文献情報
文献番号
201447005A
報告書区分
総括
研究課題名
薬剤耐性菌サーベイランスとゲノムデータの集約・解析に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
黒田 誠(国立感染症研究所 病原体ゲノム解析研究センター)
研究分担者(所属機関)
- 柴山恵吾(国立感染症研究所 細菌第二部)
- 大西真(国立感染症研究所 細菌第一部)
- 鈴木里和(国立感染症研究所 細菌第二部)
- 秋庭正人(動物衛生研究所 細菌・寄生虫研究領域)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【委託費】 新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
36,100,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
薬剤耐性菌の蔓延は世界中で問題となっており、耐性菌が分布する地域から人、家
畜、食糧等の移動に伴い世界中に拡散している。薬剤耐性遺伝子はプラスミド等の可動
性因子を介して他の菌に伝達することが知られ、菌種を超えた薬剤耐性の水平伝達に着
目した。本計画では主に家畜、環境、食品、臨床由来耐性菌を対象にその染色体と薬剤
耐性プラスミドの塩基配列情報を取得しデータベース化して耐性遺伝子の動態を監視
できるシステムの構築を目指している。
畜、食糧等の移動に伴い世界中に拡散している。薬剤耐性遺伝子はプラスミド等の可動
性因子を介して他の菌に伝達することが知られ、菌種を超えた薬剤耐性の水平伝達に着
目した。本計画では主に家畜、環境、食品、臨床由来耐性菌を対象にその染色体と薬剤
耐性プラスミドの塩基配列情報を取得しデータベース化して耐性遺伝子の動態を監視
できるシステムの構築を目指している。
研究方法
本年度は1年目として薬剤耐性菌のゲノム情報および薬剤耐性プラスミドを中心に
配列解読を次世代シークエンサーにて遂行し、プラスミド単位の全配列解読を行った。
配列解読を次世代シークエンサーにて遂行し、プラスミド単位の全配列解読を行った。
結果と考察
プラスミド解析用サンプル調整プロトコールを確立し、計218 株
から557 プラスミドの配列を取得し、IMP 型metallo-ß-lactamase とblaCTX-M-2 を
保有するInc N プラスミドの多様性と分布解析、インド環境水からセフォタキシムとイ
ミペネムのいずれかに耐性を示した計55 株の大腸菌・薬剤耐性プラスミド配列、国内
牛糞便由来STEC 45 株の薬剤耐性プラスミド配列を取得し、臨床、環境および家畜に
おける薬剤耐性プラスミドの情報収集に尽力した。ESBL 産生が疑われる腸チフス菌お
よびパラチフスA 菌株の薬剤耐性プラスミド配列と全ゲノム情報も取得し、高病原性菌
種への薬剤耐性伝達について解明する基盤情報を得た。プラスミド解析システム GPAT
と相互ネットワーク解析システム iPAT を開発し、過去の既知プラスミド配列との比較
解析により、汚染食材の流通、旅行者等で生じた薬剤耐性菌伝播のトレースを可能にし
た。
から557 プラスミドの配列を取得し、IMP 型metallo-ß-lactamase とblaCTX-M-2 を
保有するInc N プラスミドの多様性と分布解析、インド環境水からセフォタキシムとイ
ミペネムのいずれかに耐性を示した計55 株の大腸菌・薬剤耐性プラスミド配列、国内
牛糞便由来STEC 45 株の薬剤耐性プラスミド配列を取得し、臨床、環境および家畜に
おける薬剤耐性プラスミドの情報収集に尽力した。ESBL 産生が疑われる腸チフス菌お
よびパラチフスA 菌株の薬剤耐性プラスミド配列と全ゲノム情報も取得し、高病原性菌
種への薬剤耐性伝達について解明する基盤情報を得た。プラスミド解析システム GPAT
と相互ネットワーク解析システム iPAT を開発し、過去の既知プラスミド配列との比較
解析により、汚染食材の流通、旅行者等で生じた薬剤耐性菌伝播のトレースを可能にし
た。
結論
今後、海外拠点との連携を深めるなど、薬剤耐性菌伝播のルーツを探る研究体制と
して更なる強化を図っていくことが必要だと考えている。
して更なる強化を図っていくことが必要だと考えている。
公開日・更新日
公開日
2015-06-09
更新日
-