低侵襲大動脈瘤存在診断装置の開発

文献情報

文献番号
201434020A
報告書区分
総括
研究課題名
低侵襲大動脈瘤存在診断装置の開発
課題番号
-
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
齋木 佳克(東北大学大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 【委託費】 医療機器開発推進研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
37,900,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、超音波ドップラー法の応用による血管壁粘弾性測定に、血管壁不安定挙動解析技術を応 用することで、胸部大動脈瘤の早期高精度診断を可能とする医療機器の創出を目指している。本年度の目的、現在開発過程にある当該機器を用いて非臨床試験を実施し、実際の臨床に即した胸部大動脈瘤の検出特性、生理的条件を変動させた環境下で明らかにし、解析システムへの改良に向けてフィードバックを図ることにある。
研究方法
1)大動物(ブタ)を用いた大動脈瘤モデルを確立し、生理的条件(血圧)を変動させた環境下で大動脈瘤の形態別、また、測定部位別に検出結果を解析し、検出パラメーターの定義別に診断の感度と特異度を算出する。
2)上記の解析結果を基に、解析装置のソフトウエアの改良を行う。 
(倫理面への配慮)動物実験委員会にて審議がなされ実験遂行の承認を得ている(受付番号2013医動-633)
結果と考察
研究結果
1)スパズム(血管攣縮)を起こしにくい大動脈(弓部〜下行〜腹部大動脈)に直接プローブを当てて測定した際、トラジェクトリー(軌道)解析におけるloop波形を認めた。末梢血管での測定ではスパズムの影響で血管壁不安定挙動の検出力(感度と特異度)が低下した。血圧変動の影響はなかった。
2) 上記実験結果を受けて、アトラクター解析マップ(時間差、⊿tを有する2つの速度の2次元表示)において、血管壁運動の不規則性をより鮮明に表示するために、⊿tの設定が可変となるように解析ソフトを改良し得た。ディジタルフィルターによる安定した波形の取得で、格段にコンパクトな装置に改良する技術開発を行い、今までと同等の性能が出せることも確認した。 
考察
本装置を用いることで胸腔内に存在する大動脈瘤の存在診断が可能となる。しかし、その前提条件として、測定部位となる末梢血管にスパズムが生じた状態では測定が困難になる。露出されていないヒトの末梢血管ではそのような事態は想定しづらいものの、極めて高度な動脈硬化症の存在や血管径が狭小化した病態下では、ニ相性波形や軌道解析にけるloop波形の出現に影響を与える可能性が示唆された。
結論
本装置を用いた血管壁不安定挙動解析技術の改良により、大動脈瘤存在診断の精度が向上する具体的技術改良が可能となった。

公開日・更新日

公開日
2015-06-09
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2016-01-22
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201434020C

収支報告書

文献番号
201434020Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
49,270,000円
(2)補助金確定額
49,270,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 20,712,543円
人件費・謝金 5,709,069円
旅費 281,500円
その他 11,196,888円
間接経費 11,370,000円
合計 49,270,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2016-01-28
更新日
-