的で、全国から病理医を招聘し病理カンファランスを昨年度に引き続き開催し、妊産婦死亡でもっとも頻度の高い疾患である羊水塞栓症につい昨年病理診断指針を作成と検証、剖検マニュアルの改訂版の素案の作成を行った。2.周産期医療体制と救急医療体制の整備に関する研究:母体救命システム普及協議会を立ち上げ、母体救急教育コースの普及を目指した。3.周産期医療と他領域との効果的な協働体制に関する研究(日本脳卒中学会による全国妊産婦脳卒中悉皆調査):平成24年1月1日から平成25年12月31日までの2年間に, 日本脳卒中学会認定研修教育病院(736施設)において診療を受けた, 妊娠中, 分娩時, 産褥期(分娩後42日以内)の脳卒中患者について調査した。4.我が国における先天性心疾患の妊娠出産の実態に関する研究:全国の産科取り扱い施設(100床以上のベッドを持つ総合病院)を対象に、全体の妊娠出産数と心疾患患者の妊娠出産数を質問票により調査した。質問は、心疾患として、先天性心疾患、不整脈、弁膜症、大動脈疾患、心筋症などに分類した。また、これらの結果を,先天性心疾患の妊娠出産に関する文献報告と比較検討した。
結論
脳血管疾患、循環器疾患合併妊娠の実態が明らかとなった。また、羊水塞栓周夫の診断基準が明確化された。母体救急に関しては、母体救命システム普及協議会が立ち上がり、母体救命の更なる飛躍が期待される。

公開日・更新日

公開日
2017-01-26
更新日
-

研究報告書(PDF)

文献情報

文献番号
201520003B
報告書区分
総合
研究課題名
周産期医療と他領域との効果的な協働体制に関する研究
課題番号
H26-医療-一般-004
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
池田 智明(三重大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
-
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究報告書(PDF)

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2016-12-20
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201520003C

収支報告書

文献番号
201520003Z