文献情報
文献番号
201451009A
報告書区分
総括
研究課題名
インフルエンザ様疾患罹患時の異常行動に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
岡部 信彦(川崎市健康安全研究所)
研究分担者(所属機関)
- 宮崎 千明(福岡市立心身障がい福祉センター)
- 桃井 真里子(国際医療福祉大学)
- 谷口 清州(独立行政法人国立病院機構三重病院 国際保健医療研究室)
- 大日 康史(国立感染症研究所 感染症疫学センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 【委託費】 医薬品等規制調和・評価研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
7,273,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
インフルエンザ様疾患罹患時に見られる異常な行動が、医学的にも社会的にも問題になり、その背景に関する実態把握の必要があり、昨年度に引き続いて調査を行った。
2006/2007シーズンは後向き調査であったが、2007/2008シーズン、2008/2009シーズン、2009/2010シーズン、2010/2011シーズン、2011/2012シーズン、2012/2013シーズンは、前向き調査として実施されており、2013/2014シーズンは前向き調査の7年目になる。
2006/2007シーズンは後向き調査であったが、2007/2008シーズン、2008/2009シーズン、2009/2010シーズン、2010/2011シーズン、2011/2012シーズン、2012/2013シーズンは、前向き調査として実施されており、2013/2014シーズンは前向き調査の7年目になる。
研究方法
重度の異常な行動に関する調査(重度調査)は、すべての医療機関においての調査を依頼した。
軽度調査は、インフルエンザ定点医療機関のみに依頼した。報告方法はインターネット又はFAXとした。
また、重度の異常行動の発症率と服用したノイラミニダーゼ阻害剤の種類との関連について、厚生労働省薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会が公表したノイラミニダーゼ阻害剤毎の推定患者数及び薬局サーベイランスによる薬剤毎の推定患者数を用いてそれぞれ検討した。
軽度調査は、インフルエンザ定点医療機関のみに依頼した。報告方法はインターネット又はFAXとした。
また、重度の異常行動の発症率と服用したノイラミニダーゼ阻害剤の種類との関連について、厚生労働省薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会が公表したノイラミニダーゼ阻害剤毎の推定患者数及び薬局サーベイランスによる薬剤毎の推定患者数を用いてそれぞれ検討した。
結果と考察
結果:重度の異常な行動及び軽度の異常な行動の発生状況については、従来同様にインフルエンザ罹患者における報告と概ね類似していた。また、重度の異常行動の発症率と服用したノイラミニダーゼ阻害剤の種類との関連については、薬局サーベイランスによる推定患者数を用いた分析では、0-9歳でのみ有意であり、ザナミビル使用例での発症率がラニナミビル使用例やオセルタミビル使用例での発症率より有意に低かった。一方、厚生労働省薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会が公表した推定患者数を用いた分析では、全ての重度な異常行動において、一部の解析でペラミビル使用例での発症率が他の薬剤より有意に高かった。
考察:2013/2014シーズンのインフルエンザ流行は、発生動向調査では過去10年と比較して小規模な流行であった。重度の異常な行動の報告数は過去8年間で4番目に多かった。重度の異常な行動の発生状況について、従来のインフルエンザ罹患者における報告と概ね類似していた。年齢は9歳が最頻値で、男性が68%、女性が32%と、男性の方が多かった。重度の異常行動の発症率と服用したノイラミニダーゼ阻害剤の種類との関連については、統計学的な検討の結果に全体的な傾向は認められなかったので、引き続き検討が必要であると考えられた。加えて、有意に発症率が低いことがその薬剤の安全性を意味するものではなく、異常行動は有意に発症率が低いノイラミニダーゼ阻害剤においても報告されていた。また、報告内容には、飛び降りなど、結果として重大な事案が発生しかねない報告もあった。
考察:2013/2014シーズンのインフルエンザ流行は、発生動向調査では過去10年と比較して小規模な流行であった。重度の異常な行動の報告数は過去8年間で4番目に多かった。重度の異常な行動の発生状況について、従来のインフルエンザ罹患者における報告と概ね類似していた。年齢は9歳が最頻値で、男性が68%、女性が32%と、男性の方が多かった。重度の異常行動の発症率と服用したノイラミニダーゼ阻害剤の種類との関連については、統計学的な検討の結果に全体的な傾向は認められなかったので、引き続き検討が必要であると考えられた。加えて、有意に発症率が低いことがその薬剤の安全性を意味するものではなく、異常行動は有意に発症率が低いノイラミニダーゼ阻害剤においても報告されていた。また、報告内容には、飛び降りなど、結果として重大な事案が発生しかねない報告もあった。
結論
インフルエンザ罹患時における異常行動による重大な転帰の発生を抑止するために、次の点に対する措置が引き続き必要であると考えられた。
・抗インフルエンザウイルス薬の処方の有無に関わらず、インフルエンザ発症後の異常行動に関して、再度、注意喚起を行うこと。
・抗インフルエンザウイルス薬についても、従来同様の注意喚起を徹底するとともに、異常行動の収集・評価を継続して行うこと。
・抗インフルエンザウイルス薬の処方の有無に関わらず、インフルエンザ発症後の異常行動に関して、再度、注意喚起を行うこと。
・抗インフルエンザウイルス薬についても、従来同様の注意喚起を徹底するとともに、異常行動の収集・評価を継続して行うこと。
公開日・更新日
公開日
2016-04-19
更新日
-