小児期からの希少難治性消化管疾患の移行期を包含するガイドラインの確立に関する研究

文献情報

文献番号
201510036A
報告書区分
総括
研究課題名
小児期からの希少難治性消化管疾患の移行期を包含するガイドラインの確立に関する研究
課題番号
H26-難治等(難)-一般-045
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
田口 智章(九州大学 医学研究院)
研究分担者(所属機関)
  • 松藤 凡(聖路加国際病院)
  • 位田 忍(地方独立法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター)
  • 牛島 高介(久留米大学医療センター)
  • 川原 央好(浜松医科大学)
  • 中島 淳(横浜市立大学医学研究科)
  • 春間 賢(川崎医科大学)
  • 福土 審(東北大学大学院医学系研究科)
  • 福澤 正洋(地方独立法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター)
  • 窪田 昭男(和歌山県立医科大学)
  • 漆原 直人(静岡県立こども病院)
  • 住田 亙(あいち小児保健医療総合センター)
  • 金森 豊(国立研究開発法人国立成育医療研究センター)
  • 内田 恵一(三重大学医学部付属病院)
  • 下島 直樹(慶應義塾大学医学部)
  • 八木 実(久留米大学医学部)
  • 上野 滋(東海大学医学部)
  • 浜田 吉則(関西医科大学)
  • 増本 幸二(筑波大学医学医療系)
  • 山高 篤行(順天堂大学)
  • 家入 里志(鹿児島大学・学術研究院医歯学域医学系)
  • 仁尾 正記(東北大学大学院医学系研究科)
  • 韮澤 融司(杏林大学)
  • 窪田 正幸(新潟大学・医歯学系)
  • 秋山 卓士(地方独立行政法人広島市立病院機構 広島市立広島市民病院)
  • 河野 美幸(金沢医科大学)
  • 本多 昌平(北海道大学病院)
  • 虫明 聡太郎(近畿大学医学部奈良病院)
  • 工藤 孝広(順天堂大学)
  • 松井 陽(国立研究開発法人国立成育医療研究センター)
  • 新井 勝大(国立研究開発法人国立成育医療研究センター)
  • 工藤 豊一郎(国立研究開発法人国立成育医療研究センター)
  • 米倉 竹夫(近畿大学医学部奈良病院)
  • 土岐 彰(昭和大学医学部)
  • 永田 公二(九州大学大学病院)
  • 田尻 達郎(京都府立医科大学医学研究科)
  • 臼井 規朗(地方独立法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター)
  • 田村 正徳(埼玉医科大学)
  • 左合 治彦(国立研究開発法人国立成育医療研究センター)
  • 小野 滋(自治医科大学)
  • 米田 光宏(地方独立行政法人 大阪市民病院機構 大阪市立総合医療センター)
  • 野坂 俊介(国立研究開発法人国立成育医療研究センター)
  • 宗崎 良太(九州大学大学病院)
  • 藤野 明浩(慶應義塾大学医学部)
  • 岩中 督(埼玉県立小児医療センター)
  • 森川 康英(慶應義塾大学医学部)
  • 小関 道夫(岐阜大学医学部附属病院)
  • 松岡 健太郎(国立研究開発法人国立成育医療研究センター)
  • 木下 義晶(九州大学大学病院)
  • 尾花 和子(社会福祉法人恩賜財団母子愛育会)
  • 北川 博昭(聖マリアンナ医科大学)
  • 前田 貢作(神戸大学大学院医学研究科)
  • 奥山 宏臣(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 和田 基(東北大学大学院医学系研究科)
  • 上野 豪久(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 古川 博之(旭川医科大学医学部)
  • 上本 伸二(京都大学大学院医学研究科)
  • 星野 健(慶應義塾大学医学部)
  • 阪本 靖介(熊本大学大学院)
  • 中澤 温子(中川 温子)(国立研究開発法人国立成育医療研究センター)
  • 小田 義直(九州大学 医学研究院)
  • 村永 文学(鹿児島大学医学部)
  • 北岡 有喜(独立行政法人国立病院機構 京都医療センター臨床研究センター)
  • 玉井 浩(大阪医科大学)
  • 黒田 達夫(慶應義塾大学医学部)
  • 藤井 喜充(関西医科大学)
  • 山田 佳之(群馬県立小児医療センター)
  • 澤口 聡子(厚生労働省国立保健医療科学院)
  • 岡本 悦司(厚生労働省国立保健医療科学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等克服研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
19,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 小児期からの希少難治性消化管疾患である、ヒルシュスプルング病類縁疾患、ヒルシュスプルング病、非特異性多発性小腸潰瘍症、先天性吸収不全症、仙尾部奇形腫、腹部リンパ管腫の6疾患群は、特定難病の4条件を満たすものが多いものの未だ指定されていない。そのため診断基準や重症度分類や診療ガイドラインの確立が急務である。
 本研究の目的は、新規調査と追加調査の必要な疾患の全国調査を実施する。調査が終了している領域はガイドラインの作成を開始する。さらに症例の分析、疾患別に学会と連携して診断基準、重症度、ガイドラインを確立し、疾患登録と長期フォローアップ体制を構築することである。
研究方法
 6つの疾患群について、全国調査未実施の疾患群、追加調査が必要な疾患群の調査研究を実施する。関連学会と連携し、悉皆性の高い調査および情報交換が容易に行える協力体制を構築する。
 さらに疾患横断的に6つのグループがそれぞれの疾患グループに情報提供や検体の検証を行い、学会がauthorizeする診断基準、重症度分類、ガイドラインを作成する。また疾患登録と長期フォローアップシステムを構築する。手術例はNCDのデータと照合して悉皆性を高める。
結果と考察
(1)H類縁
 重症3疾患(神経節細胞僅少症、巨大膀胱短小結腸腸管蠕動不全症、慢性特発性偽性腸閉塞症)は、平成27年1月に新規小慢および特定難病に指定された。さらに、ガイドライン作成が順調に進捗している。
(2)H病
 本疾患の診断基準、重症度を学会承認され、平成27年1月に新規小慢に指定された。全国アンケート調査が終了し、ガイドライン作成に着手した。また、全結腸型と小腸型は同7月に特定難病に指定された。
(3)非特異性多発性小腸潰瘍
 集積症例の遺伝子検査は終了し、成人の研究班「難治性小腸潰瘍の診断法確立と病態解明に基づいた治療法探索」(松本主之班長)にて診断基準に関する意見交換を行い、小児例まとめの英文論文作成中。
(4)先天性吸収不全症
 疾患の分類整理と調査対象の決定を終了。それに基づき全国調査を施行。症例数の多かった乳児難治性下痢症 53例、ミトコンドリア呼吸鎖異常症31例、Shwachman-Diamond症候群30例、先天性クロール下痢症 17例、原発性リンパ管拡張症 15例、多発性内分泌腺腫症 9例、IPEX症候群・自己免疫性腸症 7疾患について分析を進めるとともに、ガイドライン作成に着手している。
(5)仙尾部奇形腫
 診断基準、重症度を学会承認され、平成27年1月に新規小慢に指定された。ガイドラインの作成が順調に進捗している。
(6)腹部リンパ管腫・リンパ菅腫症
 リンパ管腫・リンパ管腫症の診断基準等を作成し学会承認を得て、平成27年1月に新規小慢の慢性呼吸器疾患として呼吸障害を生ずるリンパ管腫・リンパ管腫症が新たに認定された。また平成27年7月に頚部・顔面巨大リンパ管奇形(リンパ管腫)が難病指定された。ガイドラインは三村班、臼井班とともに作成している。また、疾患のWeb登録が開始され、約1700例の症例登録がなされている。

 また、これらの疾患群に対して、病理、小腸移植、移行期医療、疾患登録とフォローアップ体制、難病および小慢のデータの法的検討を加えている。成人期医療に関する検討もスタートした。
結論
①診断基準・重症度の作成と学会承認により小慢および難病指定された。
②疾患群毎の全国調査の実施が終わり分析を進めている。
③ガイドライン作成は順調に進捗している。
④長期的展望に立って疾患登録と長期フォローアップ体制の構築、移行期医療の検討、データの法的検討を加えている。

公開日・更新日

公開日
2017-03-31
更新日
-

研究報告書(PDF)

総括研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2017-03-31
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2016-12-02
更新日
-

収支報告書

文献番号
201510036Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
25,350,000円
(2)補助金確定額
25,135,000円
差引額 [(1)-(2)]
215,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,038,492円
人件費・謝金 1,916,130円
旅費 9,178,036円
その他 4,053,091円
間接経費 5,850,000円
合計 22,035,749円

備考

備考
予定していた人件費の支出がなくなり、別費目で経費流用したが一部余剰金が発生した。

公開日・更新日

公開日
2018-06-13
更新日
-