乳幼児喘息に対するフルチカゾン間欠吸入と連日吸入の増悪抑制効果に関する多施設共同二重盲検ランダム化比較試験

文献情報

文献番号
201441009A
報告書区分
総括
研究課題名
乳幼児喘息に対するフルチカゾン間欠吸入と連日吸入の増悪抑制効果に関する多施設共同二重盲検ランダム化比較試験
課題番号
-
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
勝沼 俊雄(東京慈恵会医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 藤澤隆夫(国立病院機構三重病院)
  • 吉原重美(獨協医科大学)
  • 中村秀文(国立成育医療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【委託費】 難治性疾患等実用化研究(免疫アレルギー疾患等実用化研究)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
24,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
乳幼児喘息にフルチカゾン(Fluticasone propionate; FP)間欠吸入または連日吸入を1年間実施し増悪抑制効果を比較評価する。また乳幼児喘息の治療において成長抑制を含む安全性を評価する。
研究方法
はじめに研究方法の概略を記す。
患者選択基準:本研究は,喘息治療を受けた経験があり,症状の安定している乳幼児喘息患者を対象とする。
以下の選択基準をすべて満たし,除外基準に抵触しない患者を本研究の対象とする。
【選択基準】
1) 登録時の年齢が12~59ヶ月の外来乳幼児患者である。
2) 修正asthma predictive index (API)を満たす。
3) 以下のいずれかを満たす。
i)登録前1年間に4回以上の呼気性喘鳴エピソードがある。
ii)登録前1年間に以下の両方を満たす。
・3回以上の呼気性喘鳴エピソード*がある。
・3ヶ月(12週)以上継続して喘息長期管理を受けた経験がある。
4) 登録前1年間にステロイドの全身投与による喘息治療を受けた経験がある。
5) 喘息症状が安定している。
6) 養育者の申告上,登録前1年間に上気道炎に引き続く呼気性喘鳴の出現が明らかな児。
7) 親又は法的保護者から本研究参加に対する自由意思による同意が文書で得られている。
研究計画:本研究は、多施設共同,二重盲検,ランダム化並行群間比較試験である。
試験治療は以下の2群(間欠吸入群、連日吸入群)の治療とする。本研究はプラセボのダブルダミー法による二重盲検比較試験であり、登録時にランダム割付けされる。
(1) 間欠吸入群
登録から48週間,プラセボ(連日吸入用)を1日2回(朝・夜に各1吸入)吸入する。
あらかじめ設定した感冒症状出現時および外泊時にフルチカゾン50 µg(間欠吸入用)を1日2回(朝・夜に各2吸入)追加吸入する。感冒症状出現時は1週間継続し,外泊時には原則として外泊前日より帰宅日の夜まで吸入する。
(2) 連日吸入群
登録から48週間,フルチカゾン50 µg(連日吸入用)を1日2回(朝・夜に各1吸入)吸入する。
あらかじめ設定した感冒症状出現時および外泊時にプラセボ(間欠吸入用)を1日2回(朝・夜に各2吸入)追加吸入する。感冒症状出現時は1週間継続し,外泊時には原則として外泊前日より帰宅日の夜まで吸入する。
なお,本試験治療の「感冒症状出現時」とは,「①発熱(37.5℃以上),②咳,③鼻汁・鼻閉のうち2症状以上を認めると親(養育者)が判断した場合」と定義する。また、「外泊」とは、定例ではない非日常的な外泊(旅行など)を意味するものとする。
結果と考察
1. 研究体制:研究体制を確立した。今後100を目標として研究参加施設を追加する。
2. プロトコル確定:平成27年2月8日にキックオフミーティングを開催し、内容に微修正を加えて確定し、本格的な各施設での開始が可能となった。
3. ダブルダミー作製:長期間の協議の結果、平成27年1月、製造元のGSK社と合意に至った。平成27年3月現在においてはプラセボ薬を作製中であり、入手次第ダブルダミー作成作業に入る。
4. 倫理委員会審議申請:平成27年1月、倫理委員会の承認を得た。
5. 登録(参加施設):計画推進に数ヶ月の遅滞が生じたため、当初50余りを想定していた参加施設を100程度まで増やすことにより時間的遅れを取り戻す方向で努力した。
6. CRF(症例報告書):最終的なプロトコル内容に基づきCRF、患者日誌を作成した。
7. DVD作製:研究の円滑な推進策として、キックオフ会議に参加できなかった研究協力医師や新たに参加される医師、あるいは既に参加している医師の研究内容確認のために、研究概要を編集したDVDを作製した。
8. スマホ対応アプリの作製:患児の臨床症状や治療内容を、Webアプリを用いてフォームに入力し送信を行いデータ管理する。本アプリ作製を日本臨床研究支援ユニットに委託し完成した。
結論
平成27年度より研究をスタートさせる準備が整ったといえる。

公開日・更新日

公開日
2015-07-03
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201441009C

収支報告書

文献番号
201441009Z