文献情報
文献番号
201519003A
報告書区分
総括
研究課題名
効率的な肝炎ウイルス検査陽性者フォローアップシステムの構築のための研究
課題番号
H26-肝政-一般-001
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
是永 匡紹(国立研究開発法人 国立国際医療研究センター 肝炎・免疫研究センター)
研究分担者(所属機関)
- 正木 尚彦(国立研究開発法人 国立国際医療研究センター 肝炎・免疫研究センター )
- 酒井 明人(富山県立中央病院)
- 榎本 大(大阪市立大学大学院医学研究科)
- 池田 房雄(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科)
- 高口 浩一(香川県立中央病院)
- 的野 智光(鳥取大学医学部附属病院)
- 日高 勲(山口大学医学部附属病院)
- 坂口 孝作(福山市民病院)
- 近藤 泰輝(東北大学病院)
- 島井 健一郎(徳島大学病院)
- 斉藤 聡(横浜市立大学大学院医学研究科)
- 山下 智省(下関医療センター)
- 川波 祥子(産業医科大学 産業生態科学研究所)
- 相崎 英樹(国立感染症研究所)
- 吉岡 健太郎(藤田保健衛生大学)
- 米田 政志(愛知医科大学医学部)
- 島上 哲朗(金沢大学附属病院)
- 井上 貴子(名古屋市立大学大学院医学研究科)
- 石上 雅敏(名古屋大学医学部附属病院)
- 飯島 尋子(兵庫医科大学医学部 超音波センター)
- 坂本 穣(山梨大学医学部附属病院)
- 吉澤 要(信州大学医学部附属病院)
- 持田 智(埼玉医科大学医学部)
- 下田 和哉(宮崎大学医学部)
- 上野 義之(山形大学医学部)
- 渡邊 綱正(聖マリアンナ医科大学医学部)
- 日浅 陽一(愛媛大学大学院医学研究科)
- 小川 浩司(北海道大学病院)
- 江口 有一郎(佐賀大学医学部)
- 玄田 拓哉(順天堂大学医学部附属静岡病院)
- 本田 浩一(大分大学医学部)
- 小野 正文(高知大学医学部)
- 角田 圭雄(京都府立医科大学大学院医学研究科)
- 竹下 隆夫(公益財団法人結核予防会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 肝炎等克服政策研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
46,046,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
肝炎ウイルスはわが国の国民病と位置づけされながら、感染を知らないまたは定期受診をしない患者は140~200万と推測されている。治療の進歩により肝炎ウイルスは経口剤でcontrol可能、特にC型肝炎ウイルスでは一定期間内服するだけで、副作用が殆どなく高率にウイルス排除できる時代となり、肝炎ウイルス陽性者を治療舞台に上げることは急務である。
研究方法
自治体と協力しfollow up system拡充、ダイレクトメールを利用した新規のfollow up system拡充、電子カルテを活用した病院内非専門医から陽性者を抽出、事業所別に職域肝炎検診の拡充・個人情報保護法への対応、健診機関を利用した肝炎ウイルス検査勧奨の5つの重点項目から、地域に合わせた社会実証より成功事例を増加させ、汎用性の高いfollow up systemを開発し、肝炎情報センターが有する肝疾患連携拠点病院とネットワークを利用することで、各自治体・病院で利用=全国展開する。
結果と考察
肝炎ウイルス検査陽性者フォローアップシステムマニュアル」に基づいた陽性者追跡システム(調査票)の運用を拡充し、17の県・市で1555人の陽性者をフォローアップし、受診・受療率実態の確認のみならず、受診しない理由の調査を行った。
C型肝炎ウイルス陽性者の深層心理に基づいて作成された受療勧奨メッセージを行政からのダイレクトメールとして送付、介入群では非送付群と比較し受療率の増加を確認した。
電子カルテの警告システムを活用し、A社ではレベルアップ時に殆どの施設で来年度から利用可能なった。すでに導入された施設では、病院内非専門医より紹介率が増加と10~20%が受療まで繋がることが明らかになった。
種々の事業所形態に対応した多様な実施方法を提言するため、事業所向けのマニュアル作成した。また、職域肝炎検査の低受検率を解消するため、健診センターで無料の肝炎ウイルス検査を行い、受検率が75~90%であることを確認。肝炎検査の拒絶感より「ついで、無料」を受検者に上手くアピールすることが重要であることが明らかになった。
C型肝炎ウイルス陽性者の深層心理に基づいて作成された受療勧奨メッセージを行政からのダイレクトメールとして送付、介入群では非送付群と比較し受療率の増加を確認した。
電子カルテの警告システムを活用し、A社ではレベルアップ時に殆どの施設で来年度から利用可能なった。すでに導入された施設では、病院内非専門医より紹介率が増加と10~20%が受療まで繋がることが明らかになった。
種々の事業所形態に対応した多様な実施方法を提言するため、事業所向けのマニュアル作成した。また、職域肝炎検査の低受検率を解消するため、健診センターで無料の肝炎ウイルス検査を行い、受検率が75~90%であることを確認。肝炎検査の拒絶感より「ついで、無料」を受検者に上手くアピールすることが重要であることが明らかになった。
結論
調査票や有効なダイレクトメール、電子カルテなどを運用し、自治体・病院と協力することにより受検・受療率は増加する。肝炎に対する効率的で汎用性の高いfollow up systemの確立により、肝炎ウイルス陽性者の動向が把握し、肝疾患対策のための疫学資料のみならず、他慢性疾患への応用も可能となり、限られた人的リソース、予算の中でいかに至適な治療へ導くかということについての政策提言の資料となることが期待できる。また職域での肝炎ウイルス検査受検の低さは、個人情報管理以外にも、受検者・事業者への正しい情報提供がなされていないことが原因の一つであり、来年度は職域でのfollow up systemの構築を目指す
公開日・更新日
公開日
2017-01-17
更新日
-