文献情報
文献番号
201446006A
報告書区分
総括
研究課題名
透明タッチパネル文字盤による重度障害者用意思伝達システムの開発に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
伊藤 和幸(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【委託費】 障害者対策総合研究開発
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究では、透明文字盤を用いたコミュニケーションにおいて介助者が透明文字盤へタッチする動作に着目し、透明文字盤へタッチした位置を検出し、その位置に該当する文字をBluetooth経由でタブレット端末等へ入力できる補助装置を開発する。機器の開発により、介助者の負担を軽減し、ストレスの無い円滑なコミュニケーション環境の実現を図ることを目的する。タッチパネル面は可能な限り透明なものとし、機器全体の重量は介助者が持ち続けることを前提に低減させるものとする。出力先である端末はWindows-PC、iPad、Androidなどのタブレット端末とする。
研究方法
透明文字盤を用いたコミュニケーションにおいては、介助者が透明文字盤上で読み取った文字にタッチする動作があるため、その動作に着目し、透明文字盤へタッチした位置を検出することとする。
・透明文字盤上のタッチ位置の検出には、透明フィルムの裏側から文字を触ることでも入力できるようにするため、ITOフィルムを用いた抵抗膜方式のパネルを選定する。業務主任者はタッチ位置の配置を設計し、フィルム版の製作に反映させる。
・透明文字盤上のタッチ位置を検出する回路の設計を行う
・Bluetooth機器経由で文字を送信する機能の設計を行う。
・透明文字盤に、タッチ位置検出回路、Bluetooth経由の文字送信回路を搭載し、タッチ式の透明文字盤コミュニケーションシステムを試作する。
・試作機により従来の透明文字盤によるコミュニケーション環境との比較を行う。パネルの透明性に違和感がないかどうか、重量は介助者にとって負担がないかどうか、パネルを触ることによる文字入力機能が正常に動作するかどうか、を検証する。
・透明文字盤上のタッチ位置の検出には、透明フィルムの裏側から文字を触ることでも入力できるようにするため、ITOフィルムを用いた抵抗膜方式のパネルを選定する。業務主任者はタッチ位置の配置を設計し、フィルム版の製作に反映させる。
・透明文字盤上のタッチ位置を検出する回路の設計を行う
・Bluetooth機器経由で文字を送信する機能の設計を行う。
・透明文字盤に、タッチ位置検出回路、Bluetooth経由の文字送信回路を搭載し、タッチ式の透明文字盤コミュニケーションシステムを試作する。
・試作機により従来の透明文字盤によるコミュニケーション環境との比較を行う。パネルの透明性に違和感がないかどうか、重量は介助者にとって負担がないかどうか、パネルを触ることによる文字入力機能が正常に動作するかどうか、を検証する。
結果と考察
結果
1 透明文字盤の文字配列とタッチ位置の検出
タッチパネルにはITOフィルムを用いた抵抗膜方式パネルを採用することで、ドット単位での押下位置検出が可能となり、「ぁいぅぇぉ」の文字は「あいうえお」個所の下部を触ることで該当する文字を入力することとした。
2 Bluetooth経由による文字送信機能の搭載
透明文字盤上で触った文字に対応するキーコードをWindows-PCやタブレット端末へ入力することとした。Windows-PCやタブレット端末は全角カナ、カナ入力状態で待機し、透明文字盤システムからの文字送信を受け付けることとした。
3 システムの構築
透明パネルを固定するフレームに塩化ビニル樹脂プレートを採用し、フレームの下部にタッチ位置を検出する回路およびBluetooth経由による文字送信回路を組み込み、システムを構築した。回路部の大きさはW188㎜×H45㎜×D20㎜程度の小型化を実現化した。
4 透明タッチパネル文字盤による試用評価
透明パネルの透明性に問題はなく、パネル越しに発信者の視線を十分に読み取ることができた。また、通常の透明文字盤の重量よりは重いものの、システム全体で285g程度の軽量化を実現し、285g程度の重量であれば問題なく使用できた。試作機の前身であるディジタルペンを利用した「心タッチ」と比較しても、重量による負担感は得られなかった。
考察
ITOフィルムを用いた抵抗膜方式パネルを採用することで、ドット単位での押下位置検出が可能となり、上段の文字を1文字多く配置することができたこと、また、表裏両面からのタッチを検出できることから、空中で保持した状態(表面)と平置きにした状態(裏面)からのタッチ位置の検出が可能となり、介助者の利用だけでない利用方法が見込めることとなった。
1 透明文字盤の文字配列とタッチ位置の検出
タッチパネルにはITOフィルムを用いた抵抗膜方式パネルを採用することで、ドット単位での押下位置検出が可能となり、「ぁいぅぇぉ」の文字は「あいうえお」個所の下部を触ることで該当する文字を入力することとした。
2 Bluetooth経由による文字送信機能の搭載
透明文字盤上で触った文字に対応するキーコードをWindows-PCやタブレット端末へ入力することとした。Windows-PCやタブレット端末は全角カナ、カナ入力状態で待機し、透明文字盤システムからの文字送信を受け付けることとした。
3 システムの構築
透明パネルを固定するフレームに塩化ビニル樹脂プレートを採用し、フレームの下部にタッチ位置を検出する回路およびBluetooth経由による文字送信回路を組み込み、システムを構築した。回路部の大きさはW188㎜×H45㎜×D20㎜程度の小型化を実現化した。
4 透明タッチパネル文字盤による試用評価
透明パネルの透明性に問題はなく、パネル越しに発信者の視線を十分に読み取ることができた。また、通常の透明文字盤の重量よりは重いものの、システム全体で285g程度の軽量化を実現し、285g程度の重量であれば問題なく使用できた。試作機の前身であるディジタルペンを利用した「心タッチ」と比較しても、重量による負担感は得られなかった。
考察
ITOフィルムを用いた抵抗膜方式パネルを採用することで、ドット単位での押下位置検出が可能となり、上段の文字を1文字多く配置することができたこと、また、表裏両面からのタッチを検出できることから、空中で保持した状態(表面)と平置きにした状態(裏面)からのタッチ位置の検出が可能となり、介助者の利用だけでない利用方法が見込めることとなった。
結論
透明文字盤へタッチした位置を検出し、その位置に該当する文字をBluetooth経由でWindows-PCやタブレット端末等へ入力できる補助装置を開発した。
透明パネルを固定するフレームに塩化ビニル樹脂プレートを採用することでシステム全体の軽量化が実現できた。
介助者は障害者の視線を読み取るとともに、見ている文字にタッチすることでその文字が各端末へ入力することができる。システムにより、介助者の負担が軽減され、障害者にとっても会話が途切れないため、ストレスの無い円滑なコミュニケーション環境が実現できた。
透明パネルを固定するフレームに塩化ビニル樹脂プレートを採用することでシステム全体の軽量化が実現できた。
介助者は障害者の視線を読み取るとともに、見ている文字にタッチすることでその文字が各端末へ入力することができる。システムにより、介助者の負担が軽減され、障害者にとっても会話が途切れないため、ストレスの無い円滑なコミュニケーション環境が実現できた。
公開日・更新日
公開日
2015-09-17
更新日
-