文献情報
文献番号
201451027A
報告書区分
総括
研究課題名
医薬品等のベネフィット・リスク評価のための医療情報データベースシステムの品質管理及び標準化手法に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
村田 晃一郎(北里大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 熊谷 雄治(北里大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 【委託費】 医薬品等規制調和・評価研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
15,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
医療情報を集積したデータベースシステムを医薬品等の安全対策等に適切に利活用するためには、解析手法の高度化のみならず、解析に用いるデータベースシステムの高い信頼性が求められる。本研究においては、「医療情報データベース基盤整備事業」において構築した「MID-NET統合データソース」をモデルとして、(1)北里大学グループの4病院のデータを活用した場合の問題点の整理。(2)データ標準化・品質管理に係る手法の検討、ならびにMID-NET統合データベースの品質管理のための手法の検討及び課題整理を行う。 これらにより、コードの標準化・品質管理に係る問題点についての知見を得ることを目的とする。
研究方法
(1)北里大学4病院間ネットワーク内に構築されたMID-NET統合データベースについて、データが病院情報システム(以下「HIS」という。)から確実に転送、格納されているかを確認するため、同一期間のHISデータとMID-NET統合データソースのデータの件数、属性などを、患者情報、来院等情報、傷病情報等のエンティティ毎に、HIS、SS-MIX2標準化ストレージ、統合データソースに格納されたデータを精査し、その問題点を整理し比較する。(2)複数施設HISから構築されたMID-NET統合データソースについて、単一のHISから構築する場合とは異なる、施設間不整合の問題についても併せて検討する。また、品質管理の基本となる病名、処方・注射、臨床検査に関する、各種コードの標準化対応状況を調査する。 また、未対応である場合の原因調査及び課題整理を行い、品質管理に資する知見を得る。 そして、標準化及び品質管理に関わる手法を検討するとともに、当該手法を可能な限り一般化して迅速かつ低コストでデータベースの信頼性の確保を実現するために必要な要件、課題等について調査する。
結果と考察
(1)北里大学4病院間ネットワーク内に構築されたMID-NET統合データソース(以下「DS」という。)について、データが病院情報システム(以下「HIS」という。)から確実に転送、格納されているかの確認を実施した。 患者情報・患者来院情報にていてはテストデータを用いた検討であったため、実データを用いて再度検討をおこなう事とした。 傷病名情報は、「HIS」側のICD10コードと「DS」側のICD10コードが不一致となるデータが存在した。標準病名コード(ICD10対応標準病名)マスタを修正中であったために発生した問題であることが確認された。 処方・注射情報における投与経路は、自己注射(規格数量)、注射器(規格数量)、器材(規格数量)において、「DS」側でNullとなるエラーがあり、4病院でコードが統一されていないためであった。 検体検査情報では、診療科の不整合が生じていたが、部門システム側の送信データ不正により発生した異常な診療コードであった。 その他、薬剤や検体検査などにエラーデータが確認されたが、ほとんどの項目について問題となった原因は明らかとなり、既にその一部は解決済みであった。 細菌検査検査情報では、菌名コードと菌名が対応していないエラーが多発していた。4病院でそれぞれ、標準コードへの対応が異なっていたためであることが判明した。 また、今回の調査では、マスターメンテナンスや標準コードのメンテナンス手順が明確になっておらず、病院間での共有も行われていなかった。 今後、病院間での協議を含め、解決されていない項目に関する検討が必要である。 (2)複数施設がグループとしてデータベースを構築する際の問題としては、一つの医療機関が単独で参加する場合に比較して、標準コードのへの対応や共通化に対して、様々な問題を抱えていることが本研究により判明した。大別して、(a)各種マスターテーブル(システム運用のためのコード体系)が各々の病院で異なっていたこと、(b)それらの標準コードへの対応レベルが異なっていたことが大きかった。そして、このことが北里大学におけるHISとMID-NETとのインターフェイス構築が病院毎に必要となった原因と考えられる。また、標準コードへの対応レベルの差異は、病院毎に導入の最終決定をしたためであり、法人全体としての意思決定プロセスにも問題があった。
結論
本研究では、4つのHISから構築された統合データソースの問題点を整理し明らかにした。また、データの信頼性に係わる問題点の整理および解決方法の検討を行った。また、単に標準コードに対応するのみでは無く、アップデートや修正などのメンテナンスについても施設間での共通ルールが必要であると考えられる。今後は、明らかになった解決方法に従って十分な品質管理を行うとともに、残された課題を解決し、その維持が可能となるような体制を組織して行くことが重要であると考えられる。
公開日・更新日
公開日
2018-06-21
更新日
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