Liquid Biopsyによる分子標的薬の治療感受性・抵抗性の予測および新規獲得耐性機序の解明

文献情報

文献番号
201438013A
報告書区分
総括
研究課題名
Liquid Biopsyによる分子標的薬の治療感受性・抵抗性の予測および新規獲得耐性機序の解明
課題番号
-
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
西尾 和人(近畿大学医学部ゲノム生物学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 岡本 勇(九州大学病院ARO次世代医療センター)
  • 西尾 誠人((公財)がん研究会有明病院)
  • 池田 徳彦(東京医科大学甲状腺・呼吸器外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【委託費】 革新的がん医療実用化研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
21,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
臨床で用いられる分子標的薬の感受性・抵抗性に関わる分子特性が明らかになるにつれ、適切な治療薬の選択を可能にするバイオマーカー診断技術の確立が喫緊の重要課題となっている。本研究の目的は、liquid biopsyによる遺伝子診断技術、すなわち、患者の病態により検体採取が左右されない「非侵襲的なバイオマーカー」診断技術を確立し、分子標的薬の治療感受性・抵抗性の予測ならびに新規獲得耐性機序の解明にこれらの技術を臨床応用することである。
研究方法
Liquid biopsyによるEGFR-TKI獲得耐性遺伝子変異モニタリングに関わる研究開発については、探索的臨床研究の計画立案し、倫理委員会の承認を得て実施する。血中融合遺伝子の検出法の確立とliquid biopsy検体を用いたfeasibility研究に関わる研究開発およびLiquid biopsyによるEGFR-TKI獲得耐性遺伝子変異モニタリングに関わる研究開発については、倫理委員会承認のもと、臨床施設と共同で、臨床サンプルの収集・保管を行う。測定の為のアッセイ系の確立、cut-off値の決定を行う。ALK阻害剤耐性機序の研究にでは、耐性化症例の腫瘍片より初代継代培養細胞株を樹立する。同細胞を用い次世代シーケンサー等によりゲノム解析を開始する。耐性症例での二次的変異解析のための研究計画の倫理委員会での承認を得て、検体の集積を開始する。
結果と考察
Liquid biopsyによるEGFR-TKI獲得耐性遺伝子変異モニタリングに関わる研究開発については、探索的臨床研究の計画立案し、倫理委員会の承認を得た。また、Liquid biopsyによるEGFR-TKI獲得耐性遺伝子変異モニタリングに関わる多施設共同での探索的臨床研究を立案し、研究計画書を作成した。測定の為のアッセイ系の確立、cut-off値の決定を行なった。腫瘍組織と血清のペア検体を用いたEGFR二次的変異T790Mの測定のための研究計画の倫理委員会での承認を得て、東京医大で収集されたレトロスペクティブなペア検体の測定を開始した。血中融合遺伝子の検出法の確立とliquid biopsy検体を用いたfeasibility研究に関わる研究開発およびLiquid biopsyによるEGFR-TKI獲得耐性遺伝子変異モニタリングに関わる研究開発については、倫理委員会承認のもと、臨床施設と共同で、臨床サンプルの収集・保管を行った。ALK, RET, ROS1融合遺伝子陽性肺癌の分子標的薬に対する耐性化機序の解明に関わる研究開発:耐性化症例の初代継代培養細胞株でのゲノム解析に着手した。耐性症例での二次的変異解析のための研究計画を倫理委員会へ申請し承認を得た。耐性化症例の初代継代培養細胞株のゲノム解析を次世代シーケンサー等によるエクソーム解析等を開始した。耐性症例での二次的変異解析のための検体の集積を開始した。Liquid biopsyのアッセイ系の確立の過程で、核酸抽出工程、測定の供するDNAコピー数等を含めた測定条件が明らかとなり、今後の収集過程では、上記条件での収集を実施することが望ましいと考えられた。Liquid biopsy対象症例の選択には、組織型によりどの程度絞り込むかについて検討する必要があった。同一患者の組織および血漿ペアのレトロスペクティブサンプルが多数収集され、腫瘍・血中の遺伝子変異ステータスの一致率および2次的遺伝子変異以外の耐性機序の検出等、遺伝子解析結果が期待される。多施設共同での探索的臨床研究の実施のため、検体採取、保管方法、測定機関への輸送手段などを議論し、スムーズな研究の実施が可能な研究計画が策定された。
結論
Liquid biopsyによるEGFR-TKI獲得耐性遺伝子変異モニタリングに関わる研究開発、血中融合遺伝子の検出法の確立とliquid biopsy検体を用いたfeasibility研究、Liquid biopsyによるEGFR-TKI獲得耐性遺伝子変異モニタリングに関わる研究開発のいずれにおいても倫理委員会承認のもと、臨床施設と共同で、臨床サンプルの収集・保管が開始され、順調に進んでいると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2015-09-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2015-09-11
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201438013C

収支報告書

文献番号
201438013Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
27,300,000円
(2)補助金確定額
27,300,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 19,567,224円
人件費・謝金 0円
旅費 989,300円
その他 448,383円
間接経費 6,300,000円
合計 27,304,907円

備考

備考
4,907円は自己資金で充当

公開日・更新日

公開日
2016-08-08
更新日
-