文献情報
文献番号
201439018A
報告書区分
総括
研究課題名
エビデンスに基づく地域健康長寿プロジェクト-健康長寿ポイント制度の活用-
課題番号
-
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
福原 俊一(京都大学 大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 医療疫学分野)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【委託費】 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策実用化研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
7,690,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究では、健康長寿ポイント制度を活用し、住民が主体的に参加する地域健康長寿プロジェクトを実施し、その効果を実証する。
研究方法
モデル地域住民にインセンティブを与え(健康長寿ポイント制度)、健康行動変容を促す。健康行動データ、医療データを組み合わせたデータベース(健康長寿データベース)を構築する。データベースの分析に基づき、地域健康長寿プロジェクト(以下の各項目)を実施。
【健康行動データを登録するシステム(My健康ログ)の構築(平成26年度)】
運動、食事、睡眠など日々の健康行動を記録するアプリ・手帳を開発
【健康長寿ポイント制度の構築(平成26年度)】
健康行動の登録に対してポイント付与
JAしらかわが協賛し、ポイントが貯まると地域の特産品プレゼントへ応募可能
【健康長寿データベースの構築(平成26年度)】
健康行動データ、医療データを統合した多目的データベースを構築
(倫理面への配慮)
本事業参加時に紙面による同意取得を行う。本事業で新たに取得する個人情報(氏名、年齢、生年月日、住所、非保険者番号など)は本事業を運営する白河事務局(白河総合病院内に設置)において、鍵のついたロッカーで厳重に管理される。自治体や病院が保有する医療データは同意取得者のみ抽出し、匿名化処理を行った後に白河事務局分析へ提供され、分析に利用される。
【健康行動データを登録するシステム(My健康ログ)の構築(平成26年度)】
運動、食事、睡眠など日々の健康行動を記録するアプリ・手帳を開発
【健康長寿ポイント制度の構築(平成26年度)】
健康行動の登録に対してポイント付与
JAしらかわが協賛し、ポイントが貯まると地域の特産品プレゼントへ応募可能
【健康長寿データベースの構築(平成26年度)】
健康行動データ、医療データを統合した多目的データベースを構築
(倫理面への配慮)
本事業参加時に紙面による同意取得を行う。本事業で新たに取得する個人情報(氏名、年齢、生年月日、住所、非保険者番号など)は本事業を運営する白河事務局(白河総合病院内に設置)において、鍵のついたロッカーで厳重に管理される。自治体や病院が保有する医療データは同意取得者のみ抽出し、匿名化処理を行った後に白河事務局分析へ提供され、分析に利用される。
結果と考察
【結果】
1.健康行動データを登録するシステム(My健康ログ)の構築
事業開始当初よりシステムエンジニアとシステム構築全般につき協議を開始した。手帳版に関しては、光学式文字読取装置を搭載したKIOSK端末を設置し、参加者にスキャナを実施してもらい電子データ化する方針とした。手帳版、スマホ版の記入項目の内容、また、記入内容を判定して返却する健康に関するフィードバック内容を、複数の医師で検討して確定に至った。
平成27年3月末までに下記の項目を達成した。
・手帳の発刊
・スマホアプリの開発
・KIOSK端末の開発
・健康行動データ収集システムの開発
・通信回線の設置
2.健康長寿ポイント制度の構築
健康長寿ポイント制度の構築のため下記のシステムを設計した。
・(スマホ版)アプリ上での健康行動データ記入に対してポイント付与
・(手帳版)手帳記載データのKIOSK端末からの登録に対してポイント付与
・(共通)健診受診や健康イベント参加などに対してのポイント付与
・(共通)貯まったポイントの利用に伴うポイント減算
3.健康長寿データベースの構築
健康行動データのデータベースに、既存の診療情報(レセプト・検査結果・健診結果)を連携させ、健康長寿データベースを作成するため、診療情報データのデータ構造についての情報収集とデータ構造の確認を終了した。
【考察】
本事業では、健康行動の記録とインセンティブ制度により、住民主体の行動変容介入を行い、地域レベル・個人レベルでのライフスタイルの改善を達成することを目標とした。
また、人的資源の限られた状況で有効な介入を行うためにスマホアプリ、KIOSK端末による手帳記載内容の電子化など、ITを活用した。特に情報弱者である高齢者など、従来はIT活用の恩恵を受けにくい集団にも利用可能な方式を取り入れることを工夫した。
レセプトデータ、特定健診データなど地域の健康課題を解決するために貴重なビックデータが集積され、厚生労働省もデータヘルス事業として進めている。しかし、これらのデータが、今まで十分に活用されているとは言えない。各種データベースを突合して、不足するデータ(住民由来データである健康行動、症状など)を効率的に習得する基盤を構築することで、既存のデータを利活用してエビデンスに基づいた健康長寿事業を行うことが可能となる。
1.健康行動データを登録するシステム(My健康ログ)の構築
事業開始当初よりシステムエンジニアとシステム構築全般につき協議を開始した。手帳版に関しては、光学式文字読取装置を搭載したKIOSK端末を設置し、参加者にスキャナを実施してもらい電子データ化する方針とした。手帳版、スマホ版の記入項目の内容、また、記入内容を判定して返却する健康に関するフィードバック内容を、複数の医師で検討して確定に至った。
平成27年3月末までに下記の項目を達成した。
・手帳の発刊
・スマホアプリの開発
・KIOSK端末の開発
・健康行動データ収集システムの開発
・通信回線の設置
2.健康長寿ポイント制度の構築
健康長寿ポイント制度の構築のため下記のシステムを設計した。
・(スマホ版)アプリ上での健康行動データ記入に対してポイント付与
・(手帳版)手帳記載データのKIOSK端末からの登録に対してポイント付与
・(共通)健診受診や健康イベント参加などに対してのポイント付与
・(共通)貯まったポイントの利用に伴うポイント減算
3.健康長寿データベースの構築
健康行動データのデータベースに、既存の診療情報(レセプト・検査結果・健診結果)を連携させ、健康長寿データベースを作成するため、診療情報データのデータ構造についての情報収集とデータ構造の確認を終了した。
【考察】
本事業では、健康行動の記録とインセンティブ制度により、住民主体の行動変容介入を行い、地域レベル・個人レベルでのライフスタイルの改善を達成することを目標とした。
また、人的資源の限られた状況で有効な介入を行うためにスマホアプリ、KIOSK端末による手帳記載内容の電子化など、ITを活用した。特に情報弱者である高齢者など、従来はIT活用の恩恵を受けにくい集団にも利用可能な方式を取り入れることを工夫した。
レセプトデータ、特定健診データなど地域の健康課題を解決するために貴重なビックデータが集積され、厚生労働省もデータヘルス事業として進めている。しかし、これらのデータが、今まで十分に活用されているとは言えない。各種データベースを突合して、不足するデータ(住民由来データである健康行動、症状など)を効率的に習得する基盤を構築することで、既存のデータを利活用してエビデンスに基づいた健康長寿事業を行うことが可能となる。
結論
住民主体の行動変容介入を行うため、基盤となる健康長寿データベースとインセンティブ制度を構築した。今後は、データベースを用いて、住民主体の行動変容介入の効果を検証する。
公開日・更新日
公開日
2015-09-17
更新日
-