家族性アルツハイマー病に関する縦断的観察コホート研究

文献情報

文献番号
201445003A
報告書区分
総括
研究課題名
家族性アルツハイマー病に関する縦断的観察コホート研究
課題番号
-
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
森 啓(大阪市立大学 大学院医学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 加藤 祐一(大阪市立大学 大学院医学研究科)
  • 嶋田 裕之(大阪市立大学 大学院医学研究科)
  • 福井 充(大阪市立大学 大学院医学研究科)
  • 東海林 幹夫(弘前大学 大学院医学研究科)
  • 池内 健(新潟大学 脳研究所)
  • 池田 将樹(群馬大学 医学系研究科)
  • 森 悦朗(東北大学 大学院医学系研究科)
  • 千田 道雄(公益財団法人先端医療振興財団 先端医療センター)
  • 武藤 香織(東京大学 医科学研究所)
  • 中澤 栄輔(東京大学 大学院医学系研究科)
  • 関島 良樹(信州大学 医学部)
  • 池田 学(熊本大学 大学院生命科学研究部)
  • 布村 明彦(山梨大学 大学院医学工学総合研究部)
  • 松田 博史(国立精神・神経医療研究センター)
  • 松原 悦朗(大分大学 医学部)
  • 川勝 忍(福島県立医科大学 会津医療センター)
  • 井原 涼子(東京大学 大学院医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【委託費】 認知症研究開発
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
39,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、本邦で初めての若年性発症をする常染色体優先遺伝性の家族性アルツハイマー病(AD)の家系構成者の発症予防を目指した臨床研究である。グローバル統一基準での検査施行により、日本人の特異性を検討することを含めて、認知症病態カスケードを明らかにすることで、国民への先端認知症医療の遅れを無くすことを目的としている。
研究方法
本臨床研究は、米国DIANとの国際共同研究としての日本国内研究(DIAN Japan/DIAN-J)としての位置付けがあり、米国プロトコールを遵守した臨床検査を展開する。検査項目として、遺伝子検査、体液(血液、髄液)生化学検査、神経心理テスト、脳画像検査があり、MRI以外にアミロイドPET、FDG-PETを実施する。
結果と考察
遺伝カウンセリングの重要性について考慮した結果、研究協力対象者としての候補者エントリーに先だって、丁寧な話合いと説明の意義を確認した。
結論
遺伝カウンセリングの重要性について考慮した結果、研究協力対象者としての候補者エントリーに先だって、丁寧な話合いと説明の意義を確認した。
プロトコールの邦訳を中心に、国内医療基準を基本として精査した内容を、米国DIANとすりあわせた協議を実施した。特に、神経心理テストバッテリーでは、単なる邦訳に留まらない使用権利など複数の障壁があり、これら諸問題を解決する中で、米国DIAN研究プロトコールの微修正の承認を求めていく作業を以下に示すテスト内容を精査した。
1.CDR:核となる認知症評価スケールであり、CDRのトレーニングビデオの邦訳版も作成した。
2.MMSE:邦訳版の使用権利関係について、日本法人との最終的合意直前である。
3.NPI-Q神経精神医学的評価邦訳版を完成させた。
4.Hachinski Ischemic Scoreを利用した虚血評価:邦訳版を完成させた。
5.GDS(Generatric depression scale)老年期うつ病評価:邦訳版を完成させた。
6.FAQ(Functional activities questionnaire)機能評価:邦訳版を完成させた。
7.UPDRS-motorパーキンソン病評価:邦訳版を完成させた。
8.AD8アルツハイマー病スクリーニング質問票:邦訳版を完成させた。
9.Logical Memory Story A論理記憶物語:邦訳版を完成させた。
10.Wechsier Memory Sale-Revised (WMS-R)改訂版ウェクスラー記憶尺度:邦訳版を完成させた。
11.動物および野菜のカテゴリー流暢性:邦訳版を完成させた。
12.トレイルメイキングテスト(TMT)A,B:邦訳版を完成させた。
13.Wechsler Adult Intelligence Scale-Revised (WAIS-R) Digit Symbol:邦訳版を完成させた。
14.Boston Naming Test (BNT)の奇数項目:邦訳版を完成させたが、使用について許可が得られず、代替案としてMINT検査を使用することにした。
15.単語リスト再生:邦訳版を完成させた。
16.文字流暢性(FAS):邦訳版を完成させた。
17.International Personality Item Pool (IPIP)」邦訳版を完成させた。
18.その他の利用課題 作業記憶(計算スパン、リーディングスパン)、注意力(Simon課題、子音-母音、奇数-偶数課題)、エピソード記憶(ペア連結)、視覚空間処理(折り紙)、意味分類(Semantic Categolization):邦訳版を完成させた。
19.Cogstageバッテリー:紙媒体を使用しないiPAD活用によることになった。邦訳版テストのダウンロードまで実施し、全国医療施設での契約を締結する準備を整えた。
この他、エントリー条件として米国プロトコールでは、18才以上となっているが、本邦での嗜好では成人という基準などを鑑み20才以上とすること、さらにデータ入力の手順など詳細を確認しておくことを米国DIAN研究責任者からの了承を以て確定する予定である。

公開日・更新日

公開日
2016-03-14
更新日
-

研究報告書(PDF)

行政効果報告

文献番号
201445003C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本臨床研究は、米国DIANとの国際共同研究としての日本国内研究(DIAN Japan/DIAN-J)としての位置付けがあり、米国プロトコールを遵守した臨床検査実施により、日本人対象者でのアルツハイマー病の病態の進行と予後の予測を具体的な年月で議論、考慮する医学的証拠の確立を目指し、適切な医学医療、とりわけ予防を含めた薬剤の選択と投与時期の有効性を高める臨床研究のための基盤整備を目的とする。
臨床的観点からの成果
本研究は、本邦で初めての若年性発症をする常染色体優先遺伝性の家族性アルツハイマー病(AD)の家系構成者の発症予防を目的とした観察臨床研究である。グローバル統一基準での検査施行により、日本人の特異性を明らかにすることで、国民への先端認知症医療の遅れを無くすことを目指している。初年度は、主としてプロトコールの精査、神経心理テストバッテリーの精査を中心に実施した。
ガイドライン等の開発
該当なし
その他行政的観点からの成果
新オレンジプラン施策における若年性認知症への対応として、本研究は若年性認知症
の中でもとりわけ苦しみの深い家族性疾患を取り上げることで、孤発性疾患までを含
む多くの認知症疾患へのヒカリとなるべく具体的な臨床研究を実施する活動でもある。
その他のインパクト
該当なし

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
2件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2021-06-01
更新日
-

収支報告書

文献番号
201445003Z