感染症発生時の公衆衛生的対策の社会的影響の予測及び対策の効果に関する研究

文献情報

文献番号
201517008A
報告書区分
総括
研究課題名
感染症発生時の公衆衛生的対策の社会的影響の予測及び対策の効果に関する研究
課題番号
H26-新興行政-一般-001
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
谷口 清州(独立行政法人国立病院機構三重病院 臨床研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 堀口 裕正(国立病院機構本部総合研究センター 診療情報分析部)
  • 松井 珠乃(国立感染症研究所 感染症疫学センター)
  • 田辺 正樹(三重大学医学部付属病院 医療安全・感染管理部)
  • 奥村 貴史(国立保健医療科学院 研究情報支援研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
8,334,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
新型インフルエンザ発生時の初期対応として、疑い症例データマネージメントシステムを開発し、発生時の迅速な行政対応と初期評価に役立てること、またその対応時の感染防御方法、環境消毒のあり方、航空における感染対策について対応方針を議論し一定のコンセンサスを得てガイドラインを作成しておくこと、また新型インフルエンザ発生時に迅速にリスクアセスメントができることを目標として、事前にその枠組みを作成し、必要なIndicatorsを設定し、それらを可能にするサーベイランス体制を設置しておくことを目的とする。
研究方法
早期症例情報集約システムは初年度にプロトタイプを作成したが、これを元に、シミュレーション及び関係機関での議論をもとにシステムの評価と改善策を検討した。発生時の感染対策について、過去の経験やガイドライン、文献をもとに、医療機関や保健所、航空機における感染対策と消毒の知見を集約し、関係機関との連携の元、現実的な方法を検討し、ガイドラインや基礎資料を作成する。また、現行の感染症発生動向調査の基幹定点医療機関におけるデータ収集、および国立病院機構にてルーチンに収集されているレセプトデータ、DPC データから、分母情報を含むデータを抽出し、インフルエンザの流行状況、医療負荷や重症度の評価を行うとともに、リスクアセスメントのための指標を設定した。
結果と考察
早期症例情報集約システムはプロトタイプの評価を終え、最終年度にシステム改修を行う。また、医療機関や保健所における感染対策については、ガイドラインを作成、航空機における感染対策と適切な消毒薬について基礎資料の検討を行って、今後の方向性を示した。現行の感染症発生動向調査には分母情報が無く、正確なリスクアセスメントを行うことが難しかったが、分母情報を含めたサーベイランスを行うことにより、流行情報や重症度、医療負荷の評価が出来ることが示され、WHOガイドラインに沿って警戒閾値を設定することができた。国立病院機構にて収集されているデータは、今後持続的なシステムとして設置していくことにより新型インフルエンザ発生時のリスクアセスメントに使用できることが示唆された。
結論
新型インフルエンザ対策は季節性インフルエンザの延長線上にあり、平常時にできないことを緊急時に行うことは難しい。発生時の早期の症例情報集約から感染対策、リスクアセスメントを行うことの出来るシステムを平常時から準備しておくことが肝要である。

公開日・更新日

公開日
2016-06-28
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2016-06-28
更新日
-

収支報告書

文献番号
201517008Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
10,000,000円
(2)補助金確定額
10,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,543,066円
人件費・謝金 1,352,121円
旅費 1,527,403円
その他 2,909,615円
間接経費 1,666,000円
合計 9,998,205円

備考

備考
分担研究者より1795円返還されたため。

公開日・更新日

公開日
2016-06-28
更新日
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