感染症の見直しに向けての緊急研究

文献情報

文献番号
199800504A
報告書区分
総括
研究課題名
感染症の見直しに向けての緊急研究
課題番号
-
研究年度
平成10(1998)年度
研究代表者(所属機関)
近藤 健文(慶應義塾大学医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 井上栄(国立感染症研究所感染症情報センター)
  • 大久保憲(NTT東海総合病院)
  • 河口豊(広島国際大学)
  • 神楽裕子(横浜市民病院感染症部)
  • 角田隆文(都立荏原病院感染症課)
  • 永井正規(埼玉医科大学)
研究区分
厚生科学研究費補助金 先端的厚生科学研究分野 新興・再興感染症研究事業
研究開始年度
平成10(1998)年度
研究終了予定年度
-
研究費
31,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成10年10月、それまで我が国で明治30年以来約100年間、感染症対策の中心的な法規として位置付けられていた伝染病予防法が抜本的に見直されるとともに、エイズ予防法、性病予防法が整理・統合された新法「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」が制定され、4月に施行された。4月以降も法律に基づいてその理念を各種通知、ガイドライン等にまとめるための技術的専門的な研究が緊急に必要とされているところである。本研究「感染症の対策の見直しに向けての緊急研究」において既に、感染症発生動向調査、4類感染症、感染症指定医療機関等の研究を実施し行政への貢献を果たしたところであるが、今後さらに、感染症発生動向調査体制、感染症指定医療機関制度、感染症患者の搬送、消毒、物件の清掃・廃棄、検査及び治療、感染症対策マニュアルの策定等の具体的な検討が緊急に必要とされる事項が残されているところである。
本研究においては、これら4月からの施行にあたり必要な残された課題につき、それぞれの分野の第一線の専門家による最新の知見を集積し、日本の今後の感染症対策を具体的に推進していくための基礎を作成するものである。
研究方法
本研究は、今後の日本の感染症対策に必要な関連した各分野に関する研究を幅広く含んだものであり、各分担研究者がカバーする分野ごとに会議等を設け、「新しい時代の感染症対策について(意見)」の理念や「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」に基づく各種ガイドラインの作成を行ったものである。
結果と考察
①新しい感染症発生動向調査に関する研究では、医療機関、保健所、地方衛生研究所等における情報管理制度のあり方、対象疾患の見直しの研究を行った。また、海外の情報を迅速に把握し、国内の情報システムとの連携等について検討を行った。②感染症発生動向調査の定点設定に関する研究においては、感染症流行の早期発見、感染症発生のトレンドの把握の他、さらには全国年間罹患患者の推計を可能とするための定点設計を行い、報告書にまとめた。③感染症患者の搬送に関する研究においては、感染症類型や感染症ごとに感染症患者独自に必要とされる搬送体制についての検討を行った。④医療提供機関の構造に関する研究では、収容機関に関する設計、設備等、感染症類型や指定医療機関別に必要とされる医療や感染性等を考慮し、感染症患者を収容するに適した医療提供機関についての研究を行った。⑤消毒方法及びその評価に関する研究では、法第27条に定められた消毒やその他の消毒について、感染症類別、感染性、病原性等を考慮して、適切な消毒方法やその評価等についてガイドラインを作成した。⑥感染症患者への医療に関する研究においては、感染症法における感染症類別、指定医療機関、設備、人員等を勘案し、適切な医療提供についての研究を行い、日本医師会と協力して「感染症の診断・治療ガイドライン」をまとめた。
結論

公開日・更新日

公開日
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更新日
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研究報告書(紙媒体)