高機能性薬物キャリアを利用した医薬品の品質確保に関する研究

文献情報

文献番号
201451024A
報告書区分
総括
研究課題名
高機能性薬物キャリアを利用した医薬品の品質確保に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
合田 幸広(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
研究分担者(所属機関)
  • 加藤 くみ子(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
  • 宮崎 玉樹(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 【委託費】 医薬品等規制調和・評価研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
28,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ナノ医薬品及び経皮吸収型製剤の品質・安全性確保の方策を確立する.
研究方法
1. 機能性キャリアを利用したナノ医薬品の品質確保に関する研究, 2.経皮吸収型製剤の品質特性にクリティカルな因子の解明とその評価法,の2研究グループに別れ,本年度は,主に調査研究を行った.
結果と考察
1.製剤の表面物性・構造安定性に関する評価手法等について調査.文献より走査型プローブ顕微鏡でナノ粒子表面の物性を測定できる可能性が示唆された.体内動態・細胞内動態や安全性に関わる評価手法では,共焦点顕微鏡システムを立ち上げモデルリポソームを作製.また,ナノ医薬品の細胞内動態や安全性に関わる情報を収集した.PEG修飾リポソームその他のナノ粒子につき,細胞内取り込みにLDL受容体の関与が示唆された.さらにsiRNA等を搭載したナノテク応用製剤の開発状況を調査,安全性に関わる事例等を抽出した.本研究で得られた知見を,核酸(siRNA)搭載ナノ製剤に関するリフレクションペーパー案に反映させた.2.現在,国内市販経皮吸収型製剤は放出制御方式の違いにより,リザーバー型とマトリックス(M)型に大別されるが,投与中の事故発生低減のため,現在はM型が主流.M型製剤の薬物放出制御には,基剤として使用される添加物が大きく関与.また,経皮吸収型製剤に適用される製剤試験として,放出試験法と粘着力試験法がJP17に向け整備.放出試験法には,溶出試験器を一部流用した方法(パドルオーバーディスク法,シリンダー法)とフランツ型セルを用いた方法が採用されている.前者2法は,USPとEPにも類似の試験法が収載されており,世界的に標準的な試験法.粘着力試験法では粘着特性の内,粘着力とタック性を測定する試験法が採用されている.また,モデル製剤について薬物の結晶性及び多形判別をX線回折測定により試みた.その結果,非結晶性の添加物が示すハローパターンの為ベースラインの上昇が見られたが,薬物多形に特徴的ピークの2θ値を確認することで,多形判別が可能であることが判明した.
結論
 ナノ医薬品承認申請等の際に用いるべき標準的評価法等の策定,品質管理手法構築において留意すべき点をまとめたガイドライン案等の策定及び,経皮吸収型製剤の有効成分の放出試験等を日本薬局方参考情報に掲載することを目指し,来年度以降検討を行う.

公開日・更新日

公開日
2015-06-29
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201451024C

収支報告書

文献番号
201451024Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
28,000,000円
(2)補助金確定額
28,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 14,262,581円
人件費・謝金 2,374,766円
旅費 57,660円
その他 11,305,255円
間接経費 0円
合計 28,000,262円

備考

備考
最終消耗品購入の際に自己補てんにて262円を自弁いたしました。

公開日・更新日

公開日
2018-06-21
更新日
-