二次進行型多発性硬化症に対する革新的な医薬品の開発を促進させる研究

文献情報

文献番号
201442019A
報告書区分
総括
研究課題名
二次進行型多発性硬化症に対する革新的な医薬品の開発を促進させる研究
課題番号
-
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
山村 隆(独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター 神経研究所免疫研究部)
研究分担者(所属機関)
-
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【委託費】 難治性疾患等実用化研究(難治性疾患実用化研究)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
30,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究報告書(PDF)

行政効果報告

文献番号
201442019C

成果

専門的・学術的観点からの成果
転写因子NR4R2の遺伝子改変マウスにおいて、多発性硬化症モデルEAEを誘導することによって、中枢神経系自己免疫にはNR4A2依存性の急性炎症と非依存性の慢性炎症が存在することを明らかにした。NR4A2欠損マウスに誘導した慢性EAEでは、新規T細胞集団(Eomes+ Th細胞)の関与することが明らかになった。この細胞集団は、CD4陽性で転写因子Eomesを発現し、細胞障害活性を発揮する。さらに二次進行型多発性硬化症患者でも、この細胞が増加していることを示した(Nature Comm掲載)。
臨床的観点からの成果
今回発見したEomes陽性CD4陽性T細胞集団(Eomes+ Th細胞)の測定は、二次進行型多発性硬化症の診断に有用なバイオマーカーとしての価値に期待が集まっている。またEomes+ Th細胞を標的とする治療法の開発に対する期待も高まっている。一連の研究は、二次進行型MSに対する新規治療薬開発の標的細胞や分子の同定につながったので、臨床的観点からも意義のある成果が挙がったと考えている。
ガイドライン等の開発
該当するものなし。
その他行政的観点からの成果
該当するものなし。
その他のインパクト
医薬品開発につながる研究として評価され、AMEDの新規研究課題として採択されたことは特記すべき点である。Nature COmmunicationsに掲載された論文の内容はプレスリリースされ、インターネットの専門サイトなどで広く紹介された。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
1件
その他論文(和文)
1件
その他論文(英文等)
1件
学会発表(国内学会)
3件
学会発表(国際学会等)
1件
その他成果(特許の出願)
2件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

特許の名称
進行型免疫性脱髄疾患治療剤
詳細情報
分類:
特許番号: 特願2014-135630
発明者名: 大木伸司、北條浩彦、山村隆
権利者名: 国立精神・神経医療研究センター
出願年月日: 20140701
国内外の別: 国内
特許の名称
進行型免疫性脱髄疾患治療剤
詳細情報
分類:
特許番号: 特願2015-6142
発明者名: 大木伸司、山村隆
権利者名: 国立精神・神経医療研究センター
出願年月日: 20150115
国内外の別: 国内

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
127. Raveney, J.E.B., S. Oki, H. Hohjoh, et al.
Eomesodermin-expressing T-helper cells are essential for chronic neuroinflammation
Nature Communications , 6 , 8437-8444  (2015)

公開日・更新日

公開日
2016-05-26
更新日
2017-06-12

収支報告書

文献番号
201442019Z