文献情報
文献番号
201502008A
報告書区分
総括
研究課題名
死亡個票統計における循環器疾患関連死因の妥当性に関する検討
課題番号
H27-統計-一般-006
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
橋本 英樹(東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻保健社会行動学分野)
研究分担者(所属機関)
- 磯部 光章(東京医科歯科大学大学院循環器病学講座)
- 興梠 貴英(自治医科大学・企画経営部医療情報部)
- 石井 太(国立社会保障人口問題研究所 人口動態研究部)
- 篠原 恵美子(山田 恵美子)(東京大学医学部附属病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(統計情報総合研究)
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
2,580,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
人口高齢化に伴い、国内外いずれの国においても心血管疾患の罹患者数は絶対数として増大している。特に高齢化に伴い増加する心疾患のなかで虚血性心疾患と並び、心不全が注目されている。一方、「心不全」病名はいわゆるgarbage diagnosisとして用いられやすい。しかし死亡統計上の心不全の正確な疾病負担の状況を把握することは、有効な心不全対策を進めるうえで不可欠な統計である。そこで本研究は2年計画の研究事業として、新規に入手が可能となった死亡個票の直接・間接死因に関する原データを検討し、心不全に関連する死亡統計の妥当性を検証することを目的とした。以て心不全病名の死因統計における妥当性を検証するとともに、より正確な死因統計を得るための死亡個票報告の在り方について、厚生労働統計行政を支援する知見を取りまとめることを最終的目標とする。
研究方法
本研究では、新規に入手が可能となった死亡個票の直接・間接死因関する原データを検討し、「心不全」死因病名関連の死亡統計の妥当性を検証する。
結果と考察
2015年度は死亡事故原票個票情報を統計法33条に基づき個票利用申請したのち、病名ソフトなどをベースに標準コード化のアルゴリズムを作成しコード化を試み、心不全を含む循環器疾患病名を含む死因群について、死因病名および病名間の連関について基本統計を得ることに成功した。一方、心不全関連の病名には妥当性について確認が困難な事例(心不全単独死因病名で、複合死
因の記載がないケース)が多く、死因について臨床的整合性を検討することが困難であった。さらにICD10改訂ならびにICD11に向けた国際的議論のなかで、心不全病名についての取り扱いがどのようになされているかを海外に取材した。
因の記載がないケース)が多く、死因について臨床的整合性を検討することが困難であった。さらにICD10改訂ならびにICD11に向けた国際的議論のなかで、心不全病名についての取り扱いがどのようになされているかを海外に取材した。
結論
次年度研究においては、専門医によるレビューを中心に、死因病名の論理的・臨床的整合性について検討を深めるとともに、データの妥当性がある程度担保できていると思われる症例にしぼり、複合死因病名記載例における心不全病名の出現パターンなどの解析を進め、心不全病名の死因統計における取り扱いについて提言をまとめる予定である。
公開日・更新日
公開日
2017-06-05
更新日
-