文献情報
文献番号
201451023A
報告書区分
総括
研究課題名
医療用配合剤の評価のあり方に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
成川 衛(北里大学薬学部 臨床医学(医薬開発学))
研究分担者(所属機関)
- 松原 肇(北里大学薬学部 薬物治療学Ⅲ)
- 細木 るみこ(独立行政法人医薬品医療機器総合機構 レギュラトリーサイエンス推進部研究課)
- 小林 江梨子(千葉大学大学院薬学研究院 臨床教育)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 【委託費】 医薬品等規制調和・評価研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
2,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
近年、高血圧症や糖尿病等の疾病領域において、医療用配合剤(有効成分を2以上含有する医薬品)が数多く開発されている。本研究は、この医療用配合剤について、臨床現場の評価や今後のニーズ、欧米における承認の要件や審査内容、日本での審査内容、国内外における今後の開発動向等に関する情報の収集及び整理・分析を行い、今後、我が国における医療用配合剤の開発・評価のあり方について検討する際の基礎資料を得ることを目的とした。
研究方法
医療用配合剤の中でも特に高血圧症や糖尿病等の生活習慣病に対する経口剤を主な研究対象とし、以下に示す主な研究項目に沿って情報の収集及び整理・分析を行った。それらを踏まえて、今後の我が国における経口医療用配合剤の開発・評価のあり方等について考察した。
(1)医療用配合剤に対する医療現場の評価に関する研究、(2)日本における配合剤の審査内容等に関する研究、(3)欧米における配合剤の審査内容等に関する研究、(4)国内外での配合剤の開発動向に関する研究
(1)医療用配合剤に対する医療現場の評価に関する研究、(2)日本における配合剤の審査内容等に関する研究、(3)欧米における配合剤の審査内容等に関する研究、(4)国内外での配合剤の開発動向に関する研究
結果と考察
医療用配合剤については、古くは「医療用配合剤の取扱いについて」(昭和55年6月25日薬審 第804号)により配合剤としての要件(事由)が示され、それが長く厳密に運用されてきた結果、我が国で開発・承認される配合剤は限られてきた。その後、当該取扱いは平成11年4月及び平成17年3月に改訂され、現在に至っている。現在の取扱いでは、その配合意義に関し、①輸液等用時調製が困難なもの、②副作用(毒性)軽減又は相乗効果があるもの、③患者の利便性の向上に明らかに資するもの、④その他配合意義に科学的合理性が認められるものの、いずれかの事由に該当することが求められている。
近年、我が国における医療用配合剤の開発は活発化し、高血圧症や糖尿病をはじめとする疾病領域において、既存の医薬品の成分を組み合わせた医薬品(特に経口剤)が数多く開発・承認されている。このような配合剤については、患者の利便性・コンプライアンスの向上や既存薬(の組合せ)の適正使用の観点から肯定的にとらえる意見がある一方で、各医薬品成分の組合せ及び用量の固定化の必要性・妥当性、医療費の効率化、薬局での在庫管理等の観点から、配合剤の必要性や意義に疑問を呈する声もある。
本研究の結果、医療従事者は、医療用配合剤に対してメリット及びデメリット感の双方を有していることが明らかになり、今後の開発に当たってはこれらを念頭に置くことが重要と考えられる。また、現在までに欧州及び米国で承認され市場に存在している配合剤と、国内で承認されている又は開発予定の配合剤は、高血圧症、高コレステロール血症、糖尿病、喘息又はCOPD、高眼圧症といった疾患領域を対象としたものが多く、概ね同様であった。今後も、このような配合剤の開発が行われることを想定し、特に既承認の医薬品有効成分を組み合わせた形での高血圧症や糖尿病等の生活習慣病に対する経口医療用配合剤を念頭に、これらを開発しようとする際に留意すべき事項を記した「経口医療用配合剤の開発における留意事項(案)」をとりまとめた。文書の章立てを以下に示す。
「経口医療用配合剤の開発における留意事項(案)」
1. 総論
2. 配合剤の用途
(1) 置き換え治療、(2) 2次治療、(3) 1次治療
3. 配合剤の用法・用量、各有効成分の配合量
4. 臨床データパッケージ
(1) 臨床薬理学的検討、(2) 有効性・安全性の検討、(3) 臨床データパッケージの組み立て、(4) 配合意義
5. 市販後安全対策
近年、我が国における医療用配合剤の開発は活発化し、高血圧症や糖尿病をはじめとする疾病領域において、既存の医薬品の成分を組み合わせた医薬品(特に経口剤)が数多く開発・承認されている。このような配合剤については、患者の利便性・コンプライアンスの向上や既存薬(の組合せ)の適正使用の観点から肯定的にとらえる意見がある一方で、各医薬品成分の組合せ及び用量の固定化の必要性・妥当性、医療費の効率化、薬局での在庫管理等の観点から、配合剤の必要性や意義に疑問を呈する声もある。
本研究の結果、医療従事者は、医療用配合剤に対してメリット及びデメリット感の双方を有していることが明らかになり、今後の開発に当たってはこれらを念頭に置くことが重要と考えられる。また、現在までに欧州及び米国で承認され市場に存在している配合剤と、国内で承認されている又は開発予定の配合剤は、高血圧症、高コレステロール血症、糖尿病、喘息又はCOPD、高眼圧症といった疾患領域を対象としたものが多く、概ね同様であった。今後も、このような配合剤の開発が行われることを想定し、特に既承認の医薬品有効成分を組み合わせた形での高血圧症や糖尿病等の生活習慣病に対する経口医療用配合剤を念頭に、これらを開発しようとする際に留意すべき事項を記した「経口医療用配合剤の開発における留意事項(案)」をとりまとめた。文書の章立てを以下に示す。
「経口医療用配合剤の開発における留意事項(案)」
1. 総論
2. 配合剤の用途
(1) 置き換え治療、(2) 2次治療、(3) 1次治療
3. 配合剤の用法・用量、各有効成分の配合量
4. 臨床データパッケージ
(1) 臨床薬理学的検討、(2) 有効性・安全性の検討、(3) 臨床データパッケージの組み立て、(4) 配合意義
5. 市販後安全対策
結論
今後、本研究結果を参考にしながら、複数の医薬品有効成分の各々を固定用量として組み合わせて製剤化することの科学的合理性を有し、医療の向上に役立つ配合剤が開発・上市されていくことが望まれる。
公開日・更新日
公開日
2018-06-21
更新日
-