文献情報
文献番号
201509001A
報告書区分
総括
研究課題名
女性の健康の包括的支援のための情報収集・情報発信と医療提供体制等に関する研究
課題番号
H27-女性-一般-001
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
藤井 知行(東京大学大学院 医学部附属病院女性診療科・産科)
研究分担者(所属機関)
- 大須賀 穣(東京大学大学院 医学部附属病院女性外科)
- 秋下 雅弘(東京大学大学院 医学部附属病院老年病科)
- 谷垣 伸治(国立成育医療研究センター 周産期・母子診療センター)
- 若尾 文彦(国立がん研究センターがん対策情報センター )
- 金 吉晴(国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所)
- 対馬 ルリ子(対馬ルリ子女性ライフクリニック)
- 伊藤 純子(虎の門病院小児科)
- 加茂 登志子(東京女子医科大学附属女性生涯健康センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 女性の健康の包括的支援総合研究
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
15,385,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
女性の健康は一生を通して月経周期、妊娠・出産、閉経などに伴う女性ホルモンの変動により大きく影響を受け、ライフステージごとのホルモン変動を意識した特別な管理が必要とされる。しかしながら現在、女性の一生を通した包括的支援は皆無である。このため、女性特有の疾患に対する啓発、教育、予防などの支援は生活習慣病やがんの領域などと比較して大きく遅れており、このことが我が国の喫緊の課題である女性活躍、少子化解消、健康長寿への大きな障壁となっている。よって本研究では、‟女性の健康の包括的支援“という新たなパラダイムを構築し、情報の収集と発信による社会啓発、多診療科連携による統合的女性医療、相談員の養成などを介した社会的健康支援の体制を確立することを目的とする。
研究方法
本研究を行うにあたり、女性の健康と現時点での課題については、日本で最大の専門家団体である公益社団法人日本産科婦人科学会が、我が国の女性の健康およびその維持のために学会として責任をもちつつ情報提供を行うものとした。さらに女性の健康に詳しい精神科、内科、小児科の専門家を研究班に配置することにより産科婦人科の枠を超えた“女性の健康”を新たなパラダイムとしてとらえ研究を進めることとした。
日本産科婦人科学会ではすでに、女性のすべてのライフステージに対応する専門家による女性活躍のための健康推進委員会が設置されており、本研究班に所属している大須賀穣が委員長を務めている。この委員会は昨年度に始動し、女性の健康の包括的支援に向けて活動を開始している。
平成27年度の課題として、まずは女性の健康についての情報収集・発信体制の基盤となるホームページを作成することとした。コンテンツに関しては日本産科婦人科学会が中心となって作成したが、現在精神科、内科、小児科の内容も取り入れた改定が進められている。
日本産科婦人科学会ではすでに、女性のすべてのライフステージに対応する専門家による女性活躍のための健康推進委員会が設置されており、本研究班に所属している大須賀穣が委員長を務めている。この委員会は昨年度に始動し、女性の健康の包括的支援に向けて活動を開始している。
平成27年度の課題として、まずは女性の健康についての情報収集・発信体制の基盤となるホームページを作成することとした。コンテンツに関しては日本産科婦人科学会が中心となって作成したが、現在精神科、内科、小児科の内容も取り入れた改定が進められている。
結果と考察
本研究の平成27年度の成果として、女性の健康についての多彩な情報を提供するホームページを作成した。世代ごとの記事が必要である点を重視し、思春期から老年期に至るまでの女性の健康に関する記事を網羅するため、以下のような記事立てとした。記事に関しては、タブをクリックすることで各々の詳細な記事に容易にアクセスできることと、セルフチェック、キーワード検索、料理のレシピ記載など、一般のユーザーが取っ付き易い記事を盛り込むことに重点をおいたことと、スマートフォンなどモバイル端末で見やすいことを最優先課題としてレイアウトを考えた点が特徴として挙げられる。
結論
女性の健康の包括的支援に関する情報提供を効率的に行うためのホームページの作成、統合的な女性診療の健康評価・健診のための指針を作成することにより、女性の一生を通した健康支援への多くの医師の参加が促進することと、本研究により女性の健康の包括的支援のための相談体制が充実するものと考えられる。
本研究のさらなる課題として、女性の健康支援のための教育プログラムを作成し、健康相談員などを教育することにより女性の健康支援のための相談体制を構築することが重要である。健康相談員などが積極的に地域住民を教育・啓発することにより女性の健康についての意識と理解が高まり、健康の増進が期待される。最終的には大規模データや具体的ニーズなどの情報をもとに、実行可能な「多診療科連携モデル」が構築され、日本全体の女性医療の水準を上げることができるだけでなく、医療法整備、経済活動の亢進にも繋がることを考えている。
本研究のさらなる課題として、女性の健康支援のための教育プログラムを作成し、健康相談員などを教育することにより女性の健康支援のための相談体制を構築することが重要である。健康相談員などが積極的に地域住民を教育・啓発することにより女性の健康についての意識と理解が高まり、健康の増進が期待される。最終的には大規模データや具体的ニーズなどの情報をもとに、実行可能な「多診療科連携モデル」が構築され、日本全体の女性医療の水準を上げることができるだけでなく、医療法整備、経済活動の亢進にも繋がることを考えている。
公開日・更新日
公開日
2016-07-12
更新日
-