文献情報
文献番号
201435006A
報告書区分
総括
研究課題名
難治性角結膜疾患に対する培養自家口腔粘膜上皮シート移植
課題番号
-
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
木下 茂(京都府立医科大学大学院医学研究科 視覚機能再生外科学)
研究分担者(所属機関)
- 外園千恵(京都府立医科大学大学院医学研究科 視覚機能再生外科学)
- 今井浩二郎(京都府立医科大学大学院医学研究科 医療フロンティア展開学)
- 中村隆宏(同志社大学生命医科学部炎症再生医療センター)
- 雨宮 傑(京都府立医科大学大学院医学研究科 歯科口腔科学)
- 川本篤彦((公財)先端医療振興財団 再生治療ユニット)
- 郷 正博((公財)先端医療振興財団 再生治療ユニット)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 【委託費】 医療技術実用化総合研究(臨床研究・治験推進研究事業)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
46,153,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
角膜疾患のうち、難治性角結膜疾患と呼ばれる疾患群は角膜上皮ステムセルの疲弊により重篤な視力障害を招く。しかし従来型の角膜移植では効果を得られず、視力改善に有効な治療法がなかった。
業務責任者である木下茂は、難治性角結膜疾患の新規治療法として培養自家口腔粘膜上皮シート移植を開発、2002年に世界で初めて移植に成功した。初回からの全72例を対象としたレトロスペクティブ調査では、難治性角結膜疾患の中でも最重症の三疾患(重症熱・化学外傷、Stevens-Johnson症候群、眼類天疱瘡)に有用であった。
本研究の目的は、1)薬事対応できる臨床データを蓄積し、薬事申請に繋げること、さらに2)日本発の再生医療技術として国際展開すること、である。単年度での委託である今年度においては、前者を中心に展開した。
業務責任者である木下茂は、難治性角結膜疾患の新規治療法として培養自家口腔粘膜上皮シート移植を開発、2002年に世界で初めて移植に成功した。初回からの全72例を対象としたレトロスペクティブ調査では、難治性角結膜疾患の中でも最重症の三疾患(重症熱・化学外傷、Stevens-Johnson症候群、眼類天疱瘡)に有用であった。
本研究の目的は、1)薬事対応できる臨床データを蓄積し、薬事申請に繋げること、さらに2)日本発の再生医療技術として国際展開すること、である。単年度での委託である今年度においては、前者を中心に展開した。
研究方法
対象を難治性角結膜疾患の中でも最重症の三疾患(重症熱・化学外傷、Stevens-Johnson症候群(SJS)、眼類天疱瘡)に限定し、多施設かつプロスペクティブに培養自家口腔粘膜上皮シート移植を実施する。移植目的は視力改善、上皮欠損の修復、眼表面癒着の解除のいずれかである。
培養自家口腔粘膜上皮シート移植を実施して、有効性と安全性を評価する。また臨床実施に向けて口腔粘膜上皮シートの輸送及び保存安定性の検討を行う。本治療を広めるための基盤整備として、術式及び術後管理等の教育に向けた準備を進める。
培養自家口腔粘膜上皮シート移植を実施して、有効性と安全性を評価する。また臨床実施に向けて口腔粘膜上皮シートの輸送及び保存安定性の検討を行う。本治療を広めるための基盤整備として、術式及び術後管理等の教育に向けた準備を進める。
結果と考察
難治性角結膜疾患に対する口腔粘膜上皮シート移植治療法の確立に向けて、京都府立医科大学附属病院眼科を実施医療機関の中心とし、先端医療振興財団の先端医療センターに整備した細胞培養施設(CPC)を製造施設として、臨床研究を先進医療Bとして実施した。
本研究期間中、平成27年3月末までに6例の移植手術を施行し、全例において移植された口腔粘膜上皮は患者の眼表面に生着した。
本治療法を保険治療化し普及させるためには、口腔粘膜上皮シートの薬事開発を行い、検証的治験を行うことで再生医療等製品としての薬事承認を得る必要がある。そのため、先進医療B実施と並行して、検証的治験の準備を進めた。最初の段階として、口腔粘膜上皮シート製造に使用する原料の精査を行った。
保険治療で実施された際の安全な普及のために術式のトレーニングが必要である。前臨床研究および本臨床試験の手術ビデオのライブラリー化に着手した。
本研究期間中、平成27年3月末までに6例の移植手術を施行し、全例において移植された口腔粘膜上皮は患者の眼表面に生着した。
本治療法を保険治療化し普及させるためには、口腔粘膜上皮シートの薬事開発を行い、検証的治験を行うことで再生医療等製品としての薬事承認を得る必要がある。そのため、先進医療B実施と並行して、検証的治験の準備を進めた。最初の段階として、口腔粘膜上皮シート製造に使用する原料の精査を行った。
保険治療で実施された際の安全な普及のために術式のトレーニングが必要である。前臨床研究および本臨床試験の手術ビデオのライブラリー化に着手した。
結論
培養自家口腔粘膜上皮シート移植の実用化に向けて、ICH-GCP準拠国内多施設臨床試験としての手術を実施し、順調に経過中である。将来の保険化、安全な普及を目指して研究開発、基盤整備を進めていく。
公開日・更新日
公開日
2016-01-28
更新日
-