文献情報
文献番号
201516015A
報告書区分
総括
研究課題名
身体障害者の認定基準の今後のあり方に関する研究
課題番号
H26-身体・知的-指定-001
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
江藤 文夫(国立障害者リハビリテーションセンター)
研究分担者(所属機関)
- 岡田 弘(獨協医科大学越谷病院)
- 岩谷 力(国立障害者リハビリテーションセンター)
- 伊藤 利之(横浜市立リハビリテーションセンター)
- 寺島 彰(浦和大学 こども学部)
- 和泉 徹(新潟南病院)
- 奥村 謙(弘前大学大学院)
- 飛松 好子(国立障害者リハビリテーションセンター)
- 稼農 和久(国立障害者リハビリテーションセンター)
- 北村 弥生(国立障害者リハビリテーションセンター)
- 石川 浩太郎(国立障害者リハビリテーションセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
2,616,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は、身体障害者認定制度における認定基準のあり方について、医学的知見を踏まえ考察を行い、認定基準の見直しの具体的な案を提言することである。平成27年度においては、聴覚障害、心臓機能障害、聴覚障害、膀胱・直腸機能障害を対象とした。聴覚障害については平成26年度1月に通知された聴覚障害の認定基準の改正後の状況を明らかにすることを目的とした。心臓機能障害については、ペースメーカ植込者の再認定に寄与するために、植込後の体調の変化を明らかにすることを目的とした。膀胱・直腸機能障害では、現在の公費補助の対象となっていない子宮悪性腫瘍に対する手術や放射線治療の結果生じた排尿障害(神経因性膀胱)や尿瘻(膀胱膣瘻・尿管膣瘻)等の患者の実態を明らかにすることを目的とした。
研究方法
聴覚障害については112認定機関を対象とした質問紙法による調査を行った。
心臓機能障害では、新規ペースメーカ植込者の機能変化を明らかにするための登録が、日本不整脈学会のデバイス委員会委員の所属施設(31施設)の協力を得て、平成27年4月より主治医により開始された。カルテ記載および受診時(3ヶ月・6ヶ月・1年・2年・3年)の評価を経時的に比較する。
膀胱・直腸機能障害については、埼玉県泌尿器科医会に所属する病院20・診療所10を受診した対象疾患患者に対して質問紙法による調査を実施する準備を行った。
心臓機能障害では、新規ペースメーカ植込者の機能変化を明らかにするための登録が、日本不整脈学会のデバイス委員会委員の所属施設(31施設)の協力を得て、平成27年4月より主治医により開始された。カルテ記載および受診時(3ヶ月・6ヶ月・1年・2年・3年)の評価を経時的に比較する。
膀胱・直腸機能障害については、埼玉県泌尿器科医会に所属する病院20・診療所10を受診した対象疾患患者に対して質問紙法による調査を実施する準備を行った。
結果と考察
肝臓機能障害については、平成26年度の当研究班の成果が「肝臓機能障害の認定基準のあり方に関する検討会」に提出され、認定基準の改正に貢献した。
聴覚障害については、他覚的聴力検査が必要となった2級申請数の有意な減少と2級認定率の有意な低下が認められたこと、他覚的聴力調査の方法および場所に関する情報公開のニーズが寄せられていることなどを明らかにし、長期的な状況把握の必要性が示唆された。
心臓機能障害では24医療機関から339名が登録された。
膀胱・直腸機能障害では調査を設計し、倫理審査申請の準備を行った。
聴覚障害については、他覚的聴力検査が必要となった2級申請数の有意な減少と2級認定率の有意な低下が認められたこと、他覚的聴力調査の方法および場所に関する情報公開のニーズが寄せられていることなどを明らかにし、長期的な状況把握の必要性が示唆された。
心臓機能障害では24医療機関から339名が登録された。
膀胱・直腸機能障害では調査を設計し、倫理審査申請の準備を行った。
結論
(1) 肝臓機能障害では認定基準の改正を達成した。(2) 聴覚障害については認定基準改正後の状況を明らかにした。(3)心臓機能障害では、登録されたペースメーカ植込み者の身体機能を明らかにし、平成28年度には障害等級再認定(評価時期と評価方法)の在り方を提案することが期待される。(4) 膀胱・直腸障害では、すでに、国会質問に複数回あがっている現在の公費補助の対象となっていない患者の実態が、平成28年度には明らかになる見込みである。
公開日・更新日
公開日
2016-08-08
更新日
-