慢性活動性 EB ウイルス感染症とその類縁疾患に対する革新的治療薬を実現するための独創的開発基盤

文献情報

文献番号
201442013A
報告書区分
総括
研究課題名
慢性活動性 EB ウイルス感染症とその類縁疾患に対する革新的治療薬を実現するための独創的開発基盤
課題番号
-
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
藤原 成悦(独立行政法人国立成育医療研究センター 母児感染研究部)
研究分担者(所属機関)
-
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【委託費】 難治性疾患等実用化研究(難治性疾患実用化研究)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
30,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究報告書(PDF)

行政効果報告

文献番号
201442013C

成果

専門的・学術的観点からの成果
1) 免疫関連遺伝子の機能に影響すると考えられる稀少variationを3名のCAEBV患者がhomozygousに保有していた。オッズ比は5以上であった。2)転写因子STAT3がEBV感染T細胞・NK細胞で恒常的に活性化されており、STAT3阻害薬がその増殖を阻害したことから、STAT3を標的とする治療法の可能性が示された。3)抗CCR4抗体モガムリズマブが、EBV感染T細胞・NK細胞を抗体依存性細胞傷害(ADCC)を介して傷害することが、培養細胞およびモデルマウスを用いて示された。
臨床的観点からの成果
1) 蚊刺過敏症にはIgEを介した即時型アレルギー、T細胞による炎症性サイトカイン産生、NK細胞活性化による強い組織傷害など、多様な炎症病態が関与することが明らかとなった。2) 種痘様水疱症と蚊刺過敏症の病態解析から、古典的種痘様水疱症に対して、重症型の種痘様水疱症と蚊刺過敏症が有意に予後不良であることが示された。また9歳以上の発症例は予後不良であった。さらに、EBV遺伝子BZLF1の発現を認めるものは予後不良であった。BZLF1発現を簡便に検出するキットを作製した。
ガイドライン等の開発
該当なし
その他行政的観点からの成果
CAEBV患者会SHAKEと連携し、リアルタイムPCR法によるEBV DNA定量検査の保険収載の必要性について情報提供を行った。
その他のインパクト
CAEBV患者会との交流会に参加し、最新の研究成果や診断法などに関する情報提供を行った。また患者会メンバーからは、CAEBV診療に関する患者の視点から見た問題点の指摘を受けた。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
19件
その他論文(和文)
5件
その他論文(英文等)
3件
学会発表(国内学会)
11件
学会発表(国際学会等)
11件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
1件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Fujiwara S, Imadome K, Takei M.
Modeling EBV infection and pathogenesis in new-generation humanized mice
Experimental and Molecular Medicine , 47 , e135-  (2015)
10.1038/emm.2014.88
原著論文2
Watanabe T, Narita Y, Yoshida M, Sato Y, Goshima F, Kimura H, Murata T
The Epstein-Barr Virus BDLF4 Gene Is Required for Efficient Expression of Viral Late Lytic Genes
J Virol , 89 (19) , 10120-1-124  (2015)
原著論文3
Suzuki M, Takeda T, Nakagawa H, et al
The heat shock protein 90 inhibitor BIIB021 suppresses the growth of T and natural killer cell lymphomas
Front Microbiol , 6 , 280-280  (2015)
doi: 10.3389/fmicb.2015.00280
原著論文4
Watanabe T, Fuse K, Takano T et al
Roles of Epstein-Barr virus BGLF3.5 gene and two upstream open reading frames in lytic viral replication in HEK293 cells
Virology , 483 , 44-53  (2015)
原著論文5
Watanabe T, Tsuruoka M, Narita Y et al
The Epstein-Barr virus BRRF2 gene product is involved in viral progeny production.
Virology , 484 , 33-40  (2015)
原著論文6
Narita Y, Sugimoto A, Kawashima D et al
A Herpesvirus Specific Motif of Epstein-Barr Virus DNA Polymerase Is Required for the Efficient Lytic Genome Synthesis.
Sci Rep , 5 , 11767-11767  (2015)
doi: 10.1038/srep11767

公開日・更新日

公開日
2016-05-26
更新日
2019-05-22

収支報告書

文献番号
201442013Z