神経難病治療薬OCH-NCNPの炎症性腸疾患を対象とした医師主導治験へ向けた製剤確保、治験プロトコール作成、治験相談の実施

文献情報

文献番号
201442005A
報告書区分
総括
研究課題名
神経難病治療薬OCH-NCNPの炎症性腸疾患を対象とした医師主導治験へ向けた製剤確保、治験プロトコール作成、治験相談の実施
課題番号
-
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
金井 隆典(慶應義塾大学医学部)
研究分担者(所属機関)
-
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【委託費】 難治性疾患等実用化研究(難治性疾患実用化研究)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
100,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究報告書(PDF)

行政効果報告

文献番号
201442005C

成果

専門的・学術的観点からの成果
OCHはIFN-γやIL-4などの炎症性サイトカインやケモカインの産生に重要や役割を演じるNKT細胞を刺激して、抗炎症性サイトカインの選択的な産生を誘導するが、平成26年度は2つの腸炎モデルにおいて、OCHによる腸炎抑制効果が確認された。また腸管粘膜固有層単核細胞におけるTNFα、IL-6、IL-12などのクローン病の病態形成に関与するサイトカイン産生の抑制効果も確認されたことより、クローン病に対する治療薬として期待できる成果であると考えている。
臨床的観点からの成果
平成26年度にクローン病に対するOCHの安全性・有用性を検証する医師主導治験の試験計画書について作成を行い、PMDAの事前面談を終了した。OCHはクローン病の現行の治療薬であるステロイド、抗TNFα抗体製剤と異なる作用機序を有するため、抗TNFα抗体製剤無効例、効果減弱例に対して治療効果を発揮する可能性が考えられている。今後実用化されることにより従来治療前の治療薬として、あるいは従来治療効果不十分例や効果減弱例の代換療法、補助療法としても使用することが期待できる。
ガイドライン等の開発
現在は治験計画段階であるが、代表研究者は難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班(鈴木班)におけるクローン病治療指針作成委員であり、鈴木班と連携しながらOCHのクローン病患者に対する治療の位置づけを検討していく予定である。
その他行政的観点からの成果
クローン病におけるOCHの有用性・安全性を検証することにより新薬に裨益する機会の乏しい免疫難病の予後改善に直結し、公益性に富むと考える。また本研究により従来困難であった免疫難病の画期的新薬の臨床開発を促進し,難病の治療向上による社会的貢献が達成できる点と世界に先駆けて日本発のシーズの臨床試験を円滑・迅速に進められる点で、本研究は意義があると考える。
その他のインパクト
平成26年6月慶應義塾大学医学部消化器内科主催の市民公開講座にて、クローン病に対する新規治療薬の1つとしてOCHの基礎的研究の成果、クローン病に対して医師主導治験が計画されていることについて説明を行った。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
35件
学会発表(国内学会)
76件
学会発表(国際学会等)
9件
その他成果(特許の出願)
2件
GM-CSF産生T細胞抑制剤、及びTh1/Th2免疫バランス調整剤(特願2014-99587) NKT細胞活性化に伴う選択的IL-4産生誘導活性の評価方法(特願2014-104272)
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2016-05-26
更新日
2018-06-25

収支報告書

文献番号
201442005Z