胆道がんに対する治療法の確立に関する研究

文献情報

文献番号
201438075A
報告書区分
総括
研究課題名
胆道がんに対する治療法の確立に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
奥坂 拓志(独立行政法人国立がん研究センター中央病院 肝胆膵内科)
研究分担者(所属機関)
  • 森実 千種(独立行政法人国立がん研究センター中央病院 肝胆膵内科)
  • 池田 公史(独立行政法人国立がん研究センター東病院 肝胆膵内科)
  • 小西 大(独立行政法人国立がん研究センター東病院 肝胆膵外科)
  • 古瀬 純司(杏林大学医学部 内科学腫瘍科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【委託費】 革新的がん医療実用化研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
24,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
難治性がんである胆道がん全体の治療成績向上をめざして、切除不能例および根治切除例の各々に対して第III相試験を行い新治療の有用性を検証する。
研究方法
以下の第III相試験および付随研究により新治療の有用性の検証およびバイオマーカーの検討を行う(切除不能・再発胆道癌に対するゲムシタビン+シスプラチン併用療法(GC療法)とゲムシタビン+S-1併用療法(GS療法)の第III相比較試験(JCOG1113)、切除不能・再発胆道癌における薬剤感受性予測因子に関する研究(JCOG1113-A1)、根治切除後胆道癌に対する術後補助療法としてのS-1療法の第III相試験(JCOG1202)、根治切除後胆道癌に対する術後補助療法における薬剤感受性予測因子に関する研究(JCOG1202-A1))。また胆道癌に対する新規治療法の開発に寄与することが期待される基礎的研究として、胆道がん患者における既往歴と家族歴を後ろ向きに調査を行う。
結果と考察
結果:切除不能例に対する「GC療法とGS療法の第III相試験(JCOG1113)」は平成25年6月より登録を開始し、平成27年1月末日時点での登録数は209例(予定登録数350例の60%)である。登録ペースは10.5例/月であり、予定ペースである7.3例/月を上回っており、次年度も予定速度以上を維持して登録を推進する。付随研究(JCOG1113-A1)も平成25年8月より開始しており、約30%の登録を得ている。
根治切除例に対する「切除単独療法と術後補助S-1療法の第III相試験(JCOG1202)」は平成25年9月より登録を開始し、平成27年1月末日時点での登録数は85例(予定登録数350例の24%)である。登録ペースは5例/月であり、予定ペースである7.3例/月を下回っているが、登録促進策の強化により最近の数か月は増加傾向となっている。付随研究(JCOG1202-A1)は、現在実施中の予備的検討ののちに登録を開始する予定としている。
後向きコホート研究(284名)の結果、胆道がん患者においては、胆道がんの家族歴(5.6%)、乳がん・卵巣がんの家族歴(6.0%)、リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス性大腸がん)の家族歴(24.3%)が認められた。
考察:切除不能例に対する「GC療法とGS療法の第III相試験(JCOG1113)」は予定以上の速度で、また根治切除例に対する「切除単独療法と術後補助S-1療法の第III相試験(JCOG1202)」は予定よりやや遅れているものの確実に登録が進んでいる。胆道がんは日本には患者が多く(癌死亡数第6位)、予後がきわめて不良な難治性がんであるため、我が国でのエビデンスを産む本研究は国民の福祉に大きく貢献することが期待されている。また今回実施したコホート研究は胆道がんの発症原因と関連する生殖細胞系変異を解析するための基礎的データであり、新規治療法の開発への寄与が期待される。
結論
切除不能例および根治切除例の各々に対する第III相試験を引き続き着実に進行し、新治療の有用性を検証する。

公開日・更新日

公開日
2015-09-14
更新日
-

研究報告書(PDF)

行政効果報告

文献番号
201438075C

収支報告書

文献番号
201438075Z