新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業の総合的推進に関する研究

文献情報

文献番号
201517016A
報告書区分
総括
研究課題名
新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業の総合的推進に関する研究
課題番号
H26-新興行政-指定-004
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
山内 和志(国立感染症研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 片山 和彦(国立感染症研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
7,400,000円
研究者交替、所属機関変更
研究代表者交代 中山鋼(平成27年4月1日~27年6月30日)→山内和志(平成27年7月1日~28年3月31日)

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究課題では、厚生労働科学研究費補助金新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業において実施する研究課題の評価及び企画の実施、研究成果や感染症に関する情報の活用、研究推進の支援方法、評価方法の検討・改善について研究することで、当研究事業のより円滑かつ適切な実施と総合的推進に資することを目的とする。
また、その研究成果を新興・再興感染症対策等の行政・国民ニーズに即した感染症関連研究の一層の推進に役立てることで、新興・再興感染症等の脅威から国民の健康や生活を守ることにつながると期待される。
研究方法
1.当研究事業の企画・評価等の支援
①感染症研究の専門家による評価組織との連絡、情報共有等の実施
②研究協力者(PO)等による研究班会議への出席及び研究の進捗状況の把握、ピアレビューの実施と評価委員、厚生労働省との情報共有
③新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業において実施されている研究課題を対象とした研究発表会の実施
④研究協力者(PO)の活動を支援するために開発した「研究班会議情報共有システム」の活用

2.新興・再興感染症研究に関する情報収集のため、国内外の会議への参加、文献収集による新興・再興感染症研究の企画・評価及び研究の実施に資する関連情報の収集と、関係者との情報共有

3.中間・事後評価委員会に係る研究発表会の前と、事前評価委員会に係るヒアリングの前に、予備評価を行うために開発した「研究評価支援システム」の活用
結果と考察
1.新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業の企画・評価等の支援
①当該研究事業において研究を行う研究課題について、本研究課題研究代表者(山内)及び2名のPOならびに厚生労働省担当者が分担して研究班会議に出席し、評価委員へ参考資料として提供することで、研究事業の質の担保や、研究の円滑な実施に貢献した。併せて、PO会議を実施し、「班会議情報共有プログラム」の検証ならびに、今後の研究推進の支援方法の改善や研究成果の活用について検討を行った。
②全研究課題の研究代表者に対して成果概要の作成を依頼し、その取りまとめを行った。この成果概要は、評価委員による評価資料とした。
③中間・事後評価委員会開催前に研究成果発表会を開催し、評価委員によるヒアリング等の場とするとともに、他研究課題の成果を共有する機会として、当該事業の研究代表者及び研究分担者にも参加を募ることで、各研究班における研究成果をより多くの研究者が把握することできた。また、事前評価委員会開催前には、ヒアリングを実施し、評価委員が応募課題の内容をより深く理解し、評価することを支援した。

2.新興・再興感染症研究に関する情報収集のため、「ASEAN+3 FETN(Field Epidemiology Training Network)」会議(5月、於:ベトナム)、「GHSAG-LN」会議(11月、於:英国)等の国際会議に出席し、各国の感染症研究機関での活動について情報収集を行い、我が国の新興・再興感染症対策に役立てた。

3.研究の企画・評価等の支援方法の検討を行い、これまで開発してきた「研究評価支援システム」ならびに「班会議情報共有システム」について、機能追加による強化及び改善を行った。更に、セキュリティ強化のため、より安定性及び安全性の高いサーバへの移行等を行った。

4.感染症に係る広報活動として、国立感染症研究所戸山庁舎の「知の市場」等を活用し、アウトリーチ活動を行うことで、感染症に関して国民及び社会の理解増進を図った。

【考察】限られた予算と当該研究分野における研究者のマンパワーを最大限に活用し、これらの期待に応える効率的・効果的な研究を維持するためには、新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業において、これまで実施されている研究の内容や成果を適切に把握するとともに、研究を取り巻く行政的なニーズ、国際的な研究の状況に基づく企画・評価等を行い、効果的に研究を実施することが求められる。また、これらの研究が期待される成果が得られるよう支援することも重要である。
平成27年度は、研究評価の手順の確立に向けて、「研究評価支援システム」及び「班会議情報共有システム」について、利用者のアンケート調査で一定の評価が得られた。
多岐に渡る感染症に関する本事業の研究課題を目的に応じて適切に評価するためには、将来的には政策的な視点の確保をどのように確保するか、また、必要に応じた強化が課題と考えられた。
結論
平成27年度においては、当該事業において実施される研究課題の企画・評価及び研究の実施の支援を行うとともに、その実施を通してさらに適切かつ円滑な支援方法等の改善について検討を行い、感染症対策の推進に資する研究の効果的・効率的な実施に貢献したと考えられた。

公開日・更新日

公開日
2016-05-26
更新日
-

収支報告書

文献番号
201517016Z