抗リン脂質抗体関連血小板減少症の病態解明と治療指針の構築に関する研究

文献情報

文献番号
201510071A
報告書区分
総括
研究課題名
抗リン脂質抗体関連血小板減少症の病態解明と治療指針の構築に関する研究
課題番号
H27-難治等(難)-一般-004
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
渥美 達也(北海道大学 大学院医学研究科 免疫・代謝内科学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 井上 克枝(鈴木 克枝) (山梨大学大学院総合研究部医学域臨床検査医学)
  • 森下 英理子(金沢大学医薬保健研究域・病態検査学)
  • 奥 健志(北海道大学病院・内科II)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等克服研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
835,000円
研究者交替、所属機関変更
研究分担者交替 尾崎 由基男(平成27年4月1日~27年6月30日)→井上 克枝(平成27年7月1日以降)

研究報告書(概要版)

研究目的
抗リン脂質抗体関連血小板減少症の臨床像や病態を明らかにし、その診療ガイドライン作成の基盤をつくることを目的とする。
研究方法
初年度は、抗リン脂質抗体関連血小板減少症の症例を定義し臨床像を解析する。当学では約20年にわたる自己免疫疾患患者のデータべースがあり、同データベースには抗リン脂質抗体の詳細なプロフィールがすでに存在している。そこに血小板減少症の有無や経過を後ろ向きに追加・検討することで解析可能である。また、解析した抗リン脂質抗体関連血小板減少症患者の病態像・定義を用いて、コホートを確立し、出血や血栓などのイベントを含む経過を観察して治療経過などとの関連を調べる準備をおこない、2年目には観察を開始する。
結果と考察
抗リン脂質抗体関連血小板減少症は、診療をおこなううえで、難治性血栓傾向と出血傾向の混在する病態として、たいへんマネージメントが難しい。
本研究では、後ろ向きおよび前向きの疫学調査によって、抗リン脂質抗体関連血小板減少症の臨床的特徴を明らかにする 得られた結果から、本疾患の診断および治療のてびきを作成して、臨床の場に還元することが目標である。本疾患のガイドラインは国内外に依然として存在しないことから、社会的インパクトは大きい。血栓、出血いずれも生命や身体機能に直結する重篤な病態である。すでに難病として認定されている抗リン脂質抗体症候群の関連疾患として、抗リン脂質抗体関連血小板減少症は厚生労働行政がただちに取り組むべき疾患のひとつと認識した。
結論
抗リン脂質抗体関連血小板減少症についての診療ガイドラインは、2015年現在、世界のどこにも存在しない。申請者は、我が国に1万人ほどの患者が存在すると推定しているが、これまで疫学調査もなく、出血・血栓の相反するリスクをもつ本症のマネージメントは困難である。2年目終了時には、プレリミナリーな診療のてびき案の作成が可能であり、将来的にエビデンスにもとづくガイドラインの樹立に向けて、多施設前向き研究の基盤をつくることができると考えた。

公開日・更新日

公開日
2017-03-31
更新日
-

収支報告書

文献番号
201510071Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
1,085,000円
(2)補助金確定額
1,085,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 737,800円
人件費・謝金 0円
旅費 0円
その他 97,200円
間接経費 250,000円
合計 1,085,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2018-06-13
更新日
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