文献情報
文献番号
201511002A
報告書区分
総括
研究課題名
アトピー性皮膚炎の診療の均てん化のための大規模疫学調査と診療ガイドライン・連携資材の作成
課題番号
H27-免疫-一般-002
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
加藤 則人(京都府公立大学法人京都府立医科大学 大学院医学研究科)
研究分担者(所属機関)
- 片山一朗(大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学皮膚科学)
- 秀道広(広島大学大学院医歯薬保健学研究院統合健康科学部門皮膚科学)
- 大矢幸弘(国立成育医療センター生体防御系内科部アレルギー科)
- 下条直樹(千葉大学大学院医学研究院小児病態学)
- 藤澤隆夫(国立病院機構三重病院)
- 佐伯秀久(日本医科大学大学院医学研究科皮膚科学)
- 池田政憲(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科小児急性疾患学講座)
- 中原剛士(九州大学大学院医学研究院皮膚科体表感知学講座)
- 二村昌樹(国立病院機構名古屋医療センター小児科)
- 海老原全(慶應義塾大学医学部皮膚科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等克服研究(免疫アレルギー疾患等政策研究 免疫アレルギー疾患政策研究分野)
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
1,539,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
アトピー性皮膚炎は乳幼児から小児、青年に多く発症する慢性アレルギー性疾患で、科学的なエビデンスに基づく適切な治療によって良好な状態を維持することで寛解が期待されるが、不適切な治療や自己管理で悪化するとQOLの著しい低下や他のアレルギー疾患の発症につながる。アトピー性皮膚炎の診療を均てん化して国内のすべての地域でより多くの患者が良質な医療を享受できるようにするためには、現在2つあるアトピー性皮膚炎診療ガイドラインを統一し、皮膚科医、小児科医、アレルギー科医、総合診療医などすべての医師や患者らが活用できる統一診療ガイドラインを作成することが必要である。しかし、現在まで、このようなすべての年齢層の患者を対象に、さまざまな診療科の
医師を使用者として作成されたアトピー性皮膚炎診療ガイドラインは存在しない。
我々は、皮膚科医を対象とした日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドラインの作成および小児科医やアレルギー科医を対象とした日本アレルギー学会アトピー性皮膚炎診療ガイドラインに携わってきた。その作成過程において、さまざまな地域のさまざまな診療科の医師が使用可能なガイドラインに必要なこと、すべての年齢層の患者の診療に必要なガイドラインの内容、あるいは患者や家族などの臨床の場での意思決定の参考に資するために必要なこと、などが把握できている。これらの強みを大いに活用して、診療の均てん化を目指したアトピー性皮膚炎診療ガイドラインを作成することを目的とする。
医師を使用者として作成されたアトピー性皮膚炎診療ガイドラインは存在しない。
我々は、皮膚科医を対象とした日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドラインの作成および小児科医やアレルギー科医を対象とした日本アレルギー学会アトピー性皮膚炎診療ガイドラインに携わってきた。その作成過程において、さまざまな地域のさまざまな診療科の医師が使用可能なガイドラインに必要なこと、すべての年齢層の患者の診療に必要なガイドラインの内容、あるいは患者や家族などの臨床の場での意思決定の参考に資するために必要なこと、などが把握できている。これらの強みを大いに活用して、診療の均てん化を目指したアトピー性皮膚炎診療ガイドラインを作成することを目的とする。
研究方法
本研究班(研究代表者、研究分担者)、研究協力者でガイドライン作成委員会を結成する。このメンバーは、皮膚科医を対象とした日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドラインの作成および小児科医やアレルギー科医を対象とした日本アレルギー学会アトピー性皮膚炎診療ガイドラインなど、多数のアレルギー疾患の診療ガイドライン作成に携わってきた経験を有する。また、臨床研究論文のシステマティックレビューに精通している。
27年度は、ガイドライン作成委員会で議論を重ね、まずアトピー性皮膚炎に関するSCOPEを作成した。その後、アトピー性皮膚炎の診療における意思決定に重要な臨床課題を基に、患者にとって重要なアウトカムを改善するために必要な問題(クリニカルクエスチョン)を、医師や一般の人たちから広くインターネット上で募集した後、それらの中からガイドライン作成委員会で24課題を設定する。その後、Pubmed, Cochrane Library, 医学中央雑誌などのデータベースを用いて文献を検索し、システマティックレビューを行う。
27年度は、ガイドライン作成委員会で議論を重ね、まずアトピー性皮膚炎に関するSCOPEを作成した。その後、アトピー性皮膚炎の診療における意思決定に重要な臨床課題を基に、患者にとって重要なアウトカムを改善するために必要な問題(クリニカルクエスチョン)を、医師や一般の人たちから広くインターネット上で募集した後、それらの中からガイドライン作成委員会で24課題を設定する。その後、Pubmed, Cochrane Library, 医学中央雑誌などのデータベースを用いて文献を検索し、システマティックレビューを行う。
結果と考察
27年度は計3回の班会議を開催した。本診療ガイドラインのSCOPEを作成した後に、その中の重要臨床課題を基にアトピー性皮膚炎患者にとって重要なアウトカムを改善するために必要な問題(クリニカルクエスチョン)を、医師や一般の人たちから広くインターネット上で募集した後、ガイドライン委員会においてクリニカルクエスチョンとして24課題を設定した。その後、Pubmed, Cochrane Library, 医学中央雑誌などのデータベースを用いて文献を検索し、システマティックレビューを行っている。
診療ガイドライン作成作業は順調に進行している。
診療ガイドライン作成作業は順調に進行している。
結論
アトピー性皮膚炎に携わるすべての医師、あるいは患者や家族などの臨床の場での意思決定の参考に資する貴重な参考資料の一つとなることが期待される
公開日・更新日
公開日
2018-02-22
更新日
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