新しい先天代謝異常症スクリーニング時代に適応した治療ガイドラインの作成および生涯にわたる診療体制の確立に向けた調査研究

文献情報

文献番号
201510037A
報告書区分
総括
研究課題名
新しい先天代謝異常症スクリーニング時代に適応した治療ガイドラインの作成および生涯にわたる診療体制の確立に向けた調査研究
課題番号
H26-難治等(難)-一般-047
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
遠藤 文夫(熊本大学 大学院生命科学研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 窪田 満(国立成育医療研究センター 総合診療部)
  • 新宅 治夫(大阪市立大学 大学院医学研究科)
  • 呉 繁夫(東北大学 大学院医学系研究科)
  • 小国 弘量(東京女子医科大学 小児科学)
  • 大浦 敏博(東北大学 大学院医学系研究科)
  • 高柳 正樹(帝京平成大学 地域医療学部看護学科)
  • 大竹 明(埼玉医科大学 小児科)
  • 山口 清次(島根大学 医学部小児科)
  • 杉江 秀夫(常葉大学 保健医療学部)
  • 深尾 敏幸(岐阜大学 大学院医学系研究科)
  • 奥山 虎之(国立成育医療研究センター 臨床検査部)
  • 羽田 明(千葉大学 大学院医学研究院)
  • 西野 一三(国立精神・神経医療研究センター 神経研究所疾病研究第一部)
  • 青天目 信(大阪大学 大学院医学系研究科)
  • 中村 公俊(熊本大学 大学院生命科学研究部 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等克服研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
6,184,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班は希少疾患である先天代謝異常症の診療(診断および治療)をガイドラインとして標準化することを目的としている。ガイドラインを作成するとともに、標準化された診療ガイドラインを臨床研究、新薬治験研究に役立てることを目指している。同時に我が国から学会誌・冊子・ホームページ等での情報発信をおこなうことを目標に掲げている。
本研究班においては3年間の研究の目標として、①追加の診療ガイドラインの策定。②診療ガイドラインをもちいた疾患の診断と治療の現状についての調査研究を進める。③成人期の診療体制の整備に向けた調査と方針の立案。を挙げた。
この研究では、フェニルケトン尿症、メープルシロップ尿症、ホモシスチン尿症、シトリン欠損症、尿素サイクル異常症、メチルマロン酸血症、プロピオン酸血症、イソ吉草酸血症、HMG-CoAリアーゼ欠損症、メチルクロトニルグリシン尿症、複合カルボキシラーゼ欠損症、β-ケトチオラーゼ欠損症、グルタル酸血症1型、グルタル酸尿症2型、極長鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症、三頭酵素欠損症、中鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症、全身性カルニチン欠乏症(OCTN2異常症)、カルニチン回路異常症、糖原病について既に診療ガイドラインを作成し、新たに、瀬川病、セピアプテリン還元酵素(SR)欠損症、芳香族アミノ酸脱炭酸酵素(AADC)欠損症、メチルグルタコン酸尿症、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ (PEPCK) 欠損症、スクシニル-CoA:3-ケト酸CoAトランスフェラーゼ(SCOT)欠損症、ミトコンドリアHMG-CoA合成酵素欠損症、シスチン尿症、高メチオニン血症(メチオニンアデノシルトランスフェラーゼ欠損症)、非ケトーシス型高グリシン血症についてのガイドラインを策定した。
研究方法
平成26-27年度の研究では(1)未達成の疾患のガイドラインの策定および学会での承認、(2)重症度分類の改訂、(3)成人期の診療体制の整備、について研究を行った。
結果と考察
(1)ガイドラインの策定について
ガイドラインの策定では班会議と日本先天代謝異常学会ガイドライン策定委員会が共同して作業を行った。対象とした疾患の中で、フェニルケトン尿症、メープルシロップ尿症、ホモシスチン
尿症、シトリン欠損症、尿素サイクル異常症、メチルマロン酸血症、プロピオン酸血症、イソ吉草酸血症、HMG-CoAリアーゼ欠損症、メチルクロトニルグリシン尿症、複合カルボキシラーゼ欠損症、β-ケトチオラーゼ欠損症、グルタル酸血症1型、グルタル酸尿症2型、極長鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症、三頭酵素欠損症、中鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症、全身性カルニチン欠乏症(OCTN2異常症)、カルニチン回路異常症、糖原病については既に診療ガイドラインを策定した。さらに、瀬川病、セピアプテリン還元酵素(SR)欠損症、芳香族アミノ酸脱炭酸酵素(AADC)欠損症、メチルグルタコン酸尿症、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ (PEPCK) 欠損症、スクシニル-CoA:3-ケト酸CoAトランスフェラーゼ(SCOT)欠損症、ミトコンドリアHMG-CoA合成酵素欠損症、シスチン尿症、高メチオニン血症(メチオニンアデノシルトランスフェラーゼ欠損症)、非ケトーシス型高グリシン血症についてのガイドラインを策定した。
(2)診療ガイドラインをもちいた疾患の診断と治療の現状についての調査研究
ビオプテリン代謝異常症、シトリン欠損症、高乳酸血症・ミトコンドリア異常症、脂質代謝異常症、尿素サイクル異常症について、診断と治療の現状について調査を行った。調査の結果は、今後の重症度改定の基礎データとなる。
(3)移行期医療について
成人期に至った患者状況の調査結果を踏まえて、成人患者への診療体制提供の在り方、および生涯にわたる生活支援の在り方についての調査研究を行った。
結論
登録制度については26-27年度の本研究において、平成25年度までの厚生労働科学研究(奥山班)で確立されたJaSMIn(先天代謝異常症患者登録システム)をさらに発展させてきた。27年度においても日本先天代謝異常学会と協力し、この取り組みを継続した。同学会の委員会承認の後、パブリックコメントの募集を行い、日本先天代謝異常学会の理事会において承認予定である。

公開日・更新日

公開日
2017-03-31
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2016-07-19
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2016-12-02
更新日
-

収支報告書

文献番号
201510037Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
6,184,000円
(2)補助金確定額
6,179,905円
差引額 [(1)-(2)]
4,095円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,332,765円
人件費・謝金 483,297円
旅費 1,998,812円
その他 1,365,031円
間接経費 1,854,000円
合計 8,033,905円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2018-06-13
更新日
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