疾患領域別データ標準の作成に関する国内体制の整備に関する研究

文献情報

文献番号
201504036A
報告書区分
総括
研究課題名
疾患領域別データ標準の作成に関する国内体制の整備に関する研究
課題番号
H27-特別-指定-035
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
鹿野 真弓(医薬品医療機器総合機構)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
1,850,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成28年より開始される新医薬品承認申請時の臨床試験の個別症例データの電子的提出では、データのCDISC標準への準拠が求められる。CDISC標準のうち、米国で開発が進められている疾患領域別データ標準の国内での運用を進めることは、国内臨床研究の効率化及び質の向上、国際共同試験の推進に資することが期待される。一方で、疾患領域別データ標準は米国の医療実態に基づいて作成されることから、必要に応じて国内医療実態を反映する必要があり、産官学の効率良い連携に資する基礎的な研究を実施した。
研究方法
日本製薬工業協会は、会員企業を対象に、既に公表されている疾患領域別データ標準の国内使用に際して修正すべき点があるか、アンケート調査が実施され、アルツハイマー病、疼痛、結核、喘息、多発性硬化症、糖尿病、心血管系イベント、QT試験、インフルエンザ、統合失調症、脂質異常症、パーキンソン病の疾患領域別データ標準について確認された。
結果と考察
アルツハイマー病及びインフルエンザについては、それぞれ1社から、疾患領域別データ標準の改変が必要となる可能性が示されたものの、日本製薬工業協会としての意見としては、改変は必須とまでは言えないの問題ではない可能性が高いとのことであった。他の疾患領域別データ標準については、国内外で診断基準や評価項目等が異なることはなく、既に国際共同治験にも参加しており大きな問題点は見い出されないとの意見であった。以上のとおり、公表済みの疾患領域別データについては、明らかな日米の医療実態の差異により可及的速やかに改変する必要性は示唆されなかったが、各企業の限られた担当のみが確認していた可能性もあるため、規制担当者、アカデミア担当者による確認が望ましいとされた。
結論
今後、公表予定の疾患領域別データ標準について、CDISCが実施するpublic review(パブリックコメント募集)にあわせた検討を優先し、公表済の疾患領域別データ標準も適宜確認を進めるとの結論に至った。

公開日・更新日

公開日
2016-06-28
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2016-11-22
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201504036C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本研究の結果、国内における疾患領域別データ標準のレビューの優先度について、今後開発が進められる疾患領域別データ標準に焦点をおくという方針を明確にすることができた。これにより、実際にCDISC/CFASTに対して、現在作成中の疾患領域別データ標準に関するコメントを行う段階に進むことができた。また、国内の医療環境を反映した疾患領域別データ標準を作成することで、国内でのデータ標準の使用が容易となり、臨床試験の効率化に繋がるものと期待できる。
臨床的観点からの成果
本研究においては、CDISC/CFASTが作成している疾患領域別データ標準について、国内の医療環境を反映させる領域の優先度を検討することを目的としていた。具体的にはCDISC/CFASTが公表している疾患領域別データ標準について、国内の医療環境の反映が早急に必要と考えられる疾患領域を選定することに主眼をおいていた。しかしながら、製薬協による調査の結果、現在公表されている疾患領域別データ標準については、緊急性をもって修正が必要と考えられるものは示唆されなかった。
ガイドライン等の開発
本研究の成果に基づき、平成28年度医薬品等規制調和・評価研究事業 医薬品開発に利用できる疾患領域別データ標準の作成に関する研究(研究代表者 森豊隆志/東京大学医学部附属病院)が実施予定となっている。当該研究では、疾患領域別データ標準を用いた治験・臨床研究の質の向上に向けた研究を、医療情報システム・電子カルテ及びEDC(Electronic Data Capture)システム等の観点から進めている。
その他行政的観点からの成果
本研究に伴い、製薬協・関連学会及びPMDAが協力し、CDISC/CFASTに対して疾患領域別データ標準に関するコメントを本邦から一括して送付する方針が明確となった。これにより、効率的にコメントを送付できることに加え、本邦全体としての意見となることから、CDISC/CFASTにおける本コメントの重要度も増すことが期待できる。実際に平成28年度には5つの疾患領域別データ標準についてコメントを送付しており、半数以上は疾患領域別データ標準に組み入れられている。
その他のインパクト
平成28年6月に、CDISC Japan Interchangeにあわせて、CDISC特別シンポジウム -CDISC標準・疾患領域別データ標準を用いた治験・質の高い臨床研究に向けて- をCDISC、大学病院医療情報ネットワーク研究センター(UMIN)及びPMDAの共催にて開催した。国内アカデミアを中心に約150名の参加があり、国内研究者の理解を深めた。平成29年6月にも同様にワークショップを開催し、疾患領域別データ標準の国内でのレビュー経験やアカデミアでの経験について講演される予定である

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2016-06-30
更新日
2017-05-31

収支報告書

文献番号
201504036Z