文献情報
文献番号
201510045A
報告書区分
総括
研究課題名
アミロイドーシスに関する調査研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H26-難治等(難)-一般-057
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
安東 由喜雄(熊本大学 大学院生命科学研究部)
研究分担者(所属機関)
- 山田 正仁(金沢大学医薬保健研究域医学系 脳老化・神経病態学)
- 池田 修一(信州大学医学部脳神経内科、リウマチ・膠原病内科)
- 玉岡 晃(筑波大学医学医療系神経内科学)
- 東海 林幹夫(弘前大学大学院医学研究科脳神経内科学)
- 高市 憲明(虎の門病院腎センター)
- 山田 俊幸(自治医科大学臨床検査医学)
- 内木 宏延(福井大学医学部医学科病因病態医学講座分子病理学領域)
- 重松 隆(和歌山県立医科大学腎臓内科学講座)
- 奥田 恭章(道後温泉病院リウマチセンター 内科)
- 西 慎一(神戸大学大学院医学研究科腎臓内科 免疫内科分野)
- 畑 裕之(熊本大学大学院生命科学研究部生体情報解析学)
- 小池 春樹(名古屋大学医学部附属病院神経内科)
- 島崎 千尋(独立行政法人地域医療機能推進機構 京都鞍馬口医療センター 血液内科)
- 飯田 真介(名古屋市立大学大学院医学研究科 生体総合医療学講座・血液・腫瘍内科学分野)
- 植田 光晴(熊本大学医学部附属病院神経内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等克服研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
7,045,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
アミロイドーシスは諸臓器に蛋白質による難溶の線維状構造物であるアミロイドが沈着し、臓器機能障害を引き起こす「希少性」「原因不明」「効果的な治療方法未確立」「生活面への長期にわたる支障」の4要素全てを満たす難治性疾患群である。近年臨床応用された早期に効果的な治療法は各臨床病型により全く異なるため、早期に確実な病型診断を行うことが極めて重要である。また、高い効果が期待できる新規治療法の国際治験も複数実施されており、本疾患群に対する医療は大きく変革しつつある。しかし、昨年より開始された本政策研究事業による臨床調査個人票と日本病理剖検輯報による剖検症例情報の解析結果で、アミロイドーシスの病型診断が未だ適切に実施されていない症例が多く存在する実態が明確になった。本研究は、本疾患の診療・研究の中心的役割を担ってきた各臓器の専門家による班員の総力を結集し、横断的に、診療ガイドライン作成、患者全国実態調査、患者登録制度の確立、患者・家族の啓発、臨床医師・研究者ネットワークの整備を行おうとするプロジェクトである。
研究方法
1. アミロイドーシス全国疫学調査
「難治性疾患の継続的な疫学データの収集・解析に関する研究班(研究代表者 中村好一 自治医科大学地域医療学センター 公衆衛生学部門)」と協力し、全国疫学調査を実施する。対象診療科は、神経内科、消化器科、循環器科、脳神経外科、泌尿器科、リウマチ科、血液内科、腎臓内科とする。
2. 剖検症例の解析
剖検輯報第55輯(2014年刊行で2012年度剖検症例をまとめたもの)のデータからアミロイドーシス症例を抽出し、アンケート調査を実施した。
3. ガイドラインの改定
現行のガイドラインの改定作業およびガイドラインに追加するクリニカルクエスチョンを作成する。
「難治性疾患の継続的な疫学データの収集・解析に関する研究班(研究代表者 中村好一 自治医科大学地域医療学センター 公衆衛生学部門)」と協力し、全国疫学調査を実施する。対象診療科は、神経内科、消化器科、循環器科、脳神経外科、泌尿器科、リウマチ科、血液内科、腎臓内科とする。
2. 剖検症例の解析
剖検輯報第55輯(2014年刊行で2012年度剖検症例をまとめたもの)のデータからアミロイドーシス症例を抽出し、アンケート調査を実施した。
3. ガイドラインの改定
現行のガイドラインの改定作業およびガイドラインに追加するクリニカルクエスチョンを作成する。
結果と考察
現在、全国疫学調査を実施中である。対象診療科は、神経内科、消化器科、循環器科、脳神経外科、泌尿器科、リウマチ科、血液内科、腎臓内科で、対象施設数は15,878件、抽出施設数は4,652件となった。2,321件(50%)と高い回収率で1次調査は終了し、延べ数で6,117症例の回答が得られた。1次調査の結果から、2012~2014年のアミロイドーシス症例(脳アミロイドアンギオパチー(CAA)を含む)は推定21,900例と考えられた。病型別の内訳は、ALアミロイドーシスが推定3,200例、AHアミロイドーシスが推定130例、AAアミロイドーシスが推定1,100例、家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)が推定840例、老人性全身性アミロイドーシス(SSA)が推定320例、透析アミロイドーシス(DRA)が推定3,900例、CAA関連脳出血が推定6,100例、CAA関連炎症・血管炎が推定170例、限局性アミロイドーシスが推定340例であり、病型未確定例が推定5,800例(約26%)と考えられた。
また、剖検輯報第55輯(2014年刊行で2012年度剖検症例をまとめたもの)のデータから1年間(2012年)に報告されたアミロイドーシス剖検例を抽出した。297例のアミロイドーシス剖検症例のうち、164例(55%)はアミロイドーシスの病型が確定していたが、133例(45%)は剖検輯報の情報からは病型が不明であった。133例の病型が不明な症例を対象にアンケート調査を行ったところ、99例(回収率74%)で回答が得られた。アンケート調査の結果より21例(21%)の病型は確定した。しかし、12例(12%)でTTRアミロイドーシスは確定していたが、遺伝性(FAP)と非遺伝性(SSA)の鑑別が実施されておらず、66例(67%)はアンケート調査後も病型は不明であった。病型が確定していない症例(78例)を対象に、免疫組織化学染色や質量分析法による病型解析を実施する予定である。
診療ガイドラインの改訂作業が進行中である。また、ガイドラインに追加するクリニカルクエスチョンの一覧を各病型で作成した。
続々と臨床応用されつつある本疾患群に対する新規治療法を適切に施行するためには、的確な早期診断が必要不可欠であるため、関連学会(各診療科や病理学会など)やインターネットを通じてアミロイドーシス病型診断の重要性を周知する必要がある。また、アミロイドーシス診療センターを中心とした病型診断サポートやハイスループットな病型診断法の確立が必要である。
また、剖検輯報第55輯(2014年刊行で2012年度剖検症例をまとめたもの)のデータから1年間(2012年)に報告されたアミロイドーシス剖検例を抽出した。297例のアミロイドーシス剖検症例のうち、164例(55%)はアミロイドーシスの病型が確定していたが、133例(45%)は剖検輯報の情報からは病型が不明であった。133例の病型が不明な症例を対象にアンケート調査を行ったところ、99例(回収率74%)で回答が得られた。アンケート調査の結果より21例(21%)の病型は確定した。しかし、12例(12%)でTTRアミロイドーシスは確定していたが、遺伝性(FAP)と非遺伝性(SSA)の鑑別が実施されておらず、66例(67%)はアンケート調査後も病型は不明であった。病型が確定していない症例(78例)を対象に、免疫組織化学染色や質量分析法による病型解析を実施する予定である。
診療ガイドラインの改訂作業が進行中である。また、ガイドラインに追加するクリニカルクエスチョンの一覧を各病型で作成した。
続々と臨床応用されつつある本疾患群に対する新規治療法を適切に施行するためには、的確な早期診断が必要不可欠であるため、関連学会(各診療科や病理学会など)やインターネットを通じてアミロイドーシス病型診断の重要性を周知する必要がある。また、アミロイドーシス診療センターを中心とした病型診断サポートやハイスループットな病型診断法の確立が必要である。
結論
全国疫学調査(1次調査)の結果で、本症における各アミロイドーシス患者の延べ数が明らかになった。剖検症例の結果から、本症の適切な診断が行われていない例が多く存在すると考えられる。本疾患に対する早期診断、早期治療にはアミロイドーシス診療センターやサブセンターによる病型診断が重要である。
公開日・更新日
公開日
2017-03-31
更新日
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