21世紀出生児縦断調査等の高度利用による家庭環境等と子どもの健やかな成長との関連に関する学際的研究

文献情報

文献番号
201502007A
報告書区分
総括
研究課題名
21世紀出生児縦断調査等の高度利用による家庭環境等と子どもの健やかな成長との関連に関する学際的研究
課題番号
H27-統計-一般-005
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
池田 奈由(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国際産学連携センター)
研究分担者(所属機関)
  • 西 信雄(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国際産学連携センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(統計情報総合研究)
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
1,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 同一個人を追跡する21世紀出生児縦断調査の特性を活かし、「健康日本21(第二次)」や「子ども・子育てビジョン」等、諸政策の企画立案に資する基礎資料を作成することを目的として、三つの研究作業を行った。
研究方法
 まず一つ目の作業として、家庭環境等要因の変化と子どもの成長・健康との関連の時間的変化に関する分析枠組を構築した。この中で、各個人を時系列で追跡する縦断調査の特徴ならびに調査から得られる変数を考慮し、出生から幼児期、学童期を通して、子どもを取り巻く種々の要因が健康と成長に関与する体系を示した。また、平成13年出生児の調査では就学を境として第7回調査以降の調査票内容が大幅に変更されたことを考慮し、時間軸を第6回調査(5歳半)までの幼児期と、第7回調査(7歳)から第12回調査(12歳)までの学童期に二分した。さらに、縦断調査データを用いた高度統計分析モデルの設計において考慮すべき要素として、健康アウトカム発生の多重性ならびに要因の時間依存性の有無の二点を組み入れた。次に、縦断調査を用いた高度統計分析手法の開発と応用を行う上での確認事項として、人口動態調査(出生票・死亡票)とのレコード・リンケージを行い、平成13年出生児ならびに平成22年出生児の調査対象者の協力・生存状況を把握し、協力者の特徴と非協力者・中途脱落者の生存状況を明らかにした。最後に三つ目の作業として、小児の過体重・肥満に関するデータ欠損値とイベント発生の経時的なパターンを把握し、年間罹患率等を算出した。そして、多重イベントと要因の時間依存性を考慮し、家庭環境等要因の変化と過体重・肥満発生リスクとの関連性を検討するための統計分析を行った。
結果と考察
 その結果、年間罹患率は幼児期においては女児の方が高いが、女児の年間罹患率は幼児期から学童期にかけて一貫して低下傾向にある一方で、男児の年間罹患率は小学校高学年に入ってから低下し始めるため、学童期では男児の方が高い水準で推移していた。幼児期・学童期ともに、親に間食・夜食や喫煙の習慣がある子どもや、祖父母と同居をしている子どもで過体重・肥満リスクが高くなっていた。その他に過体重・肥満リスクと関連を示した主な要因は、幼児期では親が時間を決めて間食を与えるようにしているか否か、主な保育者、就学期ではゲーム時間、テレビ視聴時間、睡眠時間、友達と遊ぶ人数等であった。特に男児においては幼児期から小学校低学年にかけて効果的な肥満対策をとる必要性があること、小児肥満予防には幼児期からの親子の生活習慣の改善ならびに同居家族の心がけ、そして学童期には友人との遊びを含めた規則正しく健康的な生活を送ることが重要であること等が示唆された。
結論
 平成27年度の研究では、縦断調査の特性を活かした子どもの健康と成長に関するエビデンスを作成し、一般に理解しやすいフォーマットで提供するための手法を検討するための第一段階として、分析枠組の構築とデータベースの準備、協力・生存状況や欠損値、健康アウトカムの発生パターン等の子どものライフコース上の縦断データの特徴の把握を行った。さらに、高度統計分析の試みとして、過体重・肥満をテーマについて、アウトカム発生の多重性ならびに要因の時間依存性を考慮した分析を行った。この分析の意義としては、全国レベルの縦断調査から日本の小児肥満発生の年齢変化と要因について初めて検討したことが挙げられる。特にこの点は、21世紀出生児縦断調査がわが国の公衆衛生において果たすことのできる重要な役割であると言える。一方、制約としては、全ての調査回で継続して収集された変数が少なく、就学前後で調査票内容も変わったことから、幼児期と学童期に分けて分析せざるを得ないことが挙げられる。しかしながら、分析結果から、過体重・肥満罹患率の年齢推移は男女間で異なり、特に男児については幼児期から小学校低学年にかけて効果的な対策をとる必要性が示唆された。また、小児肥満予防のためには、幼児期からの親子の生活習慣の改善ならびに同居家族の心がけ、そして学童期には友人との遊びを含めた規則正しく健康的な生活を送ることが重要であることが示唆された。

公開日・更新日

公開日
2016-06-20
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2016-06-20
更新日
-

収支報告書

文献番号
201502007Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
1,800,000円
(2)補助金確定額
1,800,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,031,927円
人件費・謝金 620,959円
旅費 53,640円
その他 93,474円
間接経費 0円
合計 1,800,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2016-06-20
更新日
-