文献情報
文献番号
199800514A
報告書区分
総括
研究課題名
各種動物におけるズーノーシス病原体の保有実態
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成10(1998)年度
研究代表者(所属機関)
源 宣之(岐阜大学)
研究分担者(所属機関)
- 飯田 孝(東京都立衛生研究所)
- 高山直秀(東京都立駒込病院)
研究区分
厚生科学研究費補助金 先端的厚生科学研究分野 新興・再興感染症研究事業
研究開始年度
平成10(1998)年度
研究終了予定年度
-
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
高度に医療技術の発達した今日でさえ,完全に撲滅できた感染症は天然痘の外ない。
天然痘の自然宿主は人であり,ワクチン接種を行うことにより人から人への感染環を立ち切ることに
よって本病の根絶に成功した。一方,その他の感染症の場合,それらの病原体の本来の宿主が十分に
解明されておらず,人や家畜での感染防御では病原体の抜本的排除に至っていないことを物語ってい
る。したがって,病原体の自然宿主の特定,換え言すれば,病原体の自然界における感染環,生態を
解明することは感染症の撲滅にとってきわめて重要なことと言える。そこで,本研究では新興・再興
感染症の主体をなすと考えられる各種ズーノーシス病原体の感染環を明らかにすることを目的に,野
生動物や検疫対象外の愛玩動物におけるツツガムシ病リケッチャ,狂犬病ウイルスおよび細菌(サル
モネラ,大腸菌0157など)の保有状況を血清学的あるいは病原学的に調査する。すなわち,まず
第一に,最近発生が全国的に拡大されているツツガムシ病リケッチャの大都会における侵淫状況をそ
こに生息しているドブネズミの抗体調査およびリケッチャ遺伝子の検出から調べる。第二に,我が国
における狂犬病ウイルスの保有の有無を,疑わしいあるいは原因不明の神経症状を示した種々の動物
を積極的に探し出してウイルス学的検査を実施して調べる。
天然痘の自然宿主は人であり,ワクチン接種を行うことにより人から人への感染環を立ち切ることに
よって本病の根絶に成功した。一方,その他の感染症の場合,それらの病原体の本来の宿主が十分に
解明されておらず,人や家畜での感染防御では病原体の抜本的排除に至っていないことを物語ってい
る。したがって,病原体の自然宿主の特定,換え言すれば,病原体の自然界における感染環,生態を
解明することは感染症の撲滅にとってきわめて重要なことと言える。そこで,本研究では新興・再興
感染症の主体をなすと考えられる各種ズーノーシス病原体の感染環を明らかにすることを目的に,野
生動物や検疫対象外の愛玩動物におけるツツガムシ病リケッチャ,狂犬病ウイルスおよび細菌(サル
モネラ,大腸菌0157など)の保有状況を血清学的あるいは病原学的に調査する。すなわち,まず
第一に,最近発生が全国的に拡大されているツツガムシ病リケッチャの大都会における侵淫状況をそ
こに生息しているドブネズミの抗体調査およびリケッチャ遺伝子の検出から調べる。第二に,我が国
における狂犬病ウイルスの保有の有無を,疑わしいあるいは原因不明の神経症状を示した種々の動物
を積極的に探し出してウイルス学的検査を実施して調べる。
研究方法
1)ツツガムシ病リケッチャについては,名古屋市の都市地域に生息するドブネズミにおけるツツガ
ムシリケッチャに対する抗体と脾臓からの遺伝子の検出を行う。検体は過去10年間に亘り収集し,
保存しておいたものと現在収集中の材料である。材料の採集は名古屋市生活衛生センターの協力で行われ
ている。抗体調査は間接蛍光抗体法で,リケッチャ遺伝子は56kDタンパク質をコードする遺伝子をPCR
で増幅し検出する。
2)狂犬病については,我が国の主要な都市で開業している獣医師との間に連絡網を構築して,狂犬
病が疑われるイヌ,ネコ,コウモリなどの症例があれば,直ちに分担研究者高山に連絡すると同時に,
採取した検体を大分医科大学実験動物施設に送付し,送付された検体については,研究協力を依頼し
た大分医科大学万年和明助教授が逆転写PCR(RT-PCR)によって狂犬病ウイルス遺伝子を狂犬病を疑う
動物の脳組織から検出する。今回は少年の手を噛んだ飼育中のコウモリの材料で行った。
3)東京都内のペットショップで販売されている,または家庭で飼育されているフェレット,プレ
リードッグ,ハムスターなどの糞便及び飼育環境から主にサルモネラ,大腸菌O157などの病原菌の検
索を菌の培養とPCRにより行なった。
ムシリケッチャに対する抗体と脾臓からの遺伝子の検出を行う。検体は過去10年間に亘り収集し,
保存しておいたものと現在収集中の材料である。材料の採集は名古屋市生活衛生センターの協力で行われ
ている。抗体調査は間接蛍光抗体法で,リケッチャ遺伝子は56kDタンパク質をコードする遺伝子をPCR
で増幅し検出する。
2)狂犬病については,我が国の主要な都市で開業している獣医師との間に連絡網を構築して,狂犬
病が疑われるイヌ,ネコ,コウモリなどの症例があれば,直ちに分担研究者高山に連絡すると同時に,
採取した検体を大分医科大学実験動物施設に送付し,送付された検体については,研究協力を依頼し
た大分医科大学万年和明助教授が逆転写PCR(RT-PCR)によって狂犬病ウイルス遺伝子を狂犬病を疑う
動物の脳組織から検出する。今回は少年の手を噛んだ飼育中のコウモリの材料で行った。
3)東京都内のペットショップで販売されている,または家庭で飼育されているフェレット,プレ
リードッグ,ハムスターなどの糞便及び飼育環境から主にサルモネラ,大腸菌O157などの病原菌の検
索を菌の培養とPCRにより行なった。
結果と考察
1)名古屋市に棲息するドブネズミにおけるツツガムシ病リケッチャの保有状況:
ドブネズミにおけるKarp, KatoおよびGilliam株に対するIFA抗体価はいずれの株に対する抗体価の
分布も40倍を底とする二峰性を示したことから,抗体陽性限界を80倍とした。ドブネズミ959例のうち,
いずれかの株で抗体陽性を示したのは22.9%であった。IFA抗体価が160倍以上の血清の66.7%がKarp株
の特異蛋白をウエスタンブロットで検出し得たこと,また一部のIFA抗体陽性血清から中和抗体も検出
されたことから,今回測定されたIFA抗体はきわめて特異性の高いことが伺われた。血清採取月別の抗
体陽性率は秋から春にかけて高い群と春から夏にかけて高い群とがあり,それらの地域に棲息するツ
ツガムシの種類が反映しいているものと考えられた。抗体陽性率は中川区や北区などの西部地区と東
部丘陵沿いに位置する昭和区で高い傾向が認められたが,抗体は名古屋市全域で確認された。しかし,
これまでのところPCRによるリケッチャ遺伝子は検出されていない。これは材料の採取時期に問題があ
るのかもしれない。以上の成績から,名古屋市のドブネズミにおいてツツガムシ病リケッチャが広く
侵淫しているものと思われた。
2)我が国に棲息しているコウモリからの狂犬病ウイルス検出の試み
自宅に迷い込んだコウモリを捕獲して虫かごに入れておいたところ,少年が虫かごに手を触れてコ
ウモリに左示指を咬まれた。咬み傷から出血したため近医を受診して,傷の手当と破傷風トキソイド
の接種を受けた。看護婦である母親が狂犬病を心配して東京都立駒込病院小児科高山に電話で問い合
わせてきた。これに対して,これまで日本国内のコウモリから狂犬病ウイルスが分離されたことはな
いので,加害コウモリが国産のコウモリであることが証明できれば,狂犬病ワクチン接種による曝露
後発病予防は必要がないが,コウモリは検疫の対象外なので,外国から合法的ないし非合法的に国内
に持ち込まれたコウモリであれば,狂犬病の危険を否定できない。したがって,まず捕獲してあるコ
ウモリの種類を確定するべきであると説明した。母親は数カ所の動物園に電話で問い合わせたのち,
種類を鑑別できそうな動物園にコウモリを持ち込んで鑑定を依頼した。しかし,動物園でもコウモリ
の鑑別同定できなかったため,当院を受診した。加害コウモリが外国由来のコウモリであることを否
定できない以上,咬傷被害者の安全のため,狂犬病曝露後発病予防を実施することにし,同時にコウ
モリの脳に狂犬病ウイルスがいるか否かの検索を行った。
コウモリの脳組織をRT-PCRで検査したところ,狂犬病ウイルスRNAは陰性であった。RT-PCRの陰性結
果報告が届いたため,少年に対して行っていたニワトリ胚細胞由来狂犬病不活化ワクチン接種による
狂犬病曝露後免疫を4回目のワクチン接種を行って終了とした。その後少年は健康に過ごしている。
現在まで日本をはじめ東南アジアにいるコウモリから狂犬病ウイルスは分離されていないが,南北
アメリカ大陸に棲むコウモリの一部は古典的狂犬病ウイルスを保有しており,こうしたコウモリに咬
まれて狂犬病を発病した症例が米国では年平均3例弱報告されている。またコウモリが生息する洞窟
に調査に入った研究者が飛沫となって洞窟内に漂うコウモリの唾液を吸い込で狂犬病を発病したとの
報告もある。現在日本ではコウモリをペットとして飼育する人々が少なからずいるといわれている。
日本でコウモリは検疫対象外の動物であるため,コウモリの狂犬病常在地などから狂犬病ウイルスや
近縁のリッサウイルスを保有するコウモリが合法的に輸入されたり,非合法的に日本に持ち込まれる
可能性がある。それゆえ,国内でコウモリに咬まれた場合であっても,加害コウモリが日本土着のコ
ウモリであることが証明できないかぎり,咬傷被害者が狂犬病を発病する可能性を否定できない。
「狂犬病」という和病名からは想像しがたいが,コウモリに咬まれた場合にも狂犬病を発病する可
能性があることを医療関係者は知っておく必要がある。また,コウモリによる咬傷被害者から相談を
受けた場合には,コウモリの調査により狂犬病の可能性が否定されるまでは狂犬病曝露後発病予防を
受けるように助言するべきである。
3)各種動物における細菌の保有状況
1996年から1998年の10、11月に、東京都多摩地区のペットショップ及び一般家庭で飼育されてい
た26種類342匹の動物を対象に人獣共通感染症起因菌の保有調査を行った。その結果、8.2%(28/342)
のペットから病原菌またはDNAを検出した。その内クラミジアが4.4%(15/432)で最も多く、次いでサ
ルモネラの2.9%(10/342)、黄色ブドウ球菌の0.5%(2/342)、L.monocytogenesの0.2%(1/342)の順で
あった。腸管出血性大腸菌とエルシニアは検出されなかった。サルモネラは、は虫類からもっとも多
く検出され,は虫類の飼育ではサルモネラによる人、特に小児への感染予防に重点をおいた飼育法を
心掛けなければならないことが改めて確認できた。黄色ブドウ球菌は2株分離されたが,共にエンテロ
トキシン非産生株であった。しかし、ハムスターから分離した株は、人で熱傷様の皮膚症状を起こす
表皮剥脱A型毒素を産生しており、菌が拡散するのを防ぐための衛生的な動物飼育の必要性が示唆さ
れた。クラミジアはさまざまな動物から毎年検出されたがその80%(12/15)は食肉目、げっ歯目の動物
由来であり、それらの菌種はすべて人獣共通感染症起因菌のC.psittaciであった。
ペットショップで販売されていた動物の病原菌保有率は15.5%(11/71)で、一般家庭70軒で飼育され
ていた動物の8.6%(6/70)と比べて有意に高かった(p<0.05)。これらの店舗では動物相互の感染が起
きていることが考えられた。そこで、そのことを証明するために、複数の動物から同じ血清型が分離
されたサルモネラについて、RAPD法によるDNAのパタ-ン分析を試みた。その結果、S.Hvittingfossの
3株はRAPDパタ-ンが同じであったとから、本菌を保有していた2匹のカメレオンとイグアナは同じ由
来の菌に感染していたことが明らかになった。
ドブネズミにおけるKarp, KatoおよびGilliam株に対するIFA抗体価はいずれの株に対する抗体価の
分布も40倍を底とする二峰性を示したことから,抗体陽性限界を80倍とした。ドブネズミ959例のうち,
いずれかの株で抗体陽性を示したのは22.9%であった。IFA抗体価が160倍以上の血清の66.7%がKarp株
の特異蛋白をウエスタンブロットで検出し得たこと,また一部のIFA抗体陽性血清から中和抗体も検出
されたことから,今回測定されたIFA抗体はきわめて特異性の高いことが伺われた。血清採取月別の抗
体陽性率は秋から春にかけて高い群と春から夏にかけて高い群とがあり,それらの地域に棲息するツ
ツガムシの種類が反映しいているものと考えられた。抗体陽性率は中川区や北区などの西部地区と東
部丘陵沿いに位置する昭和区で高い傾向が認められたが,抗体は名古屋市全域で確認された。しかし,
これまでのところPCRによるリケッチャ遺伝子は検出されていない。これは材料の採取時期に問題があ
るのかもしれない。以上の成績から,名古屋市のドブネズミにおいてツツガムシ病リケッチャが広く
侵淫しているものと思われた。
2)我が国に棲息しているコウモリからの狂犬病ウイルス検出の試み
自宅に迷い込んだコウモリを捕獲して虫かごに入れておいたところ,少年が虫かごに手を触れてコ
ウモリに左示指を咬まれた。咬み傷から出血したため近医を受診して,傷の手当と破傷風トキソイド
の接種を受けた。看護婦である母親が狂犬病を心配して東京都立駒込病院小児科高山に電話で問い合
わせてきた。これに対して,これまで日本国内のコウモリから狂犬病ウイルスが分離されたことはな
いので,加害コウモリが国産のコウモリであることが証明できれば,狂犬病ワクチン接種による曝露
後発病予防は必要がないが,コウモリは検疫の対象外なので,外国から合法的ないし非合法的に国内
に持ち込まれたコウモリであれば,狂犬病の危険を否定できない。したがって,まず捕獲してあるコ
ウモリの種類を確定するべきであると説明した。母親は数カ所の動物園に電話で問い合わせたのち,
種類を鑑別できそうな動物園にコウモリを持ち込んで鑑定を依頼した。しかし,動物園でもコウモリ
の鑑別同定できなかったため,当院を受診した。加害コウモリが外国由来のコウモリであることを否
定できない以上,咬傷被害者の安全のため,狂犬病曝露後発病予防を実施することにし,同時にコウ
モリの脳に狂犬病ウイルスがいるか否かの検索を行った。
コウモリの脳組織をRT-PCRで検査したところ,狂犬病ウイルスRNAは陰性であった。RT-PCRの陰性結
果報告が届いたため,少年に対して行っていたニワトリ胚細胞由来狂犬病不活化ワクチン接種による
狂犬病曝露後免疫を4回目のワクチン接種を行って終了とした。その後少年は健康に過ごしている。
現在まで日本をはじめ東南アジアにいるコウモリから狂犬病ウイルスは分離されていないが,南北
アメリカ大陸に棲むコウモリの一部は古典的狂犬病ウイルスを保有しており,こうしたコウモリに咬
まれて狂犬病を発病した症例が米国では年平均3例弱報告されている。またコウモリが生息する洞窟
に調査に入った研究者が飛沫となって洞窟内に漂うコウモリの唾液を吸い込で狂犬病を発病したとの
報告もある。現在日本ではコウモリをペットとして飼育する人々が少なからずいるといわれている。
日本でコウモリは検疫対象外の動物であるため,コウモリの狂犬病常在地などから狂犬病ウイルスや
近縁のリッサウイルスを保有するコウモリが合法的に輸入されたり,非合法的に日本に持ち込まれる
可能性がある。それゆえ,国内でコウモリに咬まれた場合であっても,加害コウモリが日本土着のコ
ウモリであることが証明できないかぎり,咬傷被害者が狂犬病を発病する可能性を否定できない。
「狂犬病」という和病名からは想像しがたいが,コウモリに咬まれた場合にも狂犬病を発病する可
能性があることを医療関係者は知っておく必要がある。また,コウモリによる咬傷被害者から相談を
受けた場合には,コウモリの調査により狂犬病の可能性が否定されるまでは狂犬病曝露後発病予防を
受けるように助言するべきである。
3)各種動物における細菌の保有状況
1996年から1998年の10、11月に、東京都多摩地区のペットショップ及び一般家庭で飼育されてい
た26種類342匹の動物を対象に人獣共通感染症起因菌の保有調査を行った。その結果、8.2%(28/342)
のペットから病原菌またはDNAを検出した。その内クラミジアが4.4%(15/432)で最も多く、次いでサ
ルモネラの2.9%(10/342)、黄色ブドウ球菌の0.5%(2/342)、L.monocytogenesの0.2%(1/342)の順で
あった。腸管出血性大腸菌とエルシニアは検出されなかった。サルモネラは、は虫類からもっとも多
く検出され,は虫類の飼育ではサルモネラによる人、特に小児への感染予防に重点をおいた飼育法を
心掛けなければならないことが改めて確認できた。黄色ブドウ球菌は2株分離されたが,共にエンテロ
トキシン非産生株であった。しかし、ハムスターから分離した株は、人で熱傷様の皮膚症状を起こす
表皮剥脱A型毒素を産生しており、菌が拡散するのを防ぐための衛生的な動物飼育の必要性が示唆さ
れた。クラミジアはさまざまな動物から毎年検出されたがその80%(12/15)は食肉目、げっ歯目の動物
由来であり、それらの菌種はすべて人獣共通感染症起因菌のC.psittaciであった。
ペットショップで販売されていた動物の病原菌保有率は15.5%(11/71)で、一般家庭70軒で飼育され
ていた動物の8.6%(6/70)と比べて有意に高かった(p<0.05)。これらの店舗では動物相互の感染が起
きていることが考えられた。そこで、そのことを証明するために、複数の動物から同じ血清型が分離
されたサルモネラについて、RAPD法によるDNAのパタ-ン分析を試みた。その結果、S.Hvittingfossの
3株はRAPDパタ-ンが同じであったとから、本菌を保有していた2匹のカメレオンとイグアナは同じ由
来の菌に感染していたことが明らかになった。
結論
1)ツツガムシ病リケッチャが山野のみならず大都会においても広く侵淫していることが明らかとなった。
2)RT-PCRによるコウモリ脳の狂犬病ウイルス検査は陰性であったため,咬傷を受けた少年への狂犬病暴
露後発病予防を科学的根拠をもって中止することが出来た。
3)東京都内で飼育されているペットは人獣共通感染症のサルモネラを2.9%、黄色ブドウ球菌を0.5%、
リステリア菌を0.2%、クラミジアを4.4%保有しており,飼育における衛生管理をより徹底する必要
が明らかとなった。
本研究の成果は,これまでの感染症を根絶する上で必要な基礎的データを提供するとともに,新興
・再興感染症の予防や発生予測にも繋がる。特に,島国の日本にとって輸入されてくる検疫対象外の
小動物の調査は新病原体の侵入を遮断するための有効な手段といえる。
2)RT-PCRによるコウモリ脳の狂犬病ウイルス検査は陰性であったため,咬傷を受けた少年への狂犬病暴
露後発病予防を科学的根拠をもって中止することが出来た。
3)東京都内で飼育されているペットは人獣共通感染症のサルモネラを2.9%、黄色ブドウ球菌を0.5%、
リステリア菌を0.2%、クラミジアを4.4%保有しており,飼育における衛生管理をより徹底する必要
が明らかとなった。
本研究の成果は,これまでの感染症を根絶する上で必要な基礎的データを提供するとともに,新興
・再興感染症の予防や発生予測にも繋がる。特に,島国の日本にとって輸入されてくる検疫対象外の
小動物の調査は新病原体の侵入を遮断するための有効な手段といえる。
公開日・更新日
公開日
-
更新日
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