保健師による保健活動の評価指標の検証に関する研究

文献情報

文献番号
201501001A
報告書区分
総括
研究課題名
保健師による保健活動の評価指標の検証に関する研究
課題番号
H25-政策-一般-001
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
平野 かよ子(長崎県立大学 看護栄養学部)
研究分担者(所属機関)
  • 山口 佳子(東京家政大学看護学部)
  • 春山 早苗(自治医科大学看護学部)
  • 小西 かおる(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 大神 あゆみ(大原記念労働科学研究所)
  • 藤井 広美(了徳寺大学健康科学部)
  • 尾島 俊之(浜松医科大学医学部)
  • 福島富士子(東邦大学看護学部)
  • 久佐賀眞理(野口 眞理)(長崎県立大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
4,980,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、平成26年度までに開発してきた地域保健の6領域(母子保健、健康づくり、高齢者保健福祉、精神保健福祉、感染症対策、難病対策)と産業保健領域の保健活動の評価指標と評価の際に参考としてもら評価マニュアルについて、全国の市町村、保健所及び協力の得られた事業所に、評価指標の「わかりやすさ」と「重要性」について自記式調査を行い、標準化された評価指標を作成することを目的とした。
研究方法
母子保健と健康づくり、高齢者保健福祉の調査票は無作為で抽出した各580の市町村へ、精神保健福祉と感染症対策、難病保健の調査票は全国の486保健所へ配布した。産業保健の調査票は協力の得られた161カ所へ配布した。
結果と考察
調査票の総配布数は3359であった。総回収数は1340、回数率は39.9%で、全都道府県から回収された。評価指標の「わかりやすさ」と「重要性」について「とてもそう思う」と「そう思う」の回答が70%以上の指標は標準化された指標とした。それ以外の指標については自由記載の内容を参考として研究班員で論議した。その結果、母子保健は32項目、健康づくり36項目、高齢者保健福祉28項目、精神保健福祉37項目、感染症対策71項目、難病保健30項目、産業保健50項を標準化された評価指標とした。
結論
各領域の標準化した評価指標を完成させ、さらに領域を超えて共通するコア評価指標を抽出した。構造の領域では、「マンパワーの確保」「予算の確保」「連携体制の整備」の3項目、プロセスの領域では「現状把握」「地域診断」「個別支援の実施」「関係者との連携・協働の強化」「人材育成」の6項目が共通した。結果1では、「支援対象者の安心・満足」「支援対象者の行動変容」の2項目、結果2は、「支援者数の増加」「住民等の活動の活性化」の2項目、結果3は、「死亡や重要事例の減少」「関係機関のネットワークへの参加の増加」「健康指標の改善」の3項目で計16項目を抽出した。しかし、これらが保健師固有の活動の質を示評価指標とするには、さらなる指標の精緻化が必要との結論に至り、領域を超えた保健師の活動のコア評価指標については、今後の課題とした。

公開日・更新日

公開日
2016-11-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

総括研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2016-11-11
更新日
-

文献情報

文献番号
201501001B
報告書区分
総合
研究課題名
保健師による保健活動の評価指標の検証に関する研究
課題番号
H25-政策-一般-001
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
平野 かよ子(長崎県立大学 看護栄養学部)
研究分担者(所属機関)
  • 山口 佳子(東京家政大学看護学部)
  • 春山 早苗(自治医科大学看護学部)
  • 小西かおる(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 大神あゆみ(大原記念労働科学研究所)
  • 藤井 広美(了徳寺大学健康科学部)
  • 尾島 俊之(浜松医科大学医学部)
  • 福島富士子(東洋大学看護学部)
  • 久佐賀眞理(野口 眞理)(長崎県立大学看護栄養学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
保健活動の見える化を図るために、保健活動の主な担い手である保健師が行う保健活動の質を評価する標準化された評価指標を開発することを目的とした。評価の枠組みは。構造、プロセス、アウトカムとし、評価指標の範囲は、母子保健、健康づくり、高齢者保健福祉、精神保健福祉、感染症対策、難病保健及びに産業保健の7領域とした。
研究方法
平成25年度は、協力が得られた31自治体等に平成24年度までに開発した評価指標を用いて実際の保健活動の評価を依頼し、評価指標の有用性を検証し評価指標の精緻化を図った。平成26年度は検証協力者を60カ所に拡大して実施した。平成25年度の協力者には2年間の事業評価を依頼し、評価指標が経年変化をあらわす感度を持つ評価指標であるかを含め検証し、評価指標の精緻化を図った。平成27年度は前年度に検証した評価指標がどこでも用いることができる標準化された評価指標であるかを検証するために、全国の市区町村と保健所および協力の得られた事業所、計3359か所を対象として評価指標の「わかりやすさ」と評価指標の「重要性」について5件法で回答を依頼し、他に評価指標に対する意見を自由記載で求める自記式郵送調査を実施した。
結果と考察
調査票回収数は1340で回収率39,9%であった。各領域の評価指標のわかりやすさと重要性ついての回答が70~75%以上の評価指標は標準化されたものとし、わかりやすさがそれ以下は自由意見を参考とし評価指標の文言の修正を行い、重要性がそれ以下のものについては、研究班員で論議し、評価指標の分割、統合、破棄、創設を行った。また、領域を超え保健師活動の評価に共通して用いることができるコア評価指標の分析を行った。
最終的に標準化された評価指標の項目数は、母子保健:32、健康づくり:36、高齢者保健福祉:28、精神保健福祉:37、感染症対策:71、難病保健:30となった。領域を超えて保健師活動を評価するコア評価指標は、構造、プロセス、アウトカムで抽出されたが、行政事務や社会福祉等の他職種との比較においてより保健師による活動の固有の方法の質と効用を測る評価指標の抽出には、さらなる情報の分析が必要の結論に達し、今後の研究課題とした。
結論
標準化された評価指標が、全国の保健活動の質と効用を表すために、これらの評価指標が政策統計の報告事項といて活用されることを提言した。PDCAサイクルを展開している保健活動の質を示すとともに、関係部局と共同した計画や施策化、住民や関係者との連携・協働のシステムの維持・発展、協働により解決された課題、住民参加による活動・支援等の質をあらわす評価指標の活用について提言した。今後さらにこれらの評価指標の政策統計としての適用可能性について検討することを今後の課題とした。

公開日・更新日

公開日
2016-11-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2016-11-22
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201501001C

成果

専門的・学術的観点からの成果
全国の市区町村と保健所及び協力の得られた事業所を対象として、これまでに開発してきた評価指標の「わかりやすさ」と評価指標の「重要性」について5件法で回答する郵送調査を行い、評価指標の「わかりやすい」と「重要」の回答が70~75%以上の評価指標は全国で用いることができると判断し、それ以下の評価指標については論議集約し、どこでも用いることができる標準化された評価指標を抽出した。
臨床的観点からの成果
これまので保健活動の評価は、保健事業の実績(アウトプット)を提示してきていたが、本研究で開発した評価指標は「ストラクチャー」「プロセス」「アウトカム」を測るものとし、特に保健活動のプロセスとアウトカムを見せる化させ、経年的に評価することで保健活動の質的な変化を把握できるものとした。また、これらの評価指標は、地域保健従事者がPDCAサイクルを展開しているかの自己評価や研修のツールとなることも明らかにされた。
ガイドライン等の開発
評価指標を作成した保健活動の領域と評価項目数は、母子保健:35項目、健康づくり:36項目、高齢者保健福祉:28項目、精神保健福祉:37項目、感染症対策:71項目、難病保健:30項目、産業保健:50項目の7領域とした。これらの各評価指標に評価の観点と留意事項を記した評価マニュアルを付記し、評価指標集(冊子)を作成し、全国の市区町村と保健所及び調査協力者である事業所へ配布した。
その他行政的観点からの成果
標準化された評価指標は、PDCAサイクルを展開している保健活動のプロセスや、関係部局と共同した計画や施策化や、住民や関係者との連携・協働等のプロセス指標、また、システムの維持・発展、協働により解決された課題、住民による活動・支援の増大を図るアウトカム指標である。これらを保健活動の質と効用を示す指標とし全国の保健活動を集計する政策統計の報告事項といて活用することを提言した。
その他のインパクト
研究の成果物である評価指標集を全国の市町村、保健所等に配布することを厚生労働省健康局健康課保健指導室の協力を得て全国に周知し活用されるようにした。また、地域保健看護関連の学術集会のワークショップ等において評価指標の開発の経過と評価指標の使用方法について解説し、意見交換を行う。第19回日本地域看護学会学術集会(栃木:自治医科大学:平成28年8月26日)

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
20件
第73~75回日本公衆衛生学会総会で分担研究毎にポスター発表を行った。
学会発表(国際学会等)
2件
48回(日本)で開催されたアジア環太平洋公衆衛生学術大会で、2015年度に全国調査で標準化を図った評価指標のposter発表を行った。
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
15件
評価指標の紹介と活用方法について説明会を実施するとともに、自治体が開催する評価に関する研修会講師として普及を図った。

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2016-08-03
更新日
2018-05-21

収支報告書

文献番号
201501001Z