キャッスルマン病の疫学診療実態調査と患者団体支援体制の構築に関する研究

文献情報

文献番号
201510069A
報告書区分
総括
研究課題名
キャッスルマン病の疫学診療実態調査と患者団体支援体制の構築に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H27-難治等(難)-一般-002
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
吉崎 和幸(大阪大学 産業科学研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 岡本 真一郎(慶応義塾大学)
  • 川端 浩(京都大学)
  • 水木 満佐央(大阪大学)
  • 川上 純(長崎大学)
  • 正木 康史(金沢医科大学)
  • 矢野 真吾(東京慈恵会医科大学)
  • 井出 眞(日本赤十字社 高松赤十字病院)
  • 宇野 賀津子(公益財団法人 ルイ・パストゥール医学研究センター)
  • 八木 克巳(公益財団法人 ルイ・パストゥール医学研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等克服研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
849,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
原因不明の希少病である「キャッスルマン病」は、今まで病態解析が不十分で医師ですら認知度が低く、診断基準や重症度分類、診療ガイドラインもなく、患者臨床実態もほとんど把握されていない。このため、治療法の確立もされていない。この度、公的に初めて研究班が承認されたため上記の問題点を明らかにし、患者に最適な治療を提供できるようにすることを目的とする。
研究方法
1. 患者数の推定
本来なら疫学調査によって患者数を決定すべきだが未調査のため既存の文献から推定する。
2. 拠点病院構築
どの地域の患者でも診療が受けられる体制を構築する。全国を8ブロックに分けて拠点病院を設立する。
3. 患者会発足と活動支援
発足と活動を支援する。患者会顧問と事務局を班員から選定し、患者会と研究班との疎通を考慮して事務局を研究代表者所属に設置する。
4. 分類診断基準
従来の病理像を基盤とした分類と、HHV-8ウイルス感染有無の分類との検討、またTAFROの位置付けも検討する。
5. 病理診断基準
硝子血管型と形質細胞型を中心に病理学的に診断基準を策定する。
6. 診断基準
分担グループが原案を作成し、班員全員で検討する。
7. 重症度分類
分担グループが原案を作成し、班員全員で検討する。
8. 診療ガイドライン
分担グループが原案を作成し、班員全員で検討する。
9. 国際キャッスルマン病臨床ネットワーク(CDCN)活動
班員の吉崎と井出がCDCNのメンバーとなりCDCNの中核Scientific Advisery Board (SAB)の一員になり、会議に出席し情報交換する。国際診断基準や重症度分類の策定においても意見交換する。
10. 疫学実態調査
代表者所属の大阪大学倫理委員会の承認、続いて班員所属の倫理委員会の許可を得る。その後アンケート調査項目の設定を行う。
11. 疾患概念
本疾患、特に本邦のほとんどの患者はIdio anthric Multi-Castleman Disease (iMCD)型で、その病因は全く不明であり、CDCNでも最大の研究また検討事項である。また、病態においてもIL-6の関与は大きいものの不明な点も多い。更に、本疾患が感染症か自己免疫疾患か自己炎症性疾患かその他の慢性炎症性疾患か不明で、疾患概念すら不明である。この情況から少しでも明らかにするためサイトカインの本疾患における意義の解析を行う。
12. 指定難病への認可努力
厚労省による指定難病の条件を検討しその条件をクリアーするための活動を行う。
結果と考察
1. 患者数の推定
既存の文献より我国には1,500名の患者を推定したが、今後行われる疫学調査でより正確に推定する。今後、啓蒙活動により患者が顕在化し増加する可能性がある。
2. 拠点病院構築
拠点病院の構築はできた。全国どの地域でも平等に情報が行き届き患者数が把握でき、治療できることが期待できる。
3. 患者会発足と活動支援
患者会の発足を支援し事務局を代表者の大阪大学にした。会員数は現在約90名。会員数を増やし広報活動を通して支援を継続する。
4. 分類診断基準
CDCNとの整合性の検討を要す。
5. 病理診断基準
TAFROの病理像の特定を要す。
6. 診断基準
暫定診断基準を確定診断基準にする。
7. 重症度分類
暫定重症度分類と国際分類との相互性を考慮して確定する。
8. 診療ガイドライン
暫定診療ガイドラインを策定したが、それを日本血液学会と日本リウマチ学会へ認定承認ができなかった。また、何らかの方法で公知することもできなかった。
9. CDCN活動
CDCNのSABメンバーとして出席してCDCN運営に貢献した。また、診断基準と重症度分類においても提言など意見を述べ、主要メンバーとして日本を印象付けた。
10. 疫学実態調査
倫理委員会の調査認証に時間がかかり疫学実態調査が少し遅れている。早急にアンケート項目を決め開始する予定である。
11. 疾患概念
患者血清中のサイトカインなどのバイオマーカーを測定中である。診断に貢献するマーカーや治療の有効性を予測するマーカーを検索中である。
12. 指定難病への認可努力
指定難病の条件をほぼクリアしたが学会承認が得られず公知も未定である。
結論
1. 患者を1,500名と推定
2. 全国を8ブロックに分け拠点病院を設置
3. 患者会が発足し指定難病認定のための活動、事務局を研究班事務局に設置
4. 分類、病理診断基準、診断基準、重症度分類、診療ガイドラインを班として策定
5. CDCNでSABとして参画し国際診断基準と重症度分類の策定に貢献
6. 疫学調査を開始
7. 疾患概念を患者血中サイトカイン測定による解析を通して検討を開始
8. 指定難病の条件をほぼクリアー、学会承認と公知が未定

公開日・更新日

公開日
2017-03-31
更新日
-

研究報告書(PDF)

総括研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
研究成果の刊行に関する一覧表
その他

公開日・更新日

公開日
2016-07-19
更新日
-

収支報告書

文献番号
201510069Z