障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス等利用者の対象範囲に関する研究

文献情報

文献番号
201516043A
報告書区分
総括
研究課題名
障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス等利用者の対象範囲に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H26-身体・知的-指定-002
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
江藤 文夫(国立障害者リハビリテーションセンター)
研究分担者(所属機関)
  • 中島 八十一(国立障害者リハビリテーションセンター )
  • 水澤 英洋(国立精神神経医療研究センター )
  • 西牧 謙吾(国立障害者リハビリテーションセンター )
  • 千葉 勉(京都大学大学院 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
1,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成25年4月から、障害者総合支援法の対象に新たに難病等が加わり、対象疾病に該当する者は障害福祉サービス等が利用できることになった。障害者総合支援法に定める難病等の範囲については、当面の措置として「難病患者等居宅生活支援事業」の対象疾病と同じ範囲(130疾病)とされた。その後、難病の患者に対する医療等に関する法律および児童福祉法の一部改正法(平成27年1月1日施行)が成立したことに伴う指定難病及び小児慢性特定疾病の対象疾病の検討を踏まえ、障害者総合支援法の対象となる難病等の範囲を検討するため、平成26年8月27日に「障害者総合支援法対象疾病検討会」が設置された。この検討会の開催により、これまでの130疾病から第一次対象疾病として151疾病に対象が拡大された。
その後、同検討会の継続により、障害者総合支援法における障害福祉サービス等の対象疾病の要件は、「治療方法が確立していない」、「長期の療養を必要とする」、「診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっている」3要件とすることが妥当であるとされ、本研究班での検討の結果、さらに第2次分として181疾病を障害福祉サービスの対象疾病とすることが適切と判断した。
一方で、平成25年4月から障害者総合支援法の対象となっていた疾病のうち、上記3要件を満たさず対象外とすることが適切と考えられた疾病が18疾病あった。また、データが現時点で明らかでない6疾病については、引き続き対象とすることとした。最終的に、合計332疾病を障害者総合支援法対象疾病とすることが適切であるとした。
本研究では、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス等の対象となる可能性のある疾病(難治性疾病克服研究事業、小児慢性特定疾病、障害福祉サービス等の対象とするよう要望のある疾病等)があれば、その特性(患者数、治療指針作成の状況、診断基準、身体障害認定基準の適用等)を調査し、障害者総合支援法の対象疾病を検討するための資料を提供することを目的とする。
研究方法
障害者総合支援法の対象疾病となる可能性のある疾病(調査対象疾病)について、難治性疾病克服研究事業の対象疾病、小児慢性特定疾病あるいは障害福祉サービス等の対象とするよう要望のある疾病等があれば厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部と協議を行いながら選定を行う。そのために、調査対象疾病の調査項目(患者数、診断基準の有無、治療方法等)について、難病法の指定難病の要件等を参考に検討する。これについては障害者総合支援法の対象疾病の要件から逸脱しないよう障害保健福祉部と協議を行う。
調査対象疾病の調査項目について、必要に応じて当該疾病の診療を行っていると考えられる日本医学会加盟学会への質問調査、国内外の文献調査、有識者へのインタビュー調査を行う。医療費助成の対象疾病の範囲の検討のために、厚生労働科学研究班によって難治性疾病克服研究事業の疾病の特性等の情報収集が行われており、本研究班に実際にその情報収集を行っている研究者を研究分担者にするとともに、厚生労働省からも情報収集し、重複して調査を行わないよう十分に配慮を行う。また、対象疾病名についても、最新の医学の知見に沿ったものになるよう、指定難病の疾病名と照会しつつ本研究班にて検討を行い、表記する疾病名の医学的な整理を行う。
結果と考察
平成25年4月から障害者総合支援法の対象となっていた疾病のうち、データが現時点で明らかでないことから継続して対象となった6疾病で、平成27年度に33都府県の難病相談・支援センターを利用したのは骨髄異形成症候群17名、骨髄線維症10名、汎発性特発性骨増殖症0名、肥満低換気症候群1名、慢性膵炎13名、ランゲルハンス細胞組織球症3名であった。
国立障害者リハビリテーションセンター自立支援局において、昭和54年7月から平成27年6月まで(36年間)の利用者合計10,510名のうち332疾病に該当する難病患者は74疾病2,464名(23%)であった。系統別に感覚器系疾病、神経・筋疾病、骨・関節系疾病が多かった。平成18年4月から平成28年3月まで(過去10年)の利用者2,241名の中では45疾病513名(23%)であり、この中では感覚器系疾病が多かった。これらの群では福祉サービス提供体制が比較的よく確立されていると考えられた。
結論
難病として障害者総合支援法の対象となった疾病の該当者では疾病特性から判断して、障害者手帳所持への移行を検討したところ、容易である疾病と困難である疾病とがあると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2017-05-23
更新日
-

研究報告書(PDF)

文献情報

文献番号
201516043B
報告書区分
総合
研究課題名
障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス等利用者の対象範囲に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H26-身体・知的-指定-002
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
江藤 文夫(国立障害者リハビリテーションセンター)
研究分担者(所属機関)
  • 中島 八十一(国立障害者リハビリテーションセンター )
  • 水澤 英洋(国立精神神経医療研究センター)
  • 西牧 謙吾(国立障害者リハビリテーションセンター )
  • 千葉 勉(京都大学大学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成25年4月から、障害者総合支援法に定める障害児・者の対象に難病患者等が加わり、同法に基づく障害福祉サービス等の対象となった。同法に定める難病等の範囲については、新たな難病対策における医療費助成の対象疾病の範囲等の検討が進められており、直ちに結論を得ることが困難なため、当面の措置として、「難病患者等居宅生活支援事業」(平成24年度で終了)の対象疾病と同じ範囲とされた。平成25年12月に厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会が取りまとめた「難病対策の改革に向けた取組について」では、障害者総合支援法における難病等の範囲は、難病医療費助成の対象疾病の範囲等に係る検討を踏まえ、見直しを実施するとされており、難病患者に対する新しい医療費助成制度の検討にあわせて、適切に見直しを行う必要がある。
本研究では、難治性疾病克服研究事業、小児慢性特定疾病あるいは障害福祉サービスの対象とするよう要望のある疾病等について、患者数、治療指針作成の状況、診断基準、身体障害認定基準の適用等について調査する。なお、医療費助成の対象疾病の範囲等の検討のために、他の厚生労働科学研究班において、難治性疾病克服研究事業の対象疾病について、患者数、原因等の情報収集が行われているので、本研究では、その研究班と連携を取りつつ、障害福祉サービスの対象となる可能性のある疾病を中心に、身体障害認定基準の適用等も含めて調査を行う予定である。
その結果は、社会保障審議会障害福祉部会、難病等の範囲を検討する有識者からなる検討会で検討するための資料として提供される。これにより、医療費助成の対象疾病の範囲等を踏まえて、障害者総合支援法における難病等の対象疾病の検討が進められることとなり、障害福祉サービスを必要とする疾病を有する者に対して、適切にサービスが提供されることを目的とする。
研究方法
指定難病の要件として挙げられている①発病の機構が明らかでない、②治療方法が確立していない、③患者数が人口の0.1%程度に達しない、④長期の療養を必要とするもの、⑤診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっていること、の5項目を基にして、障害者総合支援法の対象疾病選択の要件を検討する。
最初に、生活面への長期の支障が生じる可能性がある疾病(調査対象疾病)について、難治性疾病克服研究事業(545疾病)、障害福祉サービス等の対象とするよう要望のある疾病等から選定を行う。疾病の選定の漏れが生じないよう、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部と協議を行う。次に、調査対象疾病の調査項目(患者数、診断基準、重症度基準等)について、新しい難病医療費の助成制度の難病の要件等を参考に決定する。例えば、診断基準は厚生労働科学研究班が作成したのか、国内学会が作成したのか、海外学会が作成したのか等まで詳細に調査を行う。さらにその診断基準に客観性が保たれているのか等について評価を行う。なお、障害者総合支援法の規定から逸脱しないよう障害保健福祉部と協議を行う。
結果と考察
障害福祉サービス等の対象とする疾病の難病としての要件について厚生労働省における障害者総合支援法における難病等の範囲として検討される疾病は、5項目からなる要件が示されているが、同法における取扱いの対象疾病としては3項目を要件とすることが妥当であるとした。
同法の対象疾病については第1次分の151疾病に加えて第2次追加分として181疾病を対象とすることが適切と考えられた。その結果、以上の合計332疾病を同法の対象とすることが適切であると障害保健福祉部に提案する。
 難病をもつ障害者が障害者福祉サービスを利用するに当たっては、障害支援区分認定を受ける必要があるため、指定難病における「重症度分類」を適用する必要はないと結論した。  
継続調査として、これまでデータが現時点で明らかでないとされてきた6疾病については少数ながら全国に相談支援センターを利用する者がいることが明らかになった。
国立障害者リハビリテーションセンター自立支援局利用者の統計からは、障害福祉サービスを利用する指定難病の中にはすでに支援対象となっている疾病と、全く経験されていない疾病があることが指摘される。
難病患者の障害者手帳取得については、必ずしも容易でない分野があることに留意する必要があると考えられた。
結論
332疾病を総合支援法下での障害福祉サービスの対象とすることが適切であると障害保健福祉部に提案する。難病をもつ障害者が障害者福祉サービスを利用するに当たっては、障害支援区分認定を受ける必要があるため、指定難病における「重症度分類」を適用する必要はないと考えられる。

公開日・更新日

公開日
2017-05-23
更新日
-

研究報告書(PDF)

行政効果報告

文献番号
201516043C

収支報告書

文献番号
201516043Z