文献情報
文献番号
201451011A
報告書区分
総括
研究課題名
コンパニオン診断薬の臨床性能のブリッジングのための評価手法に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
鈴木 孝昌(国立医薬品食品衛生研究所 遺伝子細胞医薬部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 【委託費】 医薬品等規制調和・評価研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
近年コンパニオン診断薬の重要性が高まっているが、新薬との同時開発という新たなスキームによる臨床性能評価においては、これまでにない課題も指摘されている。開発の途中段階で診断薬を変更せざるを得ない場合や、既承認品に対するコンパニオン診断薬が後付で必要とされる場合などには、異なる臨床性能試験データ等のブリッジングにより、目的とする診断薬の臨床性能を担保する必要性が生じる。そこで、コンパニオン診断薬を検査対象物質や検査方法ごとに分類した上でそれらの問題点を抽出し、ブリッジングの可能性および方法に関して具体的な検討を行うことを目的とする。
研究方法
1 専門家による検討会
本研究を遂行するにあたり、産学官の検討チームを立ち上げた。
2企業向けアンケート調査の実施
アンケートはWeb上にて回答が行えるシステムを利用した。調査対象企業は、製薬企業、診断薬企業、検査センター、医療機器企業とした。
3 海外での規制動向の調査
海外でのコンパニオン診断薬をめぐる規制動向に関する最新の情報を得るため、FDA等の規制に関する専門知識を有している専門家より直接情報提供と解説を受けた。
4.臨床性能試験データのブリッジングに関する検討
コンパニオン診断薬の分類として、検出対象物質、検出手法などの項目に関して検討を行った。また。既存のコンパニオン診断薬に関する課題に関しても検討を行った。
5.変異導入リファレンス細胞株の作製
ブリッジングのための希少バリアント標準品調製のための変異導入細胞株の作製に関して、BRAF遺伝子変異をターゲットとして、日本人由来正常ヒト細胞株を利用したジーンターゲッティング法によるモデル細胞株の作製に着手した。
本研究を遂行するにあたり、産学官の検討チームを立ち上げた。
2企業向けアンケート調査の実施
アンケートはWeb上にて回答が行えるシステムを利用した。調査対象企業は、製薬企業、診断薬企業、検査センター、医療機器企業とした。
3 海外での規制動向の調査
海外でのコンパニオン診断薬をめぐる規制動向に関する最新の情報を得るため、FDA等の規制に関する専門知識を有している専門家より直接情報提供と解説を受けた。
4.臨床性能試験データのブリッジングに関する検討
コンパニオン診断薬の分類として、検出対象物質、検出手法などの項目に関して検討を行った。また。既存のコンパニオン診断薬に関する課題に関しても検討を行った。
5.変異導入リファレンス細胞株の作製
ブリッジングのための希少バリアント標準品調製のための変異導入細胞株の作製に関して、BRAF遺伝子変異をターゲットとして、日本人由来正常ヒト細胞株を利用したジーンターゲッティング法によるモデル細胞株の作製に着手した。
結果と考察
1. 専門家による検討会の立ち上げ
当該分野に見識および経験の深い10名のメンバーからなる産学官の検討チームを立ち上げ、計3回の検討会を開催し、本研究の進め方および企業へのアンケート調査に関する助言を受けるとともに、コンパニオン診断薬に関する問題点に関して議論を行った。またPMDAのコンパニオン診断薬プロジェクトチームとも連携を取りながら、今後予想される問題点の絞込みを進めた。
2.企業向けアンケート調査
Webアンケートは、製薬企業向け、診断薬企業向け、診断機器メーカー向け、および臨床検査センター向けに異なるサイトを準備し、一部共通した30-50問程度の設問を設定した。アンケートは、製薬協等の業界団体を通じて関連企業へ回答依頼をした。
3.海外での規制動向の調査
コンパニオン診断薬の規制に関しては、欧州に比べて米国の方が先行しており、本邦での規制を考える上では参考にできる点、しかし、保険償還制度の違いや、いわゆるLDT(Laboratory Developed Test)の存在など日本の制度とは異なる点も存在するため、単に米国に追随するのではなく日本独自の規制システムを構築することが重要である点が明らかとなった。
4.臨床性能試験データのブリッジングに関する検討
コンパニオン診断薬の特性に関する分類として、解析対象物質による分類に加えて、検出手法および検出目的により分類し、各項目における要素技術を抽出した。項目ごとに、ブリッジングの容易性、妥当性を検証するため、臨床性能試験のブリッジングが容易だと考えられる事例、難しいと考えられる事例を抽出し、前者に関して今後具体的指標の作成を検討することとした。さらに、臨床性能試験データのブリッジングに必要な要件を考えるため、これまでに承認申請されたコンパニオン診断薬に関する事例研究を行った。
5.変異導入リファレンス細胞株の作製
BRAFターゲット遺伝子情報からsgRNA(single-guide RNA)配列を設計し、設計したsgRNA配列を導入した動物細胞発現用プラスミドベクター、及びCas9タンパク発現プラスミドベクターを構築した。同時に、既に報告されているBRAFV600近傍の遺伝子変異をリストアップし、これらの変異をすべて網羅するため、13種類の変異導入オリゴマーをデザインし、合成した。
当該分野に見識および経験の深い10名のメンバーからなる産学官の検討チームを立ち上げ、計3回の検討会を開催し、本研究の進め方および企業へのアンケート調査に関する助言を受けるとともに、コンパニオン診断薬に関する問題点に関して議論を行った。またPMDAのコンパニオン診断薬プロジェクトチームとも連携を取りながら、今後予想される問題点の絞込みを進めた。
2.企業向けアンケート調査
Webアンケートは、製薬企業向け、診断薬企業向け、診断機器メーカー向け、および臨床検査センター向けに異なるサイトを準備し、一部共通した30-50問程度の設問を設定した。アンケートは、製薬協等の業界団体を通じて関連企業へ回答依頼をした。
3.海外での規制動向の調査
コンパニオン診断薬の規制に関しては、欧州に比べて米国の方が先行しており、本邦での規制を考える上では参考にできる点、しかし、保険償還制度の違いや、いわゆるLDT(Laboratory Developed Test)の存在など日本の制度とは異なる点も存在するため、単に米国に追随するのではなく日本独自の規制システムを構築することが重要である点が明らかとなった。
4.臨床性能試験データのブリッジングに関する検討
コンパニオン診断薬の特性に関する分類として、解析対象物質による分類に加えて、検出手法および検出目的により分類し、各項目における要素技術を抽出した。項目ごとに、ブリッジングの容易性、妥当性を検証するため、臨床性能試験のブリッジングが容易だと考えられる事例、難しいと考えられる事例を抽出し、前者に関して今後具体的指標の作成を検討することとした。さらに、臨床性能試験データのブリッジングに必要な要件を考えるため、これまでに承認申請されたコンパニオン診断薬に関する事例研究を行った。
5.変異導入リファレンス細胞株の作製
BRAFターゲット遺伝子情報からsgRNA(single-guide RNA)配列を設計し、設計したsgRNA配列を導入した動物細胞発現用プラスミドベクター、及びCas9タンパク発現プラスミドベクターを構築した。同時に、既に報告されているBRAFV600近傍の遺伝子変異をリストアップし、これらの変異をすべて網羅するため、13種類の変異導入オリゴマーをデザインし、合成した。
結論
・企業向けアンケート調査の結果から、日本におけるコンパニオン診断薬に対する取組状況が把握できたとともに、様々な問題点が浮き彫りとなった。特に、ビジネスモデルや規制の整備と明瞭化、後付けのコンパニオン診断薬の問題、LDTの取り扱いなどが重要な課題となっていた。
・後付けのコンパニオン診断薬の問題など、評価が難しく、臨床性能試験データのブリッジングが要求される事例に関して、今後更に議論を深める必要がある。
・後付けのコンパニオン診断薬の問題など、評価が難しく、臨床性能試験データのブリッジングが要求される事例に関して、今後更に議論を深める必要がある。
公開日・更新日
公開日
2015-06-24
更新日
-