文献情報
文献番号
201504007A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機器の迅速かつ的確な承認及び開発に必要な治験ガイダンスのあり方に関する調査研究
課題番号
H27-特別-指定-007
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
中野 壮陛(公益財団法人医療機器センター)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
3,102,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
医療機器は医療ニーズ特定、開発研究、設計開発、非臨床試験、臨床評価、承認申請、保険収載、市販後評価、その後の改良・改善プロセスなど、医薬品とは異なる開発プロセスとなっている。医療機器の治験デザインも、医薬品が原則としてプラセボあるいは既存品との無作為化比較試験により有効性及び安全性が検証されるのに対し、盲検化が難しい、あるいは比較対照とすべき既存治療が明確にならないなど、機器特有の問題点、あるいは多様性により、治験デザインも様々である。
これまでにも、医療機器の製造販売承認申請において臨床試験の必要な範囲等については、平成20年8月4日付薬食機発第0804001号通知「医療機器に関する臨床試験データの必要な範囲等について」が発出されているが、治験の要否、治験デザインの考え方は必ずしも一様ではない。
医療機器の特性を踏まえ迅速かつ的確な開発及び承認申請を行うための治験ガイダンスを今後、行政において検討するための基礎資料を整備すべく、本特別研究において過去の承認事例の分析や諸外国の海外規制動向などを調査するものである。
これまでにも、医療機器の製造販売承認申請において臨床試験の必要な範囲等については、平成20年8月4日付薬食機発第0804001号通知「医療機器に関する臨床試験データの必要な範囲等について」が発出されているが、治験の要否、治験デザインの考え方は必ずしも一様ではない。
医療機器の特性を踏まえ迅速かつ的確な開発及び承認申請を行うための治験ガイダンスを今後、行政において検討するための基礎資料を整備すべく、本特別研究において過去の承認事例の分析や諸外国の海外規制動向などを調査するものである。
研究方法
本研究の実施にあたっては、産学官の有識者からなる研究班を構成し、また研究代表者の所属する医療機器センターの附属シンクタンク・医療機器産業研究所の各研究員も参画のうえ、(1)過去の新医療機器の承認事例の実態を把握するとともに、(2)海外規制動向も踏まえ、(3)研究班による大所高所からの議論により、医療機器の特性を踏まえ迅速かつ的確な開発及び承認申請を行うための治験ガイダンスを今後検討すべく、その基礎資料を整備した。
結果と考察
本調査研究においては、既承認の新医療機器の治験の実態把握を行い、平行してPMDA審査担当者のインタビュー等を行った。その結果、臨床試験と承認審査に関するPMDA審査担当者の考え方について、治験デザインや海外で実施した治験の取扱い等、一定程度は明らかにすることができたものと考える。引き続き、一般化できる部分についてとりまとめ、治験ガイダンスの検討に向けた論点整理が必要である。
一方、本調査研究の調査対象品目は、平成22年4月1日~平成27年3月31日に承認された48品目の新医療機器と少ない。またインタビューを行ったPMDA審査担当者も限られており、研究班による議論も3回という時間的制約が多くあったことから、多種多様な医療機器の特性を全て網羅的に示せているかという点については時間的限界を認めつつ、引き続き継続した議論が必要である。
一方、本調査研究の調査対象品目は、平成22年4月1日~平成27年3月31日に承認された48品目の新医療機器と少ない。またインタビューを行ったPMDA審査担当者も限られており、研究班による議論も3回という時間的制約が多くあったことから、多種多様な医療機器の特性を全て網羅的に示せているかという点については時間的限界を認めつつ、引き続き継続した議論が必要である。
結論
本研究では、医療機器の特性を踏まえ迅速かつ的確な開発及び承認申請を行うための治験ガイダンスを今後、行政において検討するための基礎資料を整備すべく、既存の新医療機器の治験の実態把握を行うとともに、海外規制動向も踏まえ、産学官からなる研究班による大所高所からの議論を行った。
治験の実態把握に平行して、PMDA審査担当者の審査の考え方の確認、海外規制動向、産業界の提案等を踏まえて議論を積み重ねたことで、臨床試験の教科書的な議論に終始することなく、医療機器の特性を踏まえたより現実的な議論が行われた。治験ガイダンスの策定に向け、引き続き継続的な議論が必要であり、さらなる調査研究が必要と考えられた。
治験の実態把握に平行して、PMDA審査担当者の審査の考え方の確認、海外規制動向、産業界の提案等を踏まえて議論を積み重ねたことで、臨床試験の教科書的な議論に終始することなく、医療機器の特性を踏まえたより現実的な議論が行われた。治験ガイダンスの策定に向け、引き続き継続的な議論が必要であり、さらなる調査研究が必要と考えられた。
公開日・更新日
公開日
2016-10-27
更新日
-